もっと若いリスナーへ洋楽を届けるために

––––コンピレーションCDもレーベルが企画して情報発信するひとつの方法ですが、〈ビート〉さんはWIREDさんとコラボレーションした『The Art Of Listening Vol.1』が出たばかりで、〈ホステス〉さんも15年の1月14日に『No Shit!』シリーズのVol.6がリリースされますね。

飯沢 『No Shit!』はうちからまだシングルしか出していないようなアーティストも収録して早耳コンピのようになっていたり、普段はこういう企画にあまり参加してくれないレディオヘッドやアークティック・モンキーズからもOKをもらったりしていて、実は結構労力がかかっています(笑)。独自の企画盤なので、各アーティストに権利料を払う事もあって収益をこのコンピレーションで出しているわけではないというのは、<HCW>と同じですね。そうやってホステスという名前を知ってもらう機会になればと思ってやっています。

––––『The Art Of Listening Vol.1』は、どんな過程で実現したんですか?

白川 WIRED編集長の若林恵さんにワンオートリックス・ポイント・ネヴァーを取材してもらった時に、「音楽の新しい聴き方」にまつわる話をしていていたんです。そこで何かを感じたウチの担当と若林さんが話しているうちに「面白いね」ということになって、企画が実現しましたね。

〈ホステス〉×〈ビート〉、洋楽インディ・レーベルの対談が実現! これからのレーベルの在り方とは? interview141218_hxb_1

––––内容も素晴らしかったですが、ここには〈ビート〉さんの自社モノではないアルカの曲もバシッと入っていたのも印象的でした。〈ホステス〉さんが年末に発表する各スタッフの年間ベスト・リスト(昨年のはこちら)に他社さんの作品がガンガン入っていたりすることもそうだと思うんですけど、両者ともに広く音楽シーン全体を楽しんでいて、それをプロモーションにも生かしているような印象がありますね。

飯沢 うちは聴いている音楽はスタッフによってバラバラなんですけど、わたしは邦楽インディも比較的聴く方で、そのシーンがここ数年ぐらいで面白くなってきていることもあり、たとえばリトル・バーリーの前座に快速東京さんや王舟さんに出てもらったりもしました。惑星のかぞえかたとか、踊ってばかりの国など色々聴いたりしていますね。

白川 それで言うと、自分たちのところではJ-RAPの人たちや、エレクトロニカ系の人たちにお世話になってますね。Seihoくんとか。

飯沢 そういうのもちょくちょく自分の仕事に生かされるのは面白いですし、自分がリアルに感じている音楽の現場を生かすというのは、意味のあることだと思うんです。個人的には、それがもっと出来ればいいなと思っているところはあります。

白川 そういう考え方があるから、〈ホステス〉さんってハードルがないというか、リスナーとの距離が近い感じがするのかもしれないですね。<HCW>でのサイン会もそうですし。それって今の若いネット・ネイティヴ世代に近い目線で音楽を届けるという意味でも大事ですよ。これはメディアの人たちについてもそうなんですけど、やっぱり「若い人たちに洋楽を届けていく」ということを頑張って欲しい。

––––それは本当にそうですね。

飯沢 洋楽を聴いてる層の年齢が年々上がってきている感じも否めないですしね。でも、〈ビート〉さんもうちもそうですけど、洋楽と邦楽の垣根を越えたり、洋楽をもっと身近な存在にしたいっていう思いはすごくあるので。だからまだ洋楽を聴いたことのない人たちや、若い世代の人たちに、洋楽をもっと聴いてもらえる機会があると凄く嬉しいです。

––––では最後に、来年に期待していて欲しいアーティストやライヴがあれば教えてください。

飯沢 うちは新人だとサーカ・ウェーヴスに注目してほしいです。今年EPをリリースし、<サマーソニック>で来日しましたけど、来年1月には単独公演も決まって、アルバムも出ます。あと、11月の<HCW>は中止になってしまいましたけど、2015年の2月は開催しますし、いいメンバーが揃っているので楽しみにしていてほしいですね。

白川 うちは新年一発目はシャーウッド&ピンチ、そしてオシャレ番長のキティー・デイジー&ルイスとフューチャー・ブラウン、春から夏にかけてのハドソン・モホークですね。そして2015年は、(2014年は催されなかった)<Electraglide>もきちっと開催したいです。

2015年2月開催Hostess Club Weekender、最新ティーザー映像

構成・文/杉山 仁

Release Information

[amazonjs asin=”4401641043″ locale=”JP” title=”CROSSBEAT YEARBOOK 2014 (シンコー・ミュージックMOOK)”]アルバム・ランキング50枚をはじめ、1年のハイライトを総括したテキストや、約20の主要ジャンル別重要作トップ10、さらに執筆陣34名がお気に入りを20枚ずつ挙げたプライベート・リストが別冊付録としてついてくるなど、2014年の洋楽を振り返るのにうってつけの濃密な内容となっているので、全音楽ファン必読!!!

Event Information

ハイパーダブ10周年クロージング・パーティー!
2014.12.19(金)@渋谷WOMB
2014.12.20(土)@大阪CIRCUS

TYCHO、遂に待望の単独ツアー決定!
2015.01.29(木)@TSUTAYA O-EAST
2014.01.30(金)@CLUB QUATTRO
2014.01.31(土)@SOMA

第10回 Hostess Club Weekender
2015.02.21(土)@新木場スタジオコースト
OPEN 12:45/START 13:45
LINE UP:BELLE AND SEBASTIAN、CARIBOU、TUNE-YARDS、HOW TO DRESS WELL、EAST INDIA YOUTH

2015.02.22(日)@新木場スタジオコースト
OPEN 12:30/START 13:30
LINE UP:ST.VINCENT、THE THURSTON MOORE BAND、TEMPLES、REAL ESTATE、PHILIP SELWAY

TICKET:
【1日券】¥7,900(税込/1ドリンク別)
【2日通し券】¥13,900(税込/各日1ドリンク別)
※Hostess特別先行1日券、2日通し券第2次先行発売を期間限定で実施中!