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PR Presented by Erased Tapes

ポストクラシカルの雄として高い評価を受ける一方、ハリウッド映画『アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち』(2011)や『Gimme Shelter』(2013年)の映画音楽やTVドラマへの楽曲提供などでも話題を呼ぶアイスランドのプロデューサー、オーラヴル・アルナルズと、同郷のエレクトロニック・バンドBloodgroupのメンバーとして知られるヤヌス・ラスムセンによるエレクトロ・ユニット、キアスモス(Kiasmos)。最新EP『Blurred』制作風景について2人にメールで話を聞いた。

ポストクラシカルの雄として高い評価を受ける一方、ハリウッド映画『アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち』(2011)や『Gimme Shelter』(2013年)の映画音楽やTVドラマへの楽曲提供などでも話題を呼ぶアイスランドのプロデューサー、オーラヴル・アルナルズと、同郷のエレクトロニック・バンドBloodgroupのメンバーとして知られるヤヌス・ラスムセンによるエレクトロ・ユニット、キアスモス(Kiasmos)

彼らが最新EP『Blurred』を完成させた。普段は個々の活動を続けながら、テクノ/エレクトロニカへの興味などを同じくする2人が鳴らすのは、音のひとつひとつから想像力が無限に広がるような、ミニマルで美しいエレクトロニック・ミュージック。

春から夏にかけて制作されたという今回の楽曲には、まるでアイスランドの慎ましやかな四季を閉じ込めたような世界が広がり、そこにスタイミング(Stimming)とボノボ(Bonobo)によるリミックスがさらなる華を添えている。

今回日本では、その最新EP『Blurred』に、15年の12インチ作品『Swept』を加えた日本独自編集盤『Blurred/Swept EP』がリリース。このタイミングで、『Blurred』の制作風景について2人にメールで話を聞いた。

ちょうど彼らが多忙なスケジュールをこなす中とあって、回答の分量自体は多くはない。けれども2組のミュージシャンがお互いに興味やアイディアを持ち寄って生まれるこのグループならではの自由な雰囲気は、2人の発言からも感じられるはずだ。

Interview:Kiasmos

——キアスモスの音楽は2人の普段の活動から比べても、四つ打ちのテクノやエレクトロニック・ミュージックからの影響がストレートに出ているように思えます。あなたたち「自身は、普段の活動と比べてどんな違いを感じていますか?

オーラヴル・アルナルズ(以下、オーラヴル) キアスモスは、お互いにやっている活動の延長上にあるものという感じかな。全く別のものではなくて、そこに新しい音楽要素と操作方法を付け加えているという感覚。いくつかのアイディアに没頭するためのプラットフォームだね。

ヤヌス・ラスムセン(以下、ヤヌス) だから、「何かやってみる場所」であり「楽しむところ」なんだと思う。同時に、自分のアイディアにのめり込めるような場所でもあるんだ。

オーラヴル もともと、キアスモスをはじめた理由は「ただ純粋に楽しみたいから」だったしね。僕たちは、昔からの友達でジントニックを飲みながら楽しい金曜の夜を過ごしたいと思って、一緒に音楽を作りはじめた。

つまり、それだけだったんだ。あるものごとのためには大きなアイディアを持っていないことが良い場合もあると思うんだよ。なぜなら、僕たちがシンプルに楽しくやっていくことで、それが音楽を通して輝くことがあるからね。

——お互いの活動の延長線上で、新しいアイディアを試す場所になっているのですね。あなたたちの場合、作曲は基本的に同じスタジオに入ってアイディアを発展させることから始まるそうですが、今回のEP『Blurred』の制作はどんな風に進んだのですか?

ヤヌス そうだね。僕らはいつも同じスタジオに入って作業をはじめるんだ。今回のEPは5月の頭から作り始めた。最終的に曲になるいくつかのアイディアを試すことから少しずつはじめていったんだけど、今回は作曲の過程がとても早く進んだのを覚えているよ。

オーラヴル 僕たちは春に曲を作りはじめて、そのあと夏のイメージの中に移行した。数週間僕のスタジオに引きこもって、そこで全曲仕上げたんだ。最初はEP『Swept』とフルアルバム『Kiasmos』の延長上となる作品を作ろうと思って集まった感じだったね。制作中に大変だったことは全然なくて、とにかく楽しかった。

最も楽しかったのは“Paused”からいくつかの要素を抜いたとき、それが楽曲をよりよくしてくれたと気付いた時かな。今回の作品はこれまでで最もミニマルなリリースだと思っているよ。

——では、お互い今回のアルバムのポイントだと思う楽曲をいくつか挙げるなら? 

オーラヴル 僕のお気に入りは“Paused” 今まででベストな曲の一つだと思うよ。僕たちはこれまで5年かけても終えることができなかったメロディを偶然見つけたんだ。そこに潜在的な可能性を感じていて、今回それをやっと使うことに決めたんだよ。

ヤヌス 僕は“Jarred”かな。楽しかったと思える場面や面白い要素が沢山あったからね。

——ボノボとスタイミングによるリミックスも収録されていますね。この2組はあなたたちに大きな影響を与えたアーティストだと思いますが、今回のリミックスはどのように実現したのでしょう? また、実際に仕上がったリミックスを聴いての感想は

ヤヌス 僕たちは昔からスタイミングの大ファンなんだ。だから、彼が今回“Paused”のリミックスを引き受けてくれた時は本当に嬉しかった。彼は自分のやっていることを熟知しているし、まさに魔法使いだと思う。大好きなんだ。ダークでグルーヴィーなリミックスに仕上げてくれた。ボノボの作品も素晴らしくて、彼の場合多くの点で僕たちのやり方に近い部分があると思う。彼にリミックスをお願いするのは完璧な組み合わせだと思ったよ。

——今回のEPのタイトルを『Blurred』にした理由を教えてください。

ヤヌス “Blurred”は最初のシングルだけど、それをそのままEPのタイトルにしようと思ったんだ。僕たちはその曲にキャッチーでよりフィットした名前を付ける必要があった。で、そのとき相談していた候補が4つあったんだけど、最終的には”Blurred(=ぼやけた/不鮮明な/はっきりしない)”に決めたんだ。キャッチーだし、この名前なら曲を聴いたときにすぐに頭の中にイメージすることができるものだと思ったんだよ。

Kiasmos – Blurred

——2人がキアスモスとして共感する音楽にはどんなものがあるのでしょう? キアスモスの音楽はドイツのコンパクトを連想させるテクノとクラシックにも通じるピアノやストリングスが一緒になっていたり、Pantha Du PrinceやGASといったアーティストとも似た映像を喚起させるような音が広がっていたりと、幅広い影響が詰まっていると思います。

オーラヴル お互いに異なるジャンルの音楽を沢山聴いているんだ。そこにはエレクトロニック・ミュージックやクラシックだけじゃなくて、ジャズ、ヒップ・ホップ、そしてポップニュージックもある。これらのスタイルのすべてが僕たちに影響を与えてくれているよ。

——だからこそあなたたちの音楽は、ダンス・ミュージックがかかるクラブでも、クラシックを聴くようなホールでも観客を魅了できるものになっているのかもしれないですね。

ヤヌス そうだね。僕ら自身、このプロジェクをやることで、次に来るものをより受け入れることが出来るようになったと思う。曲を作る時には考えすぎないようにして、ただ流れに身を任せていく――。それが僕達の楽しみの一つになっているんだ。

だから、最初にも言ったように、キアスモスは「アイディアのための遊び場」って感じなんじゃないかな。僕らはこのプロジェクトに無限に近い可能性を感じているし、まだまだ試したいことが沢山残っているんだ。将来的にはもっと良いことがあるはずだよ。それは間違いないね。

RELEASE INFORMATION

『ブラード・スウェプト・イーピー』

【インタビュー】ボノボらのリミックスも注目されるキアスモス。アイスランドが誇る2人が紡ぎ出す世界 interview_kiasmos_2-700x700
2017.11.12(日)

¥2,300(+tax)
PDIP-6574
日本独自企画盤/初CD化音源
レーベル:Erased Tapes / p*dis


詳細はこちら

text & interview by 杉山仁

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杉山仁

杉山仁

ライター

乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、Hard To Explain~CROSSBEAT編集部を経て、現在はフリーランスのライターとして活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』をはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

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