Galileo Galileiが『台風のノルダ』制作現場に潜入

Galileo Galileiが明かす、主題歌“嵐のあとで”の制作秘話。

――監督との対談でも少し話してもらいましたが、ここでは“嵐のあとで”の制作風景についてより詳しく教えてください。

雄貴　最初は（北海道にある彼らの自宅スタジオとして有名な）わんわんスタジオで僕が弾き語ったものを和樹が録音して……。今は仁司が東京に住んでいて遠距離バンド中なので、その音源をメールしたんですけど、その時に「AOR風のベースを入れて」ってリクエストして。

佐孝　それで僕が考えてきたものを、北海道でみんなで集まった時に合わせていった感じですね。

――AOR以外にも、「この部分はこれっぽくしよう」という影響源はありましたか？　

雄貴　今回はやっぱり……フィル・コリンズ（笑）。ちょうどその頃、僕らの中でジェネシス～フィル・コリンズ・ブームが巻き起こってたんですよ（笑）。それで「とにかくタムを入れよう」って話してました。今までそれほど使ってなかったですけど、80sものの「ドゥントゥトゥン」みたいなドラムってすごく好きなんです。それで「和樹、フィル・コリンズになってくれ」って言ってたら、言い過ぎて逆ギレしたのか、Twitterの画像が全部フィル・コリンズになって（笑）。

――（笑）。

雄貴　心からフィル・コリンズになってくれたっていう（笑）。あと、ドラムが重要だったこともあって、今回マイク（・クロッシー）さんにミックスをお願いしました。ダメ元で自分たちで直接メールを送ったら、「面白そうだね。いいよ」って返事が返ってきたんですよ。

――実際にやってもらって、どうでしたか。やっぱり変わりました？

佐孝　もう全然違いましたね。

雄貴　うん。海外の人だし、やってもらったのによくなかったらマズイなと思ってたんですけど、最初のドラムからして音が全然違ってました。

――今回スタジオを見学してみた感想はどうですか。音楽とアニメで違うとはいえ、クリエイターとしては共通する部分があるとも思うんですが。

雄貴　こんなこと言っていいのか分からないですけど、親近感が湧きました（笑）。僕らも宅録でやっていて「気付いたら朝」みたいなことが多いんですけど、その雰囲気が結構あって。「ものづくりってこういうことだよな」って感動しました。

佐孝　でも、僕はアニメ制作の裏側も（映像では）色々と観てたんですけど、それよりスタイリッシュな雰囲気も感じましたね。その辺りに、「自分のスペースをクリエイティヴに使おう」っていうみなさんの心意気が見えたというか。

雄貴　そうやって環境を綺麗に整えるのって、凄く今っぽいと思う。ミュージシャンでも、今のインディ・バンドのスタジオってお洒落で綺麗じゃないですか？　そういう流れって音楽もアニメも共通なんだな、ってことが分かって面白かった。

――“嵐のあとで”の制作を始めてから今までで、印象に残っていることを教えてください。

雄貴　うーん……監督のキャラクター。

――完全に今日の話ですね（笑）。

和樹　（笑）。僕は予告編を観た時に一番感動しました。曲の使われ方もイメージにピッタリで。

佐孝　『台風のノルダ』の映像が（“嵐のあとで”の）MVにも使われてて、その映像と曲のマッチングがバッチリで。それがすごくよかったですね。

『台風のノルダ』は6月5日（金）より３週間限定でロードショー。Galileo Galileiによる主題歌“嵐のあとで”は、“壊れそうになる”“信じて”を加えた3曲入りシングルとして6月10日（水）にリリースされる。20代の気鋭のクリエイター×バンドがコラボレーションしたこの作品、気になる人はぜひチェックしてみては？！

取材後記

取材終わりに新井陽次郎監督と石田祐康監督とGalileo Galileiの間でサイン交換会が開催！　今後のコラボレーションの実現も楽しみになる、ほっこりした雰囲気で取材の時間が終わったのでした。