――良い意味で期待を裏切られたと思います(笑)。そして現在はリリース、ライブやDJとしての活動のみならず、プロデュース活動も活発ですね。この度、自身初のベストアルバム『ミュージカル・ジャーニー・ザ・ベスト・オブ・ケロ・ワン』をリリースしますが、このリリースはこれまでの活動や来歴の振り返り、そして次の作品や活動へと進む機会という意味合いも含まれているのでしょうか? 

その通りです。『ミュージカル・ジャーニー・ザ・ベスト・オブ・ケロ・ワン』のリリースは、この10年における、私のミュージシャンとしての旅を語るための最高の方法だと思いました。今、私はプロデューサーとして次の旅にフォーカスしています。このベスト盤と同時にケロ・ウノの名義でプロデュースした作品も作り上げましたが、ケロ・ウノの名義で他のアーティストと制作をすることで新たな旅を始めたかったのです。

――常にオリジナリティという新鮮さを提供し、様々なアーティストたちとの協演も重ね、ワールドワイドに活動しているケロ・ワンさんですが、昨今のヒップホップシーンについて感じることはありますか?

私は変化を受け入れるタイプのアーティストなので、拳を握りしめて怒りながらオールド・スクールのヒップホップしか認めないようなタイプの古い人にはなりたくないと思っています。私が活動をはじめた頃と比べて、シーンはものすごく変化しました。特にインターネットとYoutubeのおかげだと感じていますが、この変化はとても素晴らしいことだと思っていますね。

――そして自身の活動の拠点ともなっている西海岸シーンの移り変わりや、現在の西海岸のシーンについて教えてください。

今はLAに住んでいますが、ここの音楽シーンはとてもエキサイティングで、たくさんの素晴らしいイベントがあります。私が活動をはじめた頃とは違い、若い子たちは簡単に音楽を制作できるようになりました。レコードやCDをプレスしなくても人々が音楽を聴けるようになったので、15歳位の若い子がラップトップを使ってクレイジーな音楽を作って音楽キャリアをスタートすることができるのです。また、私は西海岸のアンダーグラウンドなビート・シーンにも深く関わっています。私のYoutubeチャンネルでもそれがチェックできるので、ぜひ見てください。

Kero One & Tuomo – Love and Happiness(Live)Al Green Cover

――昨今の日本や韓国などアジアのシーンに変化は感じますか? またチェックしているアーティストや、共演をしてみたい! そう感じさせられるアーティストさんなどがいましたら教えてください!

今の韓国ではヒップホップがもっともポピュラーな音楽スタイルです。驚くような状況ですよね。こんなことになるとは、私が活動をはじめた当時では考えられないことでした。韓国では、ヒップホップのコンペのようなテレビ番組があることが大きな要因ではないでしょうか。もし、日本にも同じような番組があれば、日本のヒップホップの人気はもっと加速するのではと感じます。最近ヌジャベスの遺族から、彼の音楽のオフィシャル・リミックスを作らないかと話をもらいました。私にとってヌジャベスはレジェンドですから、とても光栄な話です。近いうちに進められたらいいと思っています。日本の若いラッパーやシンガーとも仕事がしてみたいですね。もし聴いたほうがいいというおススメのアーティストがいれば、ぜひTwitterで教えてください! 

――『ミュージカル・ジャーニー・ザ・ベスト・オブ・ケロ・ワン』では、今までにリリースした4枚のアルバムの中からの選び抜かれた14曲ですが、どのような想いでセレクトをしていきましたか?

私がお気に入りの曲を選びました。いくつかは人気の高い曲だと思います。

――そして今作にはボーナストラックには“Loves Gonna Getcha feat. Dynamic Duo & Dumbfoundead”と“When The Sunshine Comes feat. Epik High”の2曲が収録されていますがこの2曲について教えてください。

韓国に向けてつくったエクスクルーシブな曲です。エピック・ハイとダイナミック・デュオは私にとっては韓国ヒップホップの最も偉大なグループです。彼らとの仕事も光栄な出来ごとでした。”Loves Gonna Getcha feat. Dynamic Duo & Dumbfoundead”は女の子との問題についての歌です。”When The Sunshine Comes feat. Epik High”は人生の困難なときにどうやっていつも希望を持ち続けるのか。太陽は明日も輝き続けるということを歌っています。

――先ほどお話にも出ましたが、今回のベストアルバムリリースを期として新プロジェクトとしてケロ・ウノ名義で『リフレクション・エターナル』をリリースしますが、このプロジェクトについて教えてください。

ケロ・ワンは私のラッパーとしての名前で、ケロ・ウノはプロデューサーとしての名前です。ケロ・ウノのアルバムは『リフレクション・エターナル』というタイトルで、最近のL.Aの音楽シーンから受けた影響が詰まっています。他のアーティストのためにプロデュースした作品は今回が初めてです。プロデューサーとして、ヒップホップの、ジャズ、ソウル、R&B、エレクトロニック・サウンドのような異なったスタイルを融合させる良い機会でした。

Kero Uno – Princess Diamond (Official Music Video)ft. Kelsey Bulkin / Made in Heights

――ラッパー、シンガー、レーベル・オーナー、DJ、ビートメイカー、プロデューサー。様々な活動を展開していますが今後挑戦したいことはありますか?

ひとつかふたつのことをチャレンジしていられればいいかなと思っています(笑)。ビジネスサイドもクリエイティヴサイドも大好きなのですが、時々、私の中のビジネスマインドが私のことを嫌いになります。それは、私がひとりのアーティストとしてだけの活動をしていたいと考える時があるからです。『リフレクション・エターナル』ではクリエイティヴな面だけにフォーカスできましたね。この時は、アーティストサイドとしてこれまで以上に努力しました。

――また、今回のベストアルバム、ケロ・ウノ名義の2作品をリリースしますが、日本ツアーなどは予定されていますか?

『リフレクション・エターナル』をリリースしたらライヴバンド、シンガーと一緒に来日してヴィジュアルも含めたショーをやってみたいと考えています。

――最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いします!

Arigato! ライブで見かけたらぜひ声をかけてください。アルバムを聴いたら、ぜひ感想を聞かせてください。いつもGoogle翻訳を使って皆さんのメッセージをチェックしています(笑)!

Kero Uno – The Making of “Reflection Eternal” + LA beat scene

RELEASE INFORMATION

[amazonjs asin=”B01727GZE8″ locale=”JP” title=”ミュージカル・ジャーニー・ザ・ベスト・オブ・ケロ・ワン”]
Amazonで購入 HMV ONLINEで購入