――そして会場に到着すれば、カジさんやKONCOSのが予定されています。
カジ KONCOSは、去年の9月の<BAYCAMP>でも野外でライブをしていたんですが、僕はその時のイメージが強くて。まだ去年の9月だったのに、既にほとんどが今回リリースされるアルバム用の新曲だったんですよ(笑)。それもすごく飛ばしていて、太一くんがステージ上をずっと動き回っていて。あれは強烈でした。今回の<PEANUTS CAMP>でも太一くんがどんな風にプレイするのかがすごく楽しみですね。きっとすごくはまりそうな感じがするので。それにもちろん、出演アーティストは僕がセレクトさせてもらったので、どのアーティストもすごく楽しみなんです。たとえばサニーデイサービスもそうですしね。
古川 僕はカジさんのサポートで九州に行った時に観たシャムキャッツライブがすごくよかったので、彼らのステージも楽しみです。それから、カジさんのステージではKONCOSでサポートさせてもらうので、僕らはカジさんのグルーヴを全力でサポートしようと思います。
カジ 僕のライブは、せっかくのアウトドアなので選曲もそれに合わせたものにしようと思っているんですよ。たとえば、セカンド・アルバムに入っている“GREEN ROAD”とか。
古川 いいですね! すごく気持ちよさそうです。
カジ それから、僕はボンビングというスポーツのレクチャーをしたりもする予定なんですよ。
古川 どんなスポーツなんですか?
カジ エッグストーンのメンバーが考案したスウェーデン発のスポーツで、一方が革靴を投げて、相手がそれをバケツで拾うというもので。2対2でやるゲームなんだけど、僕が初めてスウェーデンに行った時にタンバリン・スタジオの人達の間ですごく流行っていて。今回は彼らから直接教えてもらったものを、僕がレクチャーしようと思います。他にも色んなワークショップがあるし、夜には映画の上映もあるので、会場は大人も子供も楽しめるものになっていると思いますよ。
――また、今年はそれぞれ最新アルバムもリリースしていますね。KONCOSはドラムの紺野さんが加入して初のアルバム『Colors & Scale』をリリースしたばかりですが、これは大きな変化だったんじゃないですか
古川 KONCOSとしては初めてバンド編成になったので、これはすごい変化でした。
カジ ずっとドラムレスでやってたもんね(笑)。それでも太一くんは、ひとりでバスドラも踏んだりしていて・・・すごい人だと思ってました。もともとドラマーだった人がキーボードを弾くようになっただけでもすごいですけど、そこから片手でシンセベースも弾き始めて、バスドラも加わって・・・最後はシンバルまで加わって・・・!
――まるで超人のようです。
古川 あやうく大道芸になるところでした(笑)。やっとバンドになれましたね。
――そうして完成したアルバムは、非常にバンド感が増していますね。シングル“Parallel World”も、まさにそういった雰囲気のファンク・チューンになっています。
古川 自分にはこれが合ってるな、ということに気づいたんですよ。
カジ 新曲が音源になる前からライブでずっと観ていましたけど、その時点で「ああ、この曲すごくいいなぁ」と思っていた曲がいくつもあって。その曲を改めてレコーディングしたものを聴くと、もともと3ピースでやっていたものにアレンジが加わって、特にホーンがほぼ全曲に入っていますよね。やっぱり太一くんは、Riddim Saunterの時もアレンジで色んな音を鳴らしていたし、今回の作品ではそういう魅力がより出ているなぁと。アルバムを聴いて「ああ、こういう風にしたかったんだ」ということがよく分かりました。ライブもポストパンク・・・もしくはポストポストパンクという感じですごくかっこいいですけど、アルバムではよりアーバンな感覚と、みんなでシンガロンするような感覚とが同居していますよね。
カジ “きっと綺麗な星空が見えると思いますよ”
―― 一方カジさんは今年でソロ20周年で、5月に新作『THE BLUE BOY』をリリースしました。制作中、20周年であるということはどの程度意識していましたか?
カジ 最初はそれを意識しすぎてしまって、曲作りの段階で「20周年らしいアルバムにしなきゃいけないのかな」と考えたこともあったんですよ。でも最終的には、あまり意識しなくてもいいのかな、と思うようになりました。逆に今の感じを出せばいいんじゃないかな、と。それで太一くんと(同じくKONCOSの佐藤)寛くんに参加してもらって、3ピース・バンドのように録音していきましたね。今回のアルバムは、8曲KONCOSと一緒にセッションをしたこともあって、曲の骨組みには太一くんや寛くんのアイディアも沢山入っているんです。
古川 僕らはカジさんが持って来てくれたデモを聴いて、それを3人でも演奏出来るようにパターンを変えたり、「ライブではこうなるので、ここは変えましょう」とアイディアを出したりしたんです。だから、アレンジというよりも、カジさんの曲の魅力をライブでも再現出来るようにしたというか。「この方が(ライブで演奏した時に)アガりませんか?」という提案をしていきました。僕はすぐにアゲようとしちゃうんで(笑)。
カジ そうそう(笑)。
――付き合いが長いからこそ出来る作り方ですよね。
古川 10年のカジリディム(カジヒデキとRiddim Saunter)の時の作り方と、すごく似ていたかもしれないです。あの時僕はまだ鍵盤はあまり弾けなかったですけど、寛と一緒にコードを取ったりしていて。今回はそれの現代アップデート版のような感覚もありましたね。
カジ 太一くんは、僕に合いそうなものも分かってくれているんですよ。だから、普通になりがちなところは壊してみたらいいんじゃないかと提案してくれたりする。それに僕は、太一くんのDJ的な感覚をものすごく信頼していますしね。20周年に堅いアルバムを作ることも出来るけど、そうじゃない方が楽しいんじゃないかと思ったんです。まだそういうことはしなくてもいいのかな、と。
――すっと変わってきたからこそ、今のカジさんがあるわけですしね。
カジ そうですね。コアなファンの人たちも、それを望んでいるわけじゃないのかな、と。
――では最後に。<PEANUTS CAMP>にはどんなことを楽しみに遊びに来てほしいですか?
カジ 色んなものを自由に楽しんでもらえるようにしたいと思っているので、1日中ずっと、気楽に楽しんでもらえたら嬉しいです。もしよければキャンプをしてもらえると嬉しいし、キャンはちょっとという方は、どこか近場に宿を取ってもらってもいいですし。もちろん日帰りも。当日天気がよければ、最後はきっと綺麗な星空が見えると思いますよ。とにかく、来てくれたみなさんに楽しんで帰ってもらえたら最高ですね。
RELEASE INFORMATION
THE BLUE BOY
2016.05.25(水)
カジヒデキ
¥2,800(+tax)
Colors & Scale
2016.07.20(水)
KONCOS
¥2,500(+tax)
EVENT INFORMATION
<PEANUTS CAMP>created by 太陽と星空のサーカス
2016.08.20(土)〜2016.08.21(日)
DAY1 OPEN 10:30/START 12:00
DAY2 OPEN 8:00/START 10:00
一番星★ヴィレッジ(市原市オートキャンプ場)
1日券 DOOR ¥5,900/2日券 DOOR ¥11,000
photo by Kohichi Ogasahara