——そんなお三方に、今回は、ご自身のルーツというテーマで、3曲ずつ曲を選んでいただきました。先ずは、カワイさんの1曲目。バート・バカラックの“Alfie”です。

カワイ 今回選んだ3曲で共通して言えるのは、メロディが良いということですね。バート・バカラックは凄く好きで、迷った挙句この曲にしました。“Alfie”は、様々なアレンジをされていているのですが、やっぱりメロディがシッカリしているから、どんなアレンジでも映えるんだなと思わされた1曲というか。演奏する側にとっては、元々の素材が良いのでどう料理するのか腕の見せ所になるような曲だと思うんです。僕自身もライブ用にアレンジしたんですが、改めてこの曲は凄いなと。

Burt Bacharach – “Alfile”試聴はコチラ

――続いては、ジャズから1曲という感じでしょうか?

カワイ そうですね。ジャズを始めたぐらいの時に、元々はクインシー・ジョーンズのカヴァーで知ったんですが、その後に原曲を聴いて、そちらの方が好きになりました。この曲は、ハービー・ハンコックが普通の4ビートのジャズから抜け出そうとチャレンジしていた頃の楽曲だと思うんです。ファンクとか色々なリズムを取り入れようとしていた時代の目新しい楽曲なんですよね。

Herbie Hancock-“Tell Me A Bedtime Story”試聴はコチラ

――3曲目は、歌モノでスティービー・ワンダーです。

カワイ これは、隠れた名曲です。コード自体は凄くシンプルなんですけど、ずっと聴いていられるというか落ち着く曲調というか。でも、これを歌えている人ってなかなかいなんですよね、カヴァーとかでも。転調も3、4回するので。これをちゃんと歌いきれる人に会ってみたいですよね。

Stevie Wonder – “Summer Soft ”試聴はコチラ

――この3曲は、お幾つぐらいの頃に聴かれていたんですか?

カワイ 確か音楽を始めて、色々聴き漁っていた20歳前後の頃ですね “Alfie”は、バート・バカラックがオーケストラを率いてインストで演奏しているバージョンがあるんですけど、そのアレンジが凄くて、今後に活かせる気して、ずっと聴いていた記憶がありますね。

――お次は、井上さんお願いします。カワイさんのリストとは一転して、ヘヴィな楽曲が並びました。

井上 15、6歳ぐらいの時に、最初にバンドをやろう、ドラムをやろうと思った頃に聴いていた3曲ですね。たまたま家のBS放送で、海外の音楽番組を観ていたら、ニルヴァーナが出ていて、この曲をやっていたんです。それを観て自分はドラムが一番カッコ良いと思って、そこでドラムに出会いました。完全にデイヴ・グロールがきっかけですね。それまでは、バンドとか別に興味はなかったんですが、この曲を聴いて始まったというか。まさに、自分の原点ですね。

NIRVANA -“Smells Like Teen Spirit”試聴はコチラ

――次もヘヴィなアルバムです。

井上 モトリー・クルーのトミー・リーも、デイヴ・グロールと同時期ぐらいに大好きになりました。この曲が収録されているアルバムは、唯一ヴォーカリストが違うんです。ファンの間では、かなり賛否両論がある作品なんですけど、断トツでヘヴィな音作りで、僕は、ドラムのグルーヴとかもメチャクチャ好きで、凄く聴いたんです。この曲は、ドラムのフレーズがあまりにもカッコ良すぎて、今でも全然よく聴くんですよ。全然、モトリー・クルーっぽくないんですけど、ヘヴィで燃えるアルバムだと思います。

Motley Crue – “Power To The Music”試聴はコチラ

最後に選んだ1曲はmysoundの音源はライブバージョンなんですけど、元々は、『Total 13』というバックヤード・ベイビーズの日本でのデビュー盤に収録されていた曲なんです。『Total 13』は、バンドとして凄く衝撃的な音で、もう狂ったように聴きまくったアルバムなんですが、特に、この“Look At You”という曲が凄く好きだったので選んでみました。3曲とも完全にロックなヤツを選んだんですけど・・・。

Backyard Babies – “Look At You”試聴はコチラ

――カワイさんの選曲との間に、コントラストが強く出ていますよね。

井上 全然、違う(笑)。

カワイ 言われてみれば、ベースがカッコ良いとかで1曲も選んでいないな(笑)。

岸本“エスビョルン・スヴェンソンはバンドのルーツ”

――ラストは、岸本さんお願いします。

岸本 僕は、全然違う3つをセレクトしようと思って、この3つにしました。ロック・キーボディストというのがバンドをやろうと思ったきっかけなんですよね。ディープ・パープルのジョン・ロードとかキース・エマーソンとか、日本だとSOPHIAの都(啓一)さんとか。ドリーム・シアターは、中学生の頃に、洋楽に詳しい友達が「これ、聴いてみ」って言って、この曲が入っているアルバムを持ってきて、それで好きになりました。ギターとかメチャクチャにヘヴィなサウンドの上で、キーボードが主役級の活躍をする。そのメカニカルなフレーズが凄くカッコ良くて、鍵盤楽器が入ったロックの中でも、この曲は、かなり構築された名曲だと思いますね。オルガンとかシンセサイザーとか関係なく、こういう花形の楽器になりえるんだという。

DREAM THEATER – “6:00”試聴はコチラ

坂本さんの楽曲をセレクトしたのは、元々ピアノをやっていて “戦場のメリークリスマス”などを弾いていて。坂本龍一さんの曲って、やっぱり曲が素晴らしいので弾きたくなるんですよ。この曲も中学生の頃に知って、当時は“ウラBTTB”が大ヒットしたりしていて、イージーリスニングのイメージで捉えられている方も多いのかもしれないんですけど、やっぱり“千のナイフ”を聴いた時が一番衝撃的だったんですね。楽曲そのもののインパクトで坂本龍一さんのイメージが変わりました。坂本龍一さんは、最も尊敬する作曲家と言っても過言ではない。一番好きな、衝撃を受けた曲です。

坂本龍一 – “千のナイフ”試聴はコチラ

――そして、3曲目に選んでいただいたのが、スウェーデンのジャズトリオ、エスビョルン・スヴェンソンの曲です。

岸本 ピアニストのエスビョルン・スヴェンソンは、もう亡くなられていますが、その最後の来日が『tuesday wonderland』をリリースした時の日本公演だったんです。それを観に行って、ある種、エスビョルン・スヴェンソンの完成形というか。『tuesday wonderland』は今回セレクトした楽曲と同タイトルのアルバムなんですが、これを聴いて、ジャズとかそういう域を超えているなという風に感じたんですよ。プログレの要素も感じられたり、トランペットとかサックスが入っているような王道の編成のジャズバンドでは表現できない3人の対等な関係というか。fox capture planを結成する時のヒントになったというか、ドラムのアプローチとか、ベースのサウンドとか、まさにルーツだな、と。ピアノトリオの自由さとか、編成の美しさを凄く感じた曲です。

esbjorn svensson trio – “tuesday wonderland”試聴はコチラ

――夏から秋にかけて、ビッグイベントが続きます。先ずは、目前に迫った<フジロック>での見どころなど教えていただけますか?

井上 まだ、現時点ではセットリストも決まってないんですけど、MVを観ていただければ十分、予習はできるかな、と(笑)。

岸本 やっぱり、フィールド・オブ・ヘブンのトップバッターということで、自分たちならこの曲だな、というのが今後決まってきて、それがセットリストになっていくと思います。例えばですけど、都会的な夜の匂いのする曲とかは入らないかもしれないですね。

井上 僕は、2010年にレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(以下、レッチリ)が来た時に、<フジロック>に初めて行って、その時にレッチリを最前の方で観たんです。レッチリの前が電気グルーヴで、その時は凄く雨が降っていて、山登りとかもしないので勝手が分からなくて、普通の格好で参加していたんですよ。なので、あまりの寒さに、レッチリ見ずに帰りたいってずっと思っていて、でも、レッチリのステージが始まった瞬間に雨が止んで。

岸本 スゲー!

井上 その時、自分を連れていってくれた先輩がレッチリを観ながら、「お前、ここに出られるから!」みたいな話をしてくれたのが凄く印象に残っていて、そこから更に、10年経って、20周年でレッチリが来て、そこに参加できるというのが感慨深くて。

――それは、とても良い話ですね。フィールド・オブ・ヘブンの開放的なシチュエーションとしてもバンドに合っていると思います。

カワイ 僕は、あまりフェスに参加をしない人間なので、客としても楽しみではあります(笑)。
トップバッターなので、演奏が終わったらゆっくり飲みながら、他のアーティストを観れるな、みたいな。

――その後には、<東京JAZZ>もあります。客層なんかも違ってくるかと思うのですが、何か特別に意識することはありますか?

井上 そこも自然体でいつもの僕らを観て欲しいという感じです。

カワイ 逆に、考え過ぎちゃうと飲まれそうな気もしますし。

岸本 <東京JAZZ>だとグランドピアノがあって、屋根があるホールなので、着る衣装なんかは、それなりにフォーマルな感じになるかもですね。

井上 見た目の差みたいな(笑)。

岸本 あんまり考え過ぎてもアレなんで、いつも通りに行きたいですね。

【インタビュー】fox capture planのルーツとなった楽曲プレイリスト interview160713_foxcaptureplan-1

【インタビュー】fox capture planのルーツとなった楽曲プレイリスト interview160713_foxcaptureplan-2

【インタビュー】fox capture planのルーツとなった楽曲プレイリスト interview160713_foxcaptureplan-3

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fox capture plan mysoundアーティストページ

RELEASE INFORMATION

透明色のクルージング

2016.05.11(水)
fox capture plan

¥1,620(+tax)

EVENT INFORMATION

AROCSANWA presents CROSSOVER JAZZ SESSION vol.3

2016.07.09.(木)
OPEN 17:00/START 17:30
福井まちなか文化施設 響のホール
ADV ¥4,500/DOOR ¥5,000

新爵醒世代 New Jazz Generation – Fox Capture Plan First Live in Taiwan

2016.07.15.(金)
OPEN 18:30/START 19:30
Legacy Taipei Taiwan
ADV 900元/DOOR 1,200元

HandMade In Japan Fes 2016

2016.07.23.(土)
OPEN 11:00
東京ビッグサイト東1・2・3ホール
ADV ¥1,200/DOOR ¥1,500

FUJI ROCK FESTIVAL 2016

2016年7月24日(日)
OPEN 9:00/START 11:00
新潟県 湯沢町 苗場スキー場
¥19,000(1日券)

WORLD BEER SUMMIT 2016

2016年8月5日(金)
START 16:00
愛知県 名古屋市久屋大通公園 久屋広場
※観覧無料。

TOKYO MUSIC CRUISE

2016年8月12日(金)
OPEN 16:00/START 17:00
ザ・プリンスタワー東京
¥10,000

Survive Said The Prophet presents MAGIC HOUR 2016

2016年8月26日(金)
OPEN 19:00/START 19:30
下北沢 SHELTER
ADV ¥2500/DOOR ¥3000

とやまJAZZ ~東京JAZZ CIRCUIT

2016年8月30日(火)
OPEN 18:30/START 19:00
富山県民会館・ホール
ADV ¥7500/DOOR ¥8000

第15回東京JAZZ-the HALL夜公演-

2016年9月4日(日)
OPEN 16:30/START 17:30
東京国際フォーラム ホールA
¥18,600

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photo by Kohichi Ogasahara