機械を使っているけれども、人に寄り添うように使っている
––––曲作りの部分でいうと、Rie fuさんからNAOTOさんに曲の提案をしたものはありますか。
Rie 一曲だけありますね。6曲目の“WOW”という曲は自分のデモにあったものを投げて、後はNAOTOさんが作ったメロディーを取り入れています。基本的にはNAOTOさんに全部任せていたので、自由に好きにやってもらえたらなと。私からアイデアがあったら投げるし、なかったら全部お任せという感じで、はっきりとしていますね。逆に歌詞は、何かキーワードをもらって、そこから作っていくという感じです。結構このアルバムは一曲ごとにストーリーが自分の中ではっきりしていて、歌い方もそれに合わせて変えています。音色もカラフルになってきたと思います。
––––音色と歌い方という意味では、やっぱりdelofamilia(trio)の影響は強いんじゃないかなと感じていて。
Rie まさにそうですね。
––––Rie fuさんは前回のインタビューで、次作では「よりオーガニックな感じや人間味を出していけたら」と話してくれましたね。
Rie 徐々に、この作品を通してもっとオーガニックにしていきたいと思いますね。まさに植物が自然に育っていくように、ちょっとずつ何か新しいものが芽生えて、カラフルな作品になっていけば。
–––NAOTOさんとしては、Rie fuさんが言うオーガニックについて思うことはありますか?オーガニックは明るいイメージ、ご自身の軸にあるグランジとかオルタナ、ヒップホップは、地下に潜っていく感じがあるから、その対極的な感じが面白いなと思っていて。
NA リズムマシーンの使い方がヒューマンな使い方というか。打ち込みだけどテンポが一定ではない。それはある意味オーガニックというか、無機質というよりも有機的だと思っていて機械を使っているけれども、人に寄り添うように使っているというか。そういったアプローチは今回のアルバムから多くなっているので、そういう意味では人間っぽい、オーガニックにつながる可能性があるかなと。
Rie グランジの方が、逆にオーガニックな印象が個人的にはありますね。地下でギターのコードも分からず、色んなものを摂取するというか。計画とか計算をして作っていない感じとか、世の中の不満とかを吐き出すという意味ではオーガニックな印象がある。
NA ヘルシーだよね。
Rie 不健康な中の自然体なのかな。