——そもそも、みなさんはどんな風に『HADO』を知ったんですか?
YUYA 去年の世界大会の前に、僕がたまたまネットサーフィンをしていて『HADO』を見つけました。それで「これは面白そうだな!」と思って、仲間を集めて出場することにしたんです。
その後、今年の<HADO SPRING CUP 2017>に出場して、フルボッコにされてしまって……。そのあとにみんなで反省会もかねて飲みにいったんですよ。そこで話していたら、思った以上にみんな悔しさを感じていることが分かって、活動を本格化させた形ですね。
しぶさん <HADO SPRING CUP 2017>は、去年の<HADO WORLD CUP 2016>と比べても、ステータスが割り振れるようになっていたり、シールドが生まれていたりと、戦術の幅が大きく広がっていたんですよね。『HADO』自体がどんどん面白くなってきていて、でもそこについて行けてない自分たちがいて……それがすごく悔しかったんです。
YUYA そうそう。本当に悔しかったんですよ。でも今思うと、そこで負けたことがよかったと思います。それがあったことで、僕らの中でも『HADO』に本気で燃えるようになった。<HADO SPRING CUP 2017>は他のチームが練習を積んできたことも感じられて、俺たちは場違いな感じだったので、「もう脱ぐしかない」と思って、僕は筋肉アピールに走りました。今当時の動画を観ると、あの筋肉は全然ダメなんですけどね……。キレてなかった。
しぶさん&UNO (笑)。
YUYA それからUNOが加入して、<HADO SUMMER CUP 2017>の前日も、みんなでウチに泊まって動画を観ながら研究しました。ただ、結局あの大会でも決勝まで行ったのに優勝することはできなくて……。
しぶさん それで、試合後にYUYAくんが肩にもたれかかってきて、「気持ち悪いな」と思ったら、思い切り泣きはじめて……(笑)。
YUYA 自分でもどこでスイッチが入ったのか、涙がめちゃくちゃ出てきてしまって。本当にビックリしましたよ。10年以上、泣いたことなんてなかったのに!
しぶさん 綺麗な男泣きだった(笑)。
——それぐらい『HADO』に本気になったということですね。
しぶさん <HADO SUMMER CUP 2017>の決勝でわちゃごな☆ピーポーに負けてしまったのは、本当に悔しかったですね。予選は戦術もばっちりハマっていたのに、決勝では1本目でビックリするほど噛み合わないまま負けて、その流れで2本目も負けてしまって。
——1本目が終わったあとに「(戦術を)変えます!」と宣言して、結局変えずにそのまま戦って負けてしまった試合ですね。
YUYA 1本目でそんなに点差がついたわけではなかったので、「このままでもいいんじゃないか?」という話になったんですよ。それでそのまま向かったら、結果フルボッコにされてしまったという(笑)。
しぶさん あの試合から、「シールドは俺らのトレンドじゃない」という話になったので、<HADO WORLD CUP 2017>ではまた新しい戦い方を見せようと思いますよ。今って強豪チームはチャージに振ってくる(=弾数が沢山打てるようにする)チームが多いんで、それなら僕らも違う戦い方で行こうか、というのが最近のモードかもしれないですね。
YUYA ただ、攻撃に振るだけで、運ゲー(=運次第のゲーム)のようなただの打ち合いになってしまうのはつまらないので、そこをどうするかを<HADO WORLD CUP 2017>の本番までに考えているところです。
——エクスペンダブルズの場合は、他のチームと比べるとトリッキーな動きや戦術をつねに狙っているようなイメージがありますね。
しぶさん 確かに、「こんなやりかたがあるんだ!?」という、他の誰もやっていないような方法で確固たるものを作りたい気持ちは強いチームだと思いますね。
YUYA それで、必殺技も色々考えているんですよ。「波動砲」という、一斉にみんなでチャージを溜めて、相手を囲い込んで撃つような技とかね。
しぶさん これは僕らではどうにもできないところですけど、ゆくゆくは隠しコマンドを見つけたら使える必殺技を用意してくれても面白くなりそうだよね。攻撃側もチャージ側も必殺技があれば、戦術が広がると思いますし。とにかく、「こんな戦術で行けばこうなるんじゃない?」と予想したり、新しい戦い方を考えたりするのが『HADO』の醍醐味だと思うんですよ。
たとえばサッカーの試合を観ていて、「こんな戦術を試してみたい!」と思っても、僕らにはそれは出来ないわけじゃないですか。でも、『HADO』ならそういうことが出来る。そこがすごく楽しいです。僕ら一応、フォーメーションを108個用意しているので(笑)、本番でも「こんな戦い方があるんだ?!と」驚かせたい気持ちはありますね。
YUYA <HADO WORLD CUP>のプロモーション動画みたいな動きもしたいよね。
しぶさん バック転でエナジーボールを避けるとかね(笑)。あと、ダメージを受けると衝撃波のようなものが実際に体に伝わるようになっても面白そう。
YUYA ベンチプレスがある程度出来る人がエナジーボールを出すと、それなりに威力が強くなって吹き飛ぶとかね。よりリアルなサバゲ―に近づいていくと面白いかもしれない。ただ、そうすると女の子がやりにくくなってしまうかも……。
——優しいですね(笑)。ちなみに、みなさんが練習で意識していることというと?
しぶさん 毎回、「今回の練習はこういう動きを練習する回にしよう」とテーマを決めてやっている部分はあります。「今回はこういう動きをしよう」と決めて、それを繰り返すことを何パターンかやっていく感じで。その中で、ガチッとハマるものを見つけていく感覚です。<WORLD CUP>本番までに、一番ハマるものを見つけようとしているところですね。
YUYA まぁ、ハマらなくても僕らは強いんですけどね(笑)。スキルは既についているので、あとはフォーメーションを工夫することで「相手が狙いにくく、こっちが狙いやすい」瞬間を試合中に何回作るかを考えてます。そこがすごく大事なので。
しぶさん それをシステマチックに作り出せるようにするために、今みんなで色々と試しているところなんですよ。
——チームの紹介動画などではYUYAさんの筋肉を前面に押し出していますけど、実は緻密に作戦を考えているチームでもあるんですね。
YUYA 実は僕ら、猪突猛進型のタイプではないんで(笑)。でも、それを考えるのがすごく楽しい。年下のUNOくんも含めて全員が「こういうのってどうですか?」とアイディアを出してくれるので、すごく楽しいですね。それに、『HADO』は他のチームの人たちも個性豊かで、その人たちと絡めるのも楽しいんですよ。これから時代を作っていくだろう新しいスポーツのスタート地点にみんなでいられることが、本当に嬉しいですね。
しぶさん そもそも、手から「エナジーボール」を撃つというのはそれだけで楽しいですからね。一度やってみれば全員ハマる競技なんじゃないかな、と思います。
YUYA meleapの社長が上げている紹介動画で、たとえば「モータースポーツ」は「工業×スポーツ」なのに対して、『HADO』は「情報×スポーツ」なんだ、というものがあるんですけど、それもめちゃくちゃかっこいいと思うんですよね。単純にワクワクします。
——チームとしてのこれまでの活動の中で、転機を挙げるとするなら?
YUYA やっぱり、<HADO SPRING CUP 2017>でのボロ負けと、<HADO SUMMER CUP 2017>での僕の男泣きですね(笑)。<HADO SPRING CUP 2017>で負けたことで奮起することができたし、<HADO SPRING CUP 2017>で、僕らの本気度がより伝わったと思いますし。はじめた頃は、「今からならまだ世界を目指せる可能性がある」ということや、「僕が後々挑戦したいと思っている『SASUKE』に出るときに箔がつく」ということぐらいしか考えていなかったんですよ(笑)。
でも今は『HADO』のことをもっと考えるようになったし、それを通じて仲間が出来てきたのも魅力的で、そこはだいぶ変わったんじゃないかと思います。こうやってメンバーが集まれたのも『HADO』があってこそだし、もしプロリーグを作ってもらえるなら、プロになりたい。体を作って、45歳までバリバリやりますから。
——いよいよ<HADO WORLD CUP 2017>が12月3日に迫っています。大会への出演を決めたときの感想を教えてください。
UNO それはもう……(小さい声で)たまんないっすね。
YUYA いや、そこは勢いよく決めるとこじゃん!(笑)。9月のソプラティコでの店舗大会で出場を決めた瞬間、普段はなかなか声を上げたりしないしぶさんまで「よっしゃあ!」と叫んでいましたけど、その雄たけびがすべてですね。そこに至るまでも長かったですし。
しぶさん 僕らは夏の<HADO SUMMER CUP 2017>でも出場が決められなくて、これで<WORLD CUP>に出場できなかったら、「俺たち1年間何やってたんだろう?」という話になっていたはずなので。出場が決まったときは本当に嬉しかったです。
UNO だから、また“たまんない”瞬間を味わいたいですね。もうそれだけですよ。
しぶさん そして、これから続いていくはずの<HADO WORLD CUP>の歴代優勝者に名を連ねられたら嬉しいです。<HADO WORLD CUP>はこれからどんどん盛り上がっていってほしいですし、実際にすごい大会になっていくと思うので、たとえばサッカーのワールドカップのウルグアイ(FIFAワールドカップ第一回大会で優勝)のように……その初期の強豪として名を残せたら嬉しいですね。
——試合を観てくれる人々に、エクスペンダブルズのどんなところを見てほしいですか?
YUYA (即答で)筋肉ですね。
しぶさん それは YUYAくんだけじゃん(笑)。
YUYA あとは、UNOくんの「たまんねえんだよ」の掛け声にも注目してください(笑)。
UNO また適当なこと言って(笑)。
しぶさん 真面目な話、僕らの動きやフォーメーションを見てくれたら嬉しいですね。
——今回気になっている他のチームを挙げるなら?
しぶさん それはやっぱり、<HADO SUMMER CUP>で負けたわちゃごな☆ピーポーです。まずはこのチームに勝たないことには!
YUYA あと、SLAM DivAとも戦いたいですね。DivAとはもともと一番最初の体験会の頃から一緒に仲がよくて、その頃から「世界大会で一緒に戦いましょう」と言い合っていて。それから<HADO WORLD CUP 2016>の予選で戦って、そのとき試合自体は僕らが勝ちましたけど、その後DivAが決勝に勝ち進んで、彼らが準優勝になって。
それ以来、まだ一度も公式戦では戦っていないんですよ。だから、もう一度世界の舞台で試合をするのがすごく楽しみです。僕らが絶対に優勝しますよ。もう祝賀会用のホテルも押さえているので(笑)。
しぶさん もう賞金を獲るのは前提にして、税金がどうなるのかについて話し合ってる段階ですから(笑)。真面目な話、それぐらい本気で優勝を目指しているということで。
——『HADO』の参加チームは、最近になってどんどん増えていますよね。エクスペンダブルズはSLAM DivA、わちゃごな☆ピーポーとともに初期から活躍するチームですが、今の『HADO』についてはどんな風に感じていますか?
YUYA こんなに面白いスポーツが広がらないわけがないと思うので、それは当然の話だと思うんですよ。だからこそ、僕らも練習を重ねて、迎え撃てるように準備していかないといけない。今年の世界大会はもちろん、来年も再来年も勝ち続けて、「『HADO』と言えばやっぱりエクスペンダブルズだな」と言わせたいですね。
しぶさん 俺らは、言ってみれば「オリジナル10(Jリーグの創成期に誕生した10チーム)」みたいなものだからね。
——悪の軍団を自称するみなさんから、出場する他チームにメッセージをお願いします!
YUYA まぁ、どう考えても僕らが一番強いですし、絶対に優勝するつもりなんで、寝る間も惜しんで練習してこないと僕らは倒せないと思いますよ。全力でかかってきてください。
UNO たまんないっすね。
しぶさん でもそれ、公式サイトのチーム紹介動画とほとんど一緒じゃん!
YUYA だって、急に言われても困るんだよ。俺たち本当はいい人だから……。
HADO WORLD CUP 2017 FINALISTS 4 — EXPENDABLES
interview & text by 杉山仁