【インタビュー】でんぱ組.inc最上もが×加藤マニ対談！映画『ドクター・ストレンジ』魔術的な映像世界を語る

——加藤さんが作られているMVにも、魔術をテーマにしたものがあると思います。最近だと、けやき坂46関連の“Magic Girl”も、朝の身支度中に魔術を使ってガスコンロの火や電気をつけていく映像になっていました。

加藤　やっぱり、（魔術に）憧れはすごくありますね。薬を飲んで時間が戻っていくMVや、コマ撮りをして、歩いている人の服がめまぐるしく変わっていくMVなどは自分の作ったものの中でも、魔術的なもののように思います。

けやき坂46 柿崎芽実・佐々木美玲 『Magic Girl』

——もしも加藤さんが、もがさん主演で魔術をテーマに映像作品を作るとしたら？

加藤　もがさんの場合、魔術を使うことにそんなに意外性がないと思うんですよ（笑）。むしろ既に魔術が使えそうな雰囲気があるじゃないですか？

最上　（冗談めかして）まぁたまに……モノを浮かしていますし……（笑）。

加藤　（笑）。だから、もがさんがジェイソン（映画『13日の金曜日』）に追いかけられていて、途中で中身が入れ替わっちゃうと面白いかもしれないですね。見た目はジェイソンのもがさんが逃げていて、見た目はもがさんのジェイソンがそれを追いかける。意外な映像になりそうです（笑）。

——一方の、もがさんは、でんぱ組.incの“最Ψ最好調!”のMVで分身をしたことがありましたね。

最上　（笑）。MVの中で分身をして、体調が悪いときに分身の自分にライブに出てもらおうとするんですけど、分身した方も結局自分なので、そっちも体調が悪いという（笑）。あとは分身にサインをたくさん書いてもらおうとしてケンカになったり（笑）。

加藤　ははははは。

——そして、もがさんは『ドクター・ストレンジ』の動画キャンペーンにも参加しています。ここでは色んなトリックを使って、映画に登場する魔術の再現にチャレンジしていますね。

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最上　とても面白い体験をさせてもらいました（笑）。どれも楽しかったですけど、一番大変だったのは、地面に立てかけた椅子に座って、映画で部屋が回転する様子を表現した映像です。あれは実は、腹筋が苦しくて（笑）。髪もメイクさんが固めてくれて、動かないようにしてもらいました。「上手くできるかなぁ」と思っていたんですけど、完成したものはばっちりでしたね。どの動画も簡単にできるので、色んな人に挑戦してもらいたいですね。

マーベル「ドクター・ストレンジ MovieNEX」最上もがさんの魔術シーン”本物のぼくは？”

マーベル「ドクター・ストレンジ MovieNEX」最上もがさんの魔術シーン”ようこそミラー次元へ”

——ドクター・ストレンジの魔術には色んな種類のものがありますが、そのひとつに幽体離脱したようになる「アストラル体」があります。お２人は幽体離脱したことはありますか？　もしくは、もし幽体離脱したならどんなことがしてみたいですか？

最上　ぼく自身は経験したことはないんですけど、大きいライブのときに、リーダーの（相沢）梨紗ちゃんが「私、自分のライブを上から観るような感じになってたよ。」と言っていて、「どうしたんだろう？」と思ったことはあります（笑）。でも、してみたいですね。ぼく、一度自分を客観視してみたいんですよ。自分の顔って自分では見られないですし、鏡で見ている顔も写真の顔も、他の人が見ている実際の自分とはちょっと違いますよね。自信がないときに「自分を客観視できたらなぁ」とも思うので。あとは、自分のライブを観てみたい！　これって絶対に体験できないことですしね。

加藤　ああ、リンゴ・スターも言っていましたよ。「ビートルズのライブを観れないことだけが唯一の心残りだ」って（笑）。わたしは納品前の時期はめちゃくちゃ幽体離脱したいです。ストレンジは魔術で時間を止めていましたけど、あの間に作業したいです……！

最上　（笑）。ぼくは時間を巻き戻せるなら、まずはちゃんと学校に行く。部活にもちゃんと行く。そして、ネットゲームに手を出さない（笑）。あとは、2014年をもう一度やり直したいです。この年は武道館公演もツアーも、ドラマの撮影もあってとても忙しくて。取材中に寝ちゃったこともあったんですよ……（苦笑）。だから、その頃に戻って当時の自分を叱りたいです。14年、いや、13年の秋ぐらいからやり直したい（笑）。

加藤　でも、2013年に戻ると、そこから2017年までもう一度過ごさないといけないですよね。わたしは仮に中学生に戻ったとして、「もう一度20年近くもやり直すのか」と考えると、ちょっと無理だなって思うんです（笑）。面倒くさすぎる。だから、やり直したいタイミングってないんですよ。

最上　確かに、今の記憶を残したまま戻るとしたら面倒くさいと思ってしまうでしょうし、記憶がない状態で戻ったら、また同じことをやってしまいそうですね（笑）。

加藤　もがさんは、また絶対ネットゲームに手を出しますよ。

最上　うわああ！　未来を変えられたらいいですよね……。

——（笑）。もがさんはもともとマーベル作品が好きなのだそうですが、中でもお気に入りの作品というと？

最上　ぼくは、『キャプテン・アメリカ／ウィンター・ソルジャー』ですね。バッキ―がかっこいい！　ぼくはバッキ―が好きすぎて、アイアンマンに対するムカつきがすごかったんですよ。「（『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』で）なんだよ！　バッキ―を守ってよ！」って（笑）。セバスチャン・スタンが好きなわけではなくて、バッキ―が好き。１作目（『キャプテン・アメリカ／ザ・ファースト・アベンジャー』）ではそんなにいい役ではなかったと思いますけど、『ウィンター・ソルジャー』を観たときに、「すごくかっこいい！」と思いました。たぶんぼくは、「マスク萌え」ですね（笑）。それにバッキーって魔術を使えるわけではない人間で、自ら自分を鍛えているのがかっこいいと思います。それでぼく、「武術を習いたい」と思ったりもしました（笑）。

——最初にマーベル作品を好きになったきっかけはどんなものだったんですか？

最上　きっかけは妹ですね。妹が『シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ』を観てマーベル作品にハマって、「面白いよ」と勧められたのが最初で。でも、たまたま観てみたら、めちゃくちゃ面白かったんですよね。妹から「この順番で観ろ」というリストも送られてきて、それを順番に観ていきました。最初はアイアンマンを観ていて、それよりハルクの方が好きだな、と思って。それからマイティ・ソーが面白い！　と思って――。『キャプテン・アメリカ／ウィンター・ソルジャー』に出会いました。

——色んなマーベル・キャラの中で、もがさんが彼氏に選ぶとしたら？

最上　バッキ―とホークアイと、『ドクター・ストレンジ』のカエシリウス（ドクター・ストレンジの宿敵役を演じるマッツ・ミケルセン）！

加藤　邪悪フェイスが好きな気がしてきました。

最上　邪悪フェイス、好きです（笑）。

——では、でんぱ組.incのメンバーをマーベルのキャラクターにたとえるなら？

最上　難しいですね（笑）。たとえば……リーダーの（相沢）梨紗ちゃんは『ドクター・ストレンジ』のエンシェント・ワン。梨紗ちゃんって魔術が使えそうなんですよ（笑）。それから……ピンキーちゃん（藤咲彩音）はロケット・ラクーン（以下、ロケット）！　（『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』シリーズに登場するアライグマ）。全然口は悪くない子だしロケットと性格が似ているわけではないですけど、小さくて細身だし、演じるとしたら上手く演じられそうだな、と思って。他のみんなはどうだろう？　これ、すごく難しいですよね（笑）。

——もがさん自身はどうですか？

最上　ぼくは……ヒロインの中で憧れていたのはペッパー・ポッツ（以下、ポッツ）さん（グウィネス・パルトロウ演じるアイアンマンを支える秘書）です。ポッツさんの最終形態がいい（笑）。

——でんぱ組inc.には、他にもマーベル映画が好きなメンバーはいるんでしょうか？

最上　実は梨紗ちゃんもマーベル好きですよ。梨紗ちゃんとぼくだけは、映画もすごく観るので。

——相沢さんもマーベルが好きなんですね。『アベンジャーズvsでんぱ組.inc』が実現すると、とても面白そうです。

最上　ははは、ダメですよ！　そんなことしたら事故ってしまいますから！

——６月２日には『ドクター・ストレンジ』のMovieNEXの販売が開始されます。これから観る人に向けてお２人はどんなところをオススメしたいですか。また、どんなシチュエーションで観るのがオススメだと思いますか？

最上　『ドクター・ストレンジ』は、どんなときに観ても楽しめる作品なんじゃないかな、と思います。さっきマニさんも言われていましたけど、展開が早いので、きっと観ていて飽きないと思いますし、映像もすごく楽しめるので、退屈する時間がないですよね。それに、マーベル映画は色んな作品が繋がっているので、時系列順に観ていった方がより楽しめるのは間違いないですけど、『ドクター・ストレンジ』は今までのシリーズを観ていなくても楽しめると思うんです。ぼくは全然マーベル作品を好きではない友達と劇場に観にいったんですけど、その子も「すごく楽しかった」と言っていましたよ。

加藤　『ドクター・ストレンジ』って、実は結構デートに向いているんじゃないかと思うんですよ。タイトルを見てもアメコミ成分が濃そうな感じがしないというか。男性が女性を誘うときにも、女性が男性を連れていくのもよさそうだぞ、と思います。実際に観てしまえば、面白い作品なので普通に楽しめて良い思い出ですもう。それに、エンドロールの最後で次に続きそうな雰囲気もあるので、次回も誘いやすいと思うんですよ。

最上　ほんとだ！（笑）。家族でもいいですよね。きっと誰を誘っても楽しめると思います。

加藤　極端に痛そうなシーンがないのもいいです。

最上　幽体離脱のシーンも面白いですし。恋愛要素もドロドロしているわけではないので、スッキリ観られて、家族でも友達でも、色んな人と楽しめる作品だと思います！

最上もが ✕ 加藤マニ『ドクター・ストレンジ』対談 メイキング映像

text ＆ interview by 杉山仁
supervised by 杉山すぴ豊
取材協力：OSMAND