——あっこさんが音楽をやろうと思ったきっかけはどんなことだったんですか?

小1からピアノとドラムをやってて、その流れでバンドをやることになったんです。決意もクソもないというか。それでバンドをやってるうちに、いろんな気づきがあって音楽にハマっていったんです。

——いちばん大きな気づきはどんなことだったんですか。

初めてライブをした時ですね。ステージに立った瞬間に、初めて自分が解放されたんですよ。私、小5まで友達いなかったんです。ていうのも、超マイペースで嫌われても平気だったんですよ。で、小5で初めて女子のグループのなかに入って、そこで社会を知ったんです。「あ、みんなこうやって生きてたんだ」って。そこから協調性とかいろんなことを重視して生きるようになったんです。

——まわりに気を使ったり、話を訊いてあげたり。

そうそう。女同士の決まり事とか、いろいろ勉強して行くわけですよ。「社会ってこうなんだな」って(笑)。そしたら、どんどん空気を読んだり、まわりに合わせることには長けてくるけれど、幼い頃に持っていた音楽を純粋に楽しむ気持ちだったり、何かを素直に解放する感覚を忘れてたんですよね。そんななかで、ドラマーとしてステージに立った瞬間、その協調性みたいなものから「パン!」って開放されて。「あ、これだ!」みたいな感覚がすごいあって。まあ、病みつきになりますよね、そんな感覚を知っちゃったら。

【インタビュー】あっこゴリラが語る映画『わたしは、幸福(フェリシテ)』の魅力 Qe1111akko-46-700x467

——それは他では味わえないような体験だった?

その時はステージ上だけでしたね、それからは、ステージ上だけが私を解放できる場所、みたいな。

——12月2日(土)にワンマンライブが予定されていますが、それはどんなものになりそうですか?

向井太一君、永原真夏さん、食品まつりさん、あと、PARKGOLFとか、『GREEN QUEEN』でコラボとかフィーチャリングした人が参加してくれる予定で、『GREEN QUEEN』の世界を拡大したような生々しくてソウルフルなライブを目指してます。それこそ、ライブに来てくれた人みんなが自分を解放するきっかけになればいいな、と思いますし、そういう場所にしたいですね。そして、フェリシテみたいに自分が培ってきたものをマイクに乗せたい。“フェリシテしたい”!と思います(笑)」

あっこゴリラ 「ゲリラ × 向井太一」

あっこゴリラ「GREEN QUEEN × PARKGOLF」

——“フェリシテしたい”(笑)。あっこさんの生き様がマイクに炸裂するわけですね。

もともと、音楽って自分の精神を安定させるためにやってるところもあるんですよ。すごい軽いところで言うと、この間、スタッフの段取りが悪過ぎてすごいイライラしたんです。で、そのタイミングでその場で曲を作らなきゃいけなくて、「じゃあ、このイライラを曲にしよう」と思って“バッド・ダンドリ”っていう曲を作ったんです(笑)。そしたら、すげえいい曲が出来ちゃって、すげえスッキリした。デトックスみたいな感じで。

だから、音楽は精神的にも作った方がいいんですよ。ただ、それが最近変わって来たきっかけっていうのが、ベティ・デイヴィスとの出会いだったり、この映画との出会いだったりするんです。最近、自分自身が楽になるだけじゃダメだと思うようになってきて。要するに、私には音楽という趣味があったから、うまいこと自分の精神状態とリンクさせて溜まっていたものを吐き出すことができたけど、それがうまく吐き出せないでいた昔の自分みたいな人に、吐き出すきっかけを作りたいと思うようになってきたんです。

【インタビュー】あっこゴリラが語る映画『わたしは、幸福(フェリシテ)』の魅力 Qe1111akko-51-700x467

——音楽にはそういう力があるんですね。

人間の脳みそって柔らかいから、自分が思っていたことを忘れたり、わかんなくなったりすると思うんですよ。そういう時にアートが重要なものになってくる。映画を観た瞬間、音楽を聴いた瞬間に、「あ、私こういうこと思ってたんだ」って気付かせてくれる。だから私も音楽を通じて、昔の私みたいな人が胸の奥に抱え込んだまま気付かないでいることを言わなきゃいけないと思うようになってきたんです。それがマイクに向かうっていうことだなって。

——ミュージシャンとして大きな変化を迎えている時なんですね。

そうなんですよ。そのことを気付かせてくれたのがこの映画なんです。ほんと、出会えて良かった。これからはどんどん“フェリシテしていきたい”と思ってます!

【インタビュー】あっこゴリラが語る映画『わたしは、幸福(フェリシテ)』の魅力 Qe1111akko-86-700x467

【インタビュー】あっこゴリラが語る映画『わたしは、幸福(フェリシテ)』の魅力 Qe1111akko-127-700x467

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わたしは、幸福(フェリシテ)

映画『わたしは、幸福(フェリシテ)』予告

12月16日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー

監督・脚本:アラン・ゴミス
出演:ヴェロ・ツァンダ・ベヤ、パピ・ムパカ、ガエタン・クラウディア、カサイ・オールスターズ他
配給:ムヴィオラ
(C)ANDOLFI – GRANIT FILMS – CINEKAP – NEED PRODUCTIONS – KATUH STUDIO – SCHORTCUT FILMS
◎あっこゴリラ『わたしは、幸福(フェリシテ)』劇場トークに登場!
ヒューマントラストシネマ渋谷12/18(月)最終上映回
(開催時刻は映画の公式Facebookまたは劇場までお問合せください)

詳細はこちら

EVENT INFORMATION

『わたしは、幸福(フェリシテ)』公開記念イベント-渋谷でアフリカ・アフリカ・アフリカ!-

アフリカ料理を食べて、アフリカ映画や音楽トーク、アフリカンダンスやジャンベ(アフリカの太鼓)の体験まで。
2017.11.29(水)
OPEN 18:30/START 19:00/END 21:30
参加料金:映画『わたしは、幸福』鑑賞券付き ¥3,300/前売(イベントのみ)¥2,300
電話受付:ムヴィオラ 03-5366-1545(月〜金)
メール受付:info@moviola.jp(件名「2017.11.29アフリカイベント予約」としていただき、お名前、人数、ご連絡先を明記ください)

※ドリンク代が別途必要となります(¥500〜)※当日券もございます。(各前売料金+¥500)

前売券はこちらから
詳細はこちら

EVENT INFORMATION

ウルトラワンマン

2017.12.02(土)
OPEN 18:30/START 19:30
渋谷WWW
ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500(1ドリンク別)
あっこゴリラ、永原真夏、向井太一、食品まつり a.k.a foodman、PARKGOLF

詳細はこちら

text & interview by 村尾泰郎