――本作は、古川さんの人生において蓄積されてきたモノがいろいろちりばめられているように感じます。自分がこういう世界観に浸ってみたい、聴いてみたいという感覚を形にした感じですか?

そうですね。それを何とかアルバムの3枚目までに出し切りたかったんですよ。20代前半くらいで自分の好きな志向って止まったりしますよね。アルバムを3枚出すとそれ自体に飽きてくる側面が正直あって、でも30代になってから聴きだした音楽もあるんですよ。そろそろ、そんな影響からの制作に移行していくことも必要なんじゃないかなって思ってます。

――難産ではあったけど、完成してみると満足度は非常に高い作品だったようですね。ちなみに『SOUP』というタイトルにはどんな意味があるんですか?

まとまり感というのがすごくコンセプトとして大事だったんです。ヴォーカルを一人にするというのもそうだし、今まで作ったようで作れていないものを凝縮してきっちり集めるという。でも、アルバムにしたときに整合性が取れないのは嫌だなと思って。スープっていろいろな素材が入っているじゃないですか? でもスープという料理としてまとまっている。そんな意味合いですね。あと、実は今回連続リリースで先行シングルで出した楽曲はアルバムのレコーディングで全部録りなおしているんです。なのでシングル盤とアルバム盤での違いを楽しんでもらえたら嬉しいですね。

text by ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

【インタビュー】古川本舗の最新作にして大傑作『SOUP』発売。岩井俊二とのコラボ〜新作まで迫る feature131105_furukawahonpo_0088

Release Information

2013.11.06 on sale!
Artist:古川本舗
Title:SOUP
Head.Q.music
PECF-3062
¥2,500(tax incl.)