フォーマットとジェームス・イハがバンドの”ザ・ルーツ”

――王道からインディまで、色んな洋楽に影響を受けてきた皆さんには、「自分の音楽的ルーツ」をテーマにプレイリストを2曲ずつ作ってきてもらいました。まずは畳野さんフォーマット“The First Single”とジェームス・イハ“Speed Of Love”を選んだ理由は?

畳野 シングル“HURTS”(15年)からセカンド・アルバムの制作にかけて、この2曲をめちゃくちゃ聴いてインプットしてました。フォーマットとジェームス・イハにはすごい思い入れがあって、その中でもこの2曲が本当に好きで、一番影響を受けました。

福富 畳野と僕は高校が一緒で、洋楽を聴き始めたときに聴いていた曲がフォーマットとジェームス・イハでしたね。BEAT CRUSADERSやASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文さんとかがラジオ番組でウィーザーなどを紹介してて、その流れでフォーマットとジェームス・イハも聴いて。よくネット世代って言われますけど、大学に入るくらいまでYouTubeも見たことなくて。中一くらいのときに、SPACE SHOWER TVとMTVを見られるようになってから、いろいろ聴くようになりましたね。

畳野 ネット試聴というのはあまりしていなくて。テレビで見たり、雑誌で読んだりしたものをメモして、BOOKOFFでCDをまとめて探すというのを繰り返しました。それにしてもこの2曲は思い出深いですねー。改めて聴き返したら、すごいいいな! って。高校生の頃は、ただ単純にいいなと思って聞いていたのが、今はバンドに生かせる。今のHomecomingsと言えば、フォーマットとジェームス・イハのこの2曲って感じです。

福富 いいセレクトですね、本当にルーツって感じ。畳野と僕の2人で曲を作っているので、その意味でもザ・ルーツですね。

The Format – “The First Single”視聴はコチラ

James Iha – ”Speed Of Live”視聴はコチラ

――スマッシング・パンプキンズも聞いてましたか?

畳野 スマパンも聴いてましたけど、ジェームス・イハが大好きで。

福富 スマパンよりも先にジェームス・イハを聞きましたね。ジェームス・イハのファースト・アルバムを買ったのが高校生のときで、大学に入ったあとにセカンド・アルバムを買いました。映画『リンダリンダリンダ』(05年)のサントラをジェームス・イハがやっていて。

――そんな福富さんは、BEAT CRUSADERS“HEY×2 LOOK×2”とスマッシング・パンプキンズ“1979”を選んでいます。

福富 中一くらいのときに聞いて衝撃を受けて、すべてが新鮮でした。ビークルがルーツにしているような洋楽をたくさん聞いて、音楽の幅が広がりました。“HEY×2 LOOK×2”が収録されているアルバムは、80’sに始まってグランジロック的な曲で終わるって感じで、すごい時代性をあらわしているっていうのがかっこよかったですね。そのビークルがペイヴメントが良いって言っていて。ペイヴメントを聞いてからUSインディにのめり込んでいきましたね。その時にスマパンも知りました。それまではアークティック・モンキーズとかUK寄りで。何が一番好きなんやろな、と思ってたときにペイヴメントに出会って、この感じや! って。

BEAT CRUSADERS -“HEY×2 LOOK×2”視聴はコチラ

The Smashing Pumpkins –“1979”視聴はコチラ

――福田さんはエリオット・スミス“Waltz #2(XO)”とマグネット“Where Happiness Lives”を選んでいます。結構渋いですよね。

福田 中高生の頃は音楽を探す時には京都の「JEUGIA」というCDショップで新譜を試聴したり買ってみたりしていたのですが、エリオット・スミスとマグネットに関してはネットでみつけたプレイリストに入っていたのがきっかけでCDを買いに行って。これ、めっちゃ好きな感じやなって。福富くんがペイヴメントを初めて聴いたときみたいな、自分の核になる音に気付けた曲ですね、この2曲は。やりたい音楽と聴きたい音楽が一緒というわけではないんです。あと、バンドよりもシンガーソングライターを好きになる傾向が強くて。

Elliot Smith -“Waltz #2(XO)”視聴はコチラ

magnet – “Where Happiness Lives”視聴はコチラ

――石田さんはスプリームス“You Can’t Hurry Love”を選んでいます。他のメンバーがインディ・ロック寄りである一方、ブラック・ミュージックということで、かなり違いが出ましたね。

石田 この曲を最初に聴いたのは高校の軽音楽部で。顧問の先生が60’sの洋楽が好きで、ビートルズの“Please Mr.Postman”をカバーしていたんです。そのとき、マーヴェレッツのカバーを聴いて、多分ここから入ったのかな。バンド初期の頃、モータウン・サウンドの跳ねる感じが好きで、“You Can’t Hurry Love”をよく聴いていました。あとマーヴェレッツのコーラスも好きでしたね。

The Supremes – “You Can’t Hurry Love”視聴はコチラ

――スチャダラパー“サマージャム ’95”も選んでいます。

石田 最近、ヒップホップにはまっていて(笑)。“サマージャム ’95”は、PIZZICATO FIVEとかORIGINAL LOVEとか渋谷系が好きなお父さんがよく聴いていて、小学生のときから車でかかっていたので前から聴いてましたけど、改めて聴いて好きな曲だなって。ドラムは打ち込みの感じの音が好きだなあ、と。バンドが変化してきたなかで、Homecomingsのドラムのルーツを考えたとき、ヒップホップのトラックだと思って。みんなとは全然違うんだけど。

福富 でも、これでHomecomingsって感じがしますね。

スチャダラパー“サマージャム ’95”視聴はコチラ

――これまでに、自分自身でプレイリストを作った経験、あるいは今まさに聴いているプレイリストはありますか。

福富 ウォークマンにプレイリストを入れて、散歩する時に聴いたりしてますね。中身は……泣きそうな曲ばっかり(笑)。

福田 めっちゃわかる(笑)。タイトルどうしてんの?

福富 タイトルとかない。タイトル、何にしてんの?

福田 ちょっと言えない……。

全員 (爆笑)

福田 高校生のときにつくってたMDには、「しっとりした曲」とか「元気になる曲」とかタイトルに書いてた。

福富 一番最初にプレイリスト作ったのがMDでしたね。

畳野 福富くんからもらったMDに、ビークルとかELLEGARDENとかスピッツとかが入っていて。それまでは松浦亜弥とかモーニング娘。ばっかり聴いていたんですけど、もらったMDを聴いて「バンドってすごいな!」って新鮮に感じました。

石田 あとはバンドを始めるときに、福富くんがCD-Rにバンドサウンドをイメージした曲のプレイリストを作ってきてくれました。

福富 バンドを始めたばかりの頃は何枚かあげてたんですけど、メンバーが聴いてる様子がなかったんでやめました(笑)。

――福富さん、今でも選曲したCD-Rを誰かにあげることはありますか?

福田 私が誕生日のときに一枚くれた。アレはめっちゃ良かったからよく聴いてたで。

福富 あげたっけな(笑)。プレイリストっていう意味では、ワンマンライブのセットリストがその感覚に近いですね。ワンマンだと、自分たちの曲のなかから幅広く選んで曲順を考えられる。

畳野 ワンマンは自分たちを知ってくれている人たちを前にライブすることを前提にセットリストを組める。これまでの曲を混ぜつつ、新しく出したセカンド・アルバムの世界観も保ったままライブができる。セットリスト=プレイリストだと思って、ライブをやっていきたいです(笑)。

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Homecomings mysoundアーティストページ

EVENT INFORMATION

Homecomings『SALE OF BROKEN DREAMS』RELEASE ONE-MAN TOUR “DON’T WORRY BOYS”

2016.07.01(金)
OPEN 18:15/START 19:00
渋谷WWW
¥3,000

EVENT INFORMATION

Homecomings 「CENTRAL PARK AUDIO TOUR」

2016.07.16(土)
OPEN 17:30/START 18:00
静岡Freakyshow
¥2,500

2016.07.17(日)
OPEN 16:30/START 17:00
仙台LIVE HOUSE enn 3rd
¥2,500

2016.07.18(月)
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郡山PEAK ACTION
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2016.09.18(日)
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松江 NU
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2016.09.19(月)
OEPN 18:00/START 18:30
福山Hot Blues Cafe
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2016.09.23(金)
OPEN 19:00/START 19:30
福岡 UTERO
¥3,000

2016.09.24(土)
OPEN 18:00/START 18:30
松山 Bar Caezar
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オフィシャルサイト

text&interview by Wataru Kato
photo by Shigeta Kobayashi