Interview:古川本舗

――1年振り3枚目のアルバム『SOUP』が完成されましたが、どんな作品になったと思いますか?

1枚目と2枚目のアルバムは、ストックな曲があった状態で作った作品だったんです。なので0からアルバムを作るというのは今回が初めての経験でした。実際0からやってみると、正直アルバム作るの舐めていたなと感じました(笑)。なかなかアルバムの完成像が見えてこなかったんですね。でも、メロディーにフォーカスを当てて、アルバムとして一本芯が通っていて、すごい濃縮された作品にしたいなって思ってたんです。ようやく完成して、改めて聴くことで良い作品が出来たなと実感が湧いてきました。

――収録曲は10曲なんですが、大作感がありますよね。

こだわりにこだわった10曲なので、めちゃくちゃ難産だったんですよ。

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――これまでの2作と比べると、今回は曲によってヴォーカリストをマッチングするフィーチャリングなスタイルを辞めて、キクチリョウタさんがすべての曲を歌われてますよね。

前々作、前作と同様に、3枚目では「古川本舗は誰をヴォーカリストに起用するか?」って、話しがあって。天の邪鬼なので、状況が予測されている感じをつまらないなと思ってしまったんです(苦笑)。誰が参加するというポイントだけで判断されてしまう感覚が嫌で、よし裏切ってやろうと(笑)。それと、前作と前々作のアルバムは作ったんですがライブをやれてなかったんですよ。それは現実的なタイミングもあったし、実現するにしてもヴォーカリスト12人を連れてこないとって問題もあったんです。それが悔しくて、なのでライブをやる前提としてヴォーカリストは一人に絞ろうと考えました。

――キクチさんとの出会いはどんな感じだったんですか?

もともと僕の曲をアレンジして「歌ってみた」をやってくれていた子で、声がすごく好きだったんです。前のアルバムのレコーディング直前くらいに「一曲歌ってよ!」と声をかけたんですが、すごく気が合いましたね。そして、自分の中で大きかったのが、彼は『ニコニコ動画』では別名義で活動しているんですね。それとは別にキクチ名義では自分のオリジナルの曲をYouTubeにあげていたりするんですよ。なので「単純に単なる歌い手と思われるのが嫌だ!」って話を一緒にしていて、「超わかる!」みたいな。『ニコニコ動画』ももちろん大事だけど、それだけじゃないんだってセンスで意気投合しました。

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