――それは絵本やおとぎ話を作っているような感覚なんですかね。
その感覚はあるかもしれないですね。あんまり生々しい話はしたくないですし、かといって幻想的であれば良いかというとそうでもないんです。自分で漠然と歌詞を想像するときも幻想的な話にどっぷり浸かっているワケではなくて、あくまで生活の延長であって、自分という人間が生きている上での想像の範囲内のお話ですね。
――サウンド的なところでいうと、ちょっとリアルな風味というのがオルタナや、UKロック的なところであったり、シューゲイザー風味なサウンドから伝わってきますよね。しかも、音使いやアレンジにすごいこだわってらっしゃいますよね。
大学の時に聴いていたのがUKな音楽でした。その根っこのところは一生変わらないと思ってます。でも、自分の中でアルバム3枚目って区切り的な面があって、アルバム何枚で古川本舗終了っていうのは実は決めているんですよ。その中において3枚目をどういう作品にすべきかは自分の中でテーマがあって、1枚目と2枚目とでまったく違うコンセプトかつ、次の作品にも影響しないものを作りたいって考えがあるんですね。
――長期的な展望があったんですね。それは面白いです。ちなみに、音楽だとどの辺が具体的にお好きなんですか?
ダイナソーJr. が好きですね。ビンゴだったのはジョシュアっていうエモバンドです。あとはパパス・フリータスというバンドがあってすごく好きでした。
――最近、オルタナや洋楽ロックって、なんとなく日本の音楽シーンで追いやられ気味な気がしてたので、古川さんからそんな話が伺えるのは興味深いですね。
まぁ、音楽ってマイノリティだからこそ輝くみたいなところもありますよね。
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