――渦巻き同様、『THE STAR』で描かれている星もパワーを象徴する図形ですよね。
五芒星と五芒星のフラクタルをつなぐ上の螺旋は、グノーモン螺線と呼ばれているものです。どこまでいっても五芒星は小さい五芒星とつながっていく。このように、“この世のいろんなものは五芒星と六芒星のコンビネーションですべてのものが構成されていると言える”っていう説があって。実際、星形の模様って、みんな昔から好きですよね。どうしてかというと、そこにパワーがあるから惹かれちゃうっていう。これとか特に、“待ち受けにしたらご利益あるかもですよ”(笑)。
――そういった、作品に宿るパワーみたいなものって意識していますか?
作るときは、気を溜めて作っています。ま、どんな作家だって、作品つくるときに、気持をこめてる物だとは思いますけども。2012年の夏にルミネのエレベーターデコレーションの制作したとき、自分でもビックリするぐらい気持ちの良い空間ができたんですよ。まるで明治神宮の神楽殿のような、ヒヤッ涼しくて清々しい場所になった気がして。部屋に草花を飾ると雰囲気がガラっと変わるじゃないですか。こういう色と草花を使うと自分でパワースポットを作れるのかもしれない、ってことに気づいて、前回の個展で出展した2mの軍艦の絵を自宅に飾ったら、そのあと、立て続けに素敵な仕事が沢山舞い込んできて。というわけで、いろいろプロジェクトが水面下で進行してますので、今後、期待しててくださいね!
――自ら効果を実証しちゃったんですね。
あはは(笑)。ま、思い込みも大事、ってことで。ちなみに、もし私の絵を飾るなら、寝室がオススメです。寝ていても目ってうっすら開いているから夢のなかにも出てくることがあるし、寝ているときの潜在意識のちからってハンパないし。ご利益ある、かもよ。あくまでも“かもよ”、なメイビーの話ですけど。置くと運気の上がるツボのようなものだと思ってくれればいんじゃないかなと(笑)。
――作品がツボだとしたら、現在発売されているバックやGizmobiesなどのプロダクトはお守りといったところでしょうか。プロダクトのディレクションには、どんな想いを込められてますか?
私ね、動物が本当に好きなんですよ。落ち込んだときとか、どこの誰が飼っているのかわからないペットの動画とか何回もくり返し見ているし。そういうふうに、動物に癒される人って多いですよね。私は、自分のアートで人を癒したいと本気で思ってる。可愛いものや美しいものがまわりにあると幸せな気持ちになれるじゃないですか。そういう気分になれるものを作りたいなとは思っています。ここに関しては、皮肉とかなく、普通に純粋にほんとにそう思ってますよ。
――これから作りたいアイテムってありますか?
ナイトウェア! パジャマが一番のセクシーウェアだと思ってる男性が世の中の30%くらいいるっていう話をテレビかなんかで見たんですけど、実際に身近な男友達に聞いたら「全然いいと思わない」って言ってて。パジャマってちょっと野暮ったいものの方が多いので(笑)。自分の着たいパジャマもないし。
――作品を飾ってナイトウェアを着たら、素敵な夢が見られそうですね! では、最後に。今回、これまでのイメージに加えてD[di:]というアーティストの新たな一面がかいま見える展示内容になっているなという印象ですが、本展を経ての今後のビジョンを教えてください。
ビジョンはあります。今は詳しくは言えないけどね。でも、今回の個展で“オカルティックなものをパロディにするおもしろさ”を見つけたから、そのへんをまた盛り込んだりするかもなあ、したいなあ、とは思っています。オカルトとかスピリチュアルっていうと、とにかくアヤシさが先に立つけど、実は真実とかワクワク感が詰まってると思うし、私がいつもテーマにしているハーモニーっていうものともリンクしているかなって。新しい世界を見せられるきっかけとして、今回があると言えるかな、とは思っています!
interview&text by 野中ミサキ
photo by Chika Takami
Event Information
The Pretty ASCENSION “S”
2014.03.07(土)- 03.29(日)@TAV GALLERY
OPEN 11:00/CLOSE 20:00
定休日:木曜日