シュールなユーモアとブラックジョークを織り交ぜた風刺漫画を描き続けるスペインの現代美術家Joan Cornellà(ホアン・コルネラ)の個展<Joan Cornellà Japan Solo Exhibition 2017>が遂に東京で12月1日(金)から10日(日)まで開催される。
Joan Cornellàとは?
Joan Cornellàはスペインの漫画家、イラストレーター。心を揺らがす超現実的でブラックかつコミカルな作風で知られる。ニューヨーク・タイムズなど印刷物へのアートワークの提供や、アメリカを代表するロックバンド・ウィルコ(Wilco)の2016年にリリースした最新作『シュミルコ』のアルバムカバーなどのデザインを手がけている。
SNSのための不自然な行動やセルフィー文化、また日常的なトピックのみでなく、妊娠中絶や薬物中毒、ジェンダー問題など政治的なものまで、彼の扱う主題は制限がない。
そして秩序を完全に無視しながらも、普遍的な人間性に訴えかける風刺画は多くの人に愛され続けている。
TwitterやInstagramなど、SNSで彼の作品は多く拡散されているが、彼自身が言葉で語るシーンは少なく、謎に包まれたところが多い。
そこで、東京で個展<Joan Cornellà Japan Solo Exhibition 2017>を開催するにあたり来日したJoan Cornellàにインタビューを行った。ウィルコのアルバムカバーや自身の作品、そして自身のことについて、語っていただいた。
Interview:Joan Cornellà
——以前にも1度日本に来られたことがあるそうですが、いかがでしたか?
10年前に来て1ヶ月いたけど、とても居心地が良かったよ。
——展示以外に今回の日本滞在中、何かやりたいことはありますか?
今回は1週間の滞在になるから、かなり短いんだよね……。でも、できるだけ多くの場所に行きたいな。
——行ってみたい場所の目星はついてますか?
特にはないから、オススメして欲しいな。でも多分いろんな人がたくさん教えてくれるよね(笑)。
——そうですね(笑)。ちなみに日本の漫画は好きですか?
スペイン語や英語に翻訳されている漫画はたくさんあるから、言語的な壁はなくて、僕も10代の頃はかなり漫画を読んだよ。でも途中からアングラなコミックの方に惹かれていったんだ。
——アングラな日本の漫画などは読まれましたか?
うーん。本当に少しだけ読んだかな。駕籠真太郎の漫画を一冊だけ持っているよ。彼の作品はラリってるよね。時々僕も目が向けられなくなるくらいに……、まぁ僕のもラリってるんだけど(笑)。
Joan Cornellàさんの音楽との関係について
——ウィルコとの仕事についてお伺いしたいのですが、どういった経緯でウィルコのアルバムカバーを手掛けることになったのですか?
ウィルコのボーカルの人(ジェフ・トゥイーディー)が僕の作品のファンだったのかな。それで連絡が来て、僕の過去の作品を使うことになった。彼らがこの作品を選んで、そこにバンドロゴとアルバムタイトルを足した形になったんだ。僕はその時ペアで仕事をしていたんだけど、その彼女が全体的なデザインを施してくれた。
——好きな音楽はなんですか?
僕は昔ハードコアな音楽が好きだったんだよね。確か10年くらい前、25歳とかまでやってたかな。7か8個くらいのバンドをやってたけど、しっかりとしたバンドじゃなかったんだ。何というか、将来のことをあまり気にしていなかったんだよね。
——今回の展示でBGMを流すとしたら、どんなBGMを流したいですか?
心地よい音楽の方が展示には向いているけど、僕としてはおかしな音楽を流したいな。会場のスタッフがどういう音楽を展示場で流すべきなのかをよく分かっているから基本的にはお任せしているよ。時々自分たちで話し合って数曲決めたりもするけど……。