——機材話になりましたが機材も移り変わりが激しく、特にDTMの進化は著しく便利になったことで誰にでも扱えるようになったという側面もありますよね。このような流れの中でおふたりは自身の中で手法や考え方が変わったりはしましたか?
やけのはら マルチトラックが出る前とかになると話は変わってくると思いますけど、いつの時代でも限られた環境とイマジネーションでやっていて、その時代なりの良さや悪さはありますよね。だけど逆に考えて、今は、パソコンがあれば簡単に曲を作れる環境になりますし、今の時代にオリジナリティを出して行くのは、より難しいかもしれないですね。最初の一歩はやりやすい分、みんな使っている機材も、似たものになりがちだから、よりシビアにその人の音楽力やアイデアが問われるようになってるのかなと。
G.RINA すごく便利でその恩恵はありますけど、私は最初、一本のテープに何回も歌を重ねて多重録音を一生懸命やってみたり。それからだんだん買える機材も増えてきて、そのたびに1から機材のことを憶えてきました。今おなじことをやったら時間がもったいないですけど(笑)その時の音源って今聴いても音質は悪いですけど、その時の自分や、その時間に愛おしさを感じますよ。
やけのはら それに限られた環境だからこそ間違いや余白が生まれましたよね。プラットフォームができていると間違いは生まれないし。
G.RINA たまにエラーしたままで面白い人もいますしね。
やけのはら ただ、反動として、リヴァイヴァルで新しいハード機材の発売も凄く増えていて、当たり前の状況がつまらない人も沢山いるんだろうなという感じもします。
——今回10月にリリースした『Lotta Love』はどのように制作までの過程を経て、完成を迎えたのでしょうか。
G.RINA このサイズ感で活動をしていると、アルバムをどう出すかというのも自分で1から考えるんですね。まずどこから出すというのも自分で考えて、人に会ったり、あるいは自主で出す方法を考えたり。例えば映画監督って一本ごとに資金やキャストを集めたりとか、作品そのものの撮影や編集、脚本とかだけじゃなく、いろんなこと考えていたりしますよね。ひとつのアルバムを作るという作業だけど音楽だけを考えるわけじゃなくて、企画をどのように遂行するのか? そういうエネルギーも必要で。一枚目からずっとそうでしたけど、その都度、協力をしてくれる人がいないと出来上がらなかった。今回のようにゲストの方と一緒に作ることができたのも、ひとつひとつが奇跡のように感じられます。どれだけ自分の作品に協力したいと思ってくれる人がいて、期待してくれる人がいるか。実際に音楽を作っている時間は楽しいから一瞬ですけど、その周りのことが意外と大変だったりしますね。
——トラックメイキングもして、トラックメイキングされたものにも声を乗せるということ。両方に長けているおふたりですが、今回のアルバムではG.RINAさんからやけのはらさんへの渡し手になっていますが、どうゆう感じで渡し手となったのでしょうか。
G.RINA 今回は、やけのはら君の場合ならこうゆう感じがいいかなと。漠然としていますが、やけのはら君の作品から感じるものがあって、ぜひお手合わせをお願いします! という風に至りました。
——やけのはらさんから戻ってきた楽曲を聴いた時の感触はいかがでしたか?
G.RINA 期待通り!
——DJとして、シンガー、ラッパーなど様々な形態で活動をしていますが、それぞれの現場や活動形態の中で自身の中で“住み分け”をしている部分はありますか?
やけのはら 難しいけど、両方の解釈の仕方ができますね。基本的にはいろいろな事をやろうと思っているわけではないので、自分が興味あること、出来ることの応用の連続ですよね。そういう意味では同じですけど。例えばラップでライブする時は、ライブとしてステージに立つので、お客さんが見ていて退屈しないようにしようと思いますけど、DJの場合は、昔っぽい感覚かもしれないですけど、裏方や照明さんたちと一緒だと思っているので、基本的には、自分が視覚的なパフォーマンスすることはないですし。自分はどうでもよいので、出ている音にのみ集中しているというか。そういう意味では、出すエネルギーは別という認識はありますね。まあ、今のはざっくりな言い方で、細かく言うと、合わせる部分と、合わせないで提案する部分のバランスもありますけど。
G.RINA 私はその合わせていくバランスがすごいなって思います。
やけのはら G.RINAさんは歌と、DJの時の違いとかありますか?
G.RINA 私はDJだったら大きくはその場に合わせて、細かなところで合わせないような感じですかね。なるべく提案をしたいと思っていて。他のDJの人がかけなさそうなものとか、なるべく来た人には、この曲を聴いたことがないけどこの感じはすごくいいなって思ってもらえるような。新しい音楽や遠い国の音楽を探索するのが好きなので、そうゆうものを少しずつまぜて、一緒にその発見や出会いをたのしめたらと思っています。DJだとこの人はこうだ! そういうのをはぐらかし続けているかもしれません。歌については、常にメロディーや歌詞は普遍的で良いものを作りたいと心掛けています。
ただ、DJとしてもシンガーとしてもどちらでも前にグイグイという感じはあまりなくて、なるべく曲を作っていたかったり、掘ってたいとかそういう感じなので、ステージに立ちつつも、気持ちの根っこは裏方っぽくて…。自分の制作が裏方の仕事をするためのプレゼンテーションのようなところもあります。
やけのはら そのスタンスは僕も近いですよ。DJは、自分の性格に向いているなと思ってます。でも、ラップの曲は、作ったり、ライブするのは楽しいんですけど、基本的に人前に出たくて音楽やっている感じでもないので、根本的になんか向いていないなと思いつつ、やるならやるで頑張るみたいな。
——先日G.RINAさんのライブを見に行きました。平日の遅い時間帯のフロアを眺めたら、周りは疲れてきているかな? そう思っていた時にG.RINAさんが歌いだしたら、「無理に踊らなくていいんだよ。」みたいな歌い方で、逆にフロアが体を揺らし始めていましたよ。
G.RINA ありがとうございます(笑)。
やけのはら 北風と太陽的な。太陽側ですね。
G.RINA アゲアゲなところに入っていったので、心配になりましたけどね。
——12月2日(水)にはNOS恵比寿にてリリースパーティーがありますが、出演者も豪華ですね。今回のリリースパーティーの見どころ、意気込みを教えてください。
G.RINA バンドセットは見どころのひとつですね。架空のソウルバンドをイメージしてアルバムを作ったので、そのバンドのイメージを限りなく生で実現させる夜になると思います。ゲストの方も勢揃いで!それと、DJタイムもあるので、一夜のパーティとして流れを楽しんでいただけたら。
——DJとして、またそのバンドにやけのはらさんは有機的に絡んでいくんですね。
G.RINA よろしくお願いします。
やけのはら 走り込んで歌詞を憶えていきます(笑)。アルバム以外の曲もやるんですか?
G.RINA はい、少しですが。ゲストの方から想像していただけるものも、お楽しみに……。アルバムはほぼすべてやりますので、アルバムを聴いて、リリースパーティーではとにかく生の空気を味わっていただきたいです。
『Lotta Love』G.RINA GUEST TALK〜PUNPEE,やけのはら&LUVRAW
『Lotta Love』G.RINA GUEST TALK〜tofubeats&KASHIF
EVENT INFORMATION
-Culture Party- SETSUZOKU Presents
G.RINA”Lotta Love”Release Party
Suported by TOWER RECORDS
2015.12.02(水)
OPEN 19:00/END 24:00
NOS EBISU
ADV 着席(SOLD OUT!)/立見 ¥3,000(1D)
[LIVE]
G.RINA & MIDNIGHT SUN
[MIDNIGHT SUN]
guitar:KASHIF(PPP)
keyboard:Ig-arashi
Bass:厚海義朗(藤井洋平 & TVSCOT/cero)
drums:光永渉(cero/Alfred Beach Sandal)
trumpet:高橋一(思い出野郎Aチーム)
Baritone Sax:増田薫(思い出野郎Aチーム)
Dancer:Yacheemi(餓鬼レンジャー)、FUMI、NAMImonroe
[GUEST]
tofubeats、PUNPEE、やけのはら、LUVRAW
[DJ]
DJ JIN(RHYMESTER)
MAL(PART2STYLE)
やけのはら
[MC]
ZEN-LA-ROCK
VJ:VIDEOGRAM(Tajif・RTR・de-sheevo)、Kazuki Homma
Photographer:Tsuneo Koga
Flyer Artwork:Oumi Futagami
Shooting & Editing:Do.Stock Works
※着席・立ち見のお客様に先着順でG.RINAからのおたより & スペシャル音源『Midnight Sun feat. ZEN-LA-ROCK』をプレゼント。
※特典はお帰りの際、入り口にてDLパスワードをお渡し致します。
予約受付はNOS EBISUオフィシャルHP予約フォームにて先着順でお受け致します。
お名前、電話番号、予約人数、最後に「G.RINAリリパ希望」と必ず明記の上、お申し込みください。当日券もご用意する予定でおりますが、規定人数に達した場合は販売しない場合がございますので予めご了承下さい。予約フォーム
主催・企画・制作:SETSUZOKU LLC/Melody And Riddim
特別協力:TOWER RECORDS/NOS EBISU
注意事項
※着席のお客様はメニューから¥2,000以上のご飲食をお願いしております。
※着席のお客様はスタッフがお席まで誘導、ご飲食に関してご説明致します。
※当日は安全上の理由により喫煙はバーカウンター・入り口デッキのみとなります。
SHOP INFORMATION
NOS EBISU
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2-3-14コンツェ恵比寿B1F
03-5773-1727
詳細はこちら
RELEASE INFORMATION
[amazonjs asin=”B015D63318″ locale=”JP” title=”Lotta Love”]
photo by Tsuneo Koga
Special Thanks:虎子食堂