delofamiliaが生き物だとしたら、
5枚目のアルバムで私たちはおばさん、おじさんになってきた(笑)
––––今作のタイトル『Carry on Your Youth』の、「youth」は「青春」という認識で合っていますか。
Rie そうですね。幼いというよりは、素直な気持ちということで、青春を含んでいますね。歌詞の中からアルバムタイトルに当てはめていますけれど、delofamiliaとして5枚目のアルバムということ、あと私自身が30歳という節目を迎えようとしていることも掛かっていますね。もしdelofamiliaが生き物だとしたら、5枚目のアルバムで私たちは、おばさん、おじさんになってきたというか(笑)。どこか「youth」を通り過ぎる気持ちがあって。
NA うん、言いたいことは分かる(笑)。
Rie 活動の歴史と個人的な年齢を考えたときに、まだまだライブをやるごとに進化するという意味で、これから成長していきたいというか。いろんな変化を楽しんで、今後も柔軟にやっていきたいという願いを込めた「youth」ですね。
––––アコースティック、フルバンド編成と二つの形態で活動すること自体、いわゆる「youth」と呼べる時期には思いつかなかったアイデアなのかもしれないですよね。それこそ、いろんな人や音楽に触れていく中で、アイデアの引き出しが広がっていくじゃないですか。だから、今のdelofamiliaは等身大で表裏がない感じがすごくする。
Rie 若いときよりも柔軟に素直になりましたよね。つっぱっていたかどうかは分からないけれど、自分の身の丈を知って、謙虚にほとんどのことを受け入れられるようになった年頃かなと思います。
NA うん、若い頃は自分の身の丈に合わないことをすぐやりたがった。音楽以外に、普段も大人ぶったりしていたときもありますね。お酒を頑張って飲むとか(笑)。そういうことの積み重ねで、やらなくてもいいことだと分かるじゃないですか。自分で飲める量を知ることで、美味しいお酒が飲めるっていう。
––––アルバムについて続けますね。Rie fuさんが作詞、主に作曲とプロデュースをNAOTOさんが手がけているということで、サウンドでいうと、やっぱりオルタナとグランジがベースにありますよね。そこにバランスよく打ち込みのビート感が乗っている。
NA 前作から引き続きという感じもあって、リズムマシーンとかアナログシンセサイザー、生のバンドで人が演奏するものがいい感じに共存しているというか。気持ちよく演奏できていますね、ここ2〜3年は。やっていてすごく楽しいです。
––––受ける影響としては洋楽からのものが大きいですよね。
NA グランジとかオルタナ、90年代前半、80年代後半のヒップホップですね。いろんな音楽を聴くけれど、結局は「youth」、もっといえば「teen」のときに聴いていたものをずっと繰り返しているというか。
Rie そういう意味でも「carry on」(「継続する」という意味)、影響がずっと続いていて。
NA ふと考えてみたら、好きなものが変わっていないんですよね。結局は多感な時期に聴いたものが残るのかな。