「せっかくのフェスなのだから、慌ただしい日常から離れて、ゆっくり良質な音楽を楽しみたい」。そんな人々にピッタリの音楽フェスティバル、<PEANUTS CAMP>が8月20日(土)と21日(日)に開催されます。このフェスは千葉の一番星★ヴィレッジ(市原市オートキャンプ場)を舞台に、キャンプファイヤーやワークショップなどレジャーも充実。夏の思い出を作るには絶好のシチュエーションが用意されたフェスになっているのです。そこで今回は、フェスの企画・運営にもかかわるカジヒデキさんと、2日目に出演するKONCOSの古川太一さんに集まってもらい、会場に向かう道中を盛り上げる「キャンプの行く道を盛り上げてくれるプレイリス」をテーマに、お気に入りの楽曲を選んでもらいました。

カジさんと古川さんは、古川さんがまだKONCOSを結成する前、Riddim Saunterとして活動していた頃にカジヒデキとリディムサウンター名義のコラボ作『TEENS FILM』で共演。以降もKONCOSがカジヒデキさんの作品に参加したり、ライブでバックバンドを務めたりと親密な関係を築いてきました。そんな2人ならではのクロストークを、今回は前編と後編の2回に分けてお届け。この前編ではまず、2人が語る<PEANUTS CAMP>の魅力やプレイリストを作る楽しさ、そしてカジさんが選んだプレイリストをどうぞ!

Interview:カジヒデキ×古川太一(KONCOS)

【インタビュー】カジヒデキ×古川太一(KONCOS)が選ぶ、キャンプの行く道を盛り上げてくれるプレイリスト 前編 music160803_kazikoncos_1

――今回開催される<PEANUTS CAMP>は様々なアーティストやグルメ、キャンプファイヤーなどが集結する音楽フェスになっています。当日は何を楽しみにしていますか?

カジ 今ちょうど、フードを提供してくれるお店やワークショップでどんなことをやるかということが決まり始めているんです。まずはバンドの演奏を「みなさんが楽しんでくれたらいいな」と思うし、自分自身も楽しみたいですね。

古川 僕はカジさんのステージにもバックバンドで出演して、KONCOSとしてのライブもありますけど、やっぱりライブが終わった後のビールが楽しみです。

カジ (笑)。居酒屋みたいなブースも出るしね。

古川 実はもうチェックしてました(笑)。泊まるのがいいかもしれないですよね。僕はキャンプの道具はひとつも持ってないですけど、そんな人でもキャンプが出来るみたいだし。

カジ あと、運営している方がクリエイター集団ということもあって、すごく面白いんですよ。<PEANUTS CAMP>は普通の音楽フェスとは少し違って、マスコットキャラクターがいて、ストーリー仕立てになっているんです。ピーナッツって落花生ですよね。それを「落下星」として捉えて、キャラクターたちがそこから落ちてきたという設定になっていて。そういう大人も子供も楽しめる仕掛けがあるので、家族で来てもらっても楽しめるだろうし。キャンパーの人も沢山来てくれると嬉しい。夏の思い出にテントを持って来てくれたらいいなぁと。

古川 絶対楽しいですよね。

――ちなみに、2人のキャンプやアウトドアの思い出というと?

古川 僕は子供の頃、キャンプをやった記憶がありますね。最近は・・・外でお酒を飲むのが好きです(笑)。ライブの打ち上げで、みんなでお酒を持ち寄って野外で飲んだこともあります。

カジ 僕は千葉の富津市の出身ですけど、小学生の時にキャンプに行ったこともあるし、中学生の頃、千葉の中学生と苫小牧の中学生の交流会があって、フェリーで苫小牧まで行ったことがあるんです。それで確か、湖の湖畔にテントを立たりして。

古川 ああ、いいですね!

カジ 20代の頃にも、友達と奥多摩上流の方に遊びに行ったりしましたね。そうだ、95年に<ロスキルド・フェスティバル>にカーディガンズが出演するということで、初めて海外のフェスを経験したのだけど、4日間のうち後半の2日間はエッグストーン(スウェーデンのバンド)と合流して一緒に会場を回ったことがあったんです。彼らは車で来て寝泊りしていたので、全員はそこに入れないということになって。急きょ野宿をしたこともありました。デンマークの夜って、6、7月でもすごく寒いんですけどね(笑)。でもあれはすごく楽しかったなぁ。

――<PEANUTS CAMP>もまた、そうしたキャンプ、アウトドアならではのゆるい雰囲気を大切にしているフェスティバルですね。

カジ 出演してくれるミュージシャンも、ゆるく楽しんでくれたらいいなと思うんですよ。自分のライブが終わったあとに、誰かのステージに飛び入りしてくれるとかね。そんなこともあったら楽しいだろうな、と思うので。

――そして今回は、「キャンプの行く道を盛り上げてくれるプレイリスト」というテーマで選曲をしてもらいました。音楽をかけたりすると、会場までに気分も盛り上がりますよ。

古川 そうですね。実は最近、自分の車のカーステレオが壊れたんですよ。一度再生して、違うCDを入れると、かからないことが多くなって。それで思うんですけど、音楽はめちゃくちゃ重要です。聴きたいのに……!って(笑)。それで、この前の自分のツアーでは延々とアヴァランチーズを聴いてました。一度入れたらずっとそのままなんです。

――失って余計に気づいてしまった、と(笑)。

カジ (笑)。僕もカフェ・ライブ・ツアーを回ったりすると車の移動が多いです。でもその時は、BGMを自分で選ぶと「みんな楽しめてるかな?」って気になっちゃう。

古川 ははははは。

カジ だから、最近は人の選んだものを聴くことが多いですね。そうすると、僕はオールディーズに反応することが多いんですよ。ビーチ・ボーイズは『ペット・サウンズ』はもちろん最高だけど、初期にサーフロックの頃のものとか、60’Sのガールズ・ポップコンビとかがはまります。

古川 ああ、すごい分かります。そういう時って、定番のものが合ったりするんですよね。

カジ そうそう。もう王道のビートルズとかね。自分が10代の頃にはまったザ・スミスだとか。太一くんが一緒の時はミックステープを作ったりしてくれるので、それを聴いて「おっ、これは何だろう?」って気になる曲を見つけたりすることもありますね。

古川 この前ノイズをかけてたら、運転してる人に変えられたりもしましたけど(笑)。

カジ それ面白いね(笑)。車で移動していると、選曲の中心になる人がいますよね。この間、(NEIL&IRAIZAの)堀江博久くんと一緒に車に乗っていたら、彼がジョン・レノン関連の作品を全部聴持ってきたんですよ。それで夜中にライブ音源で、オノ・ヨーコさんの前衛的な歌がずっと流れていたりとか(笑)。

――「アアアアーーー!」みたいなやつですか。

カジ そうです、「アアアアーーー!」って(笑)。それはそれで面白かったりしますよね。

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