——取材前に、アルバムに入る曲として“Kids In Love”と“Never Let You Go”の2曲を聴かせてもらったのですが、全体の雰囲気はどんなものになっているんですか?
まず、“Kids In Love”は今回のアルバムの中で僕が一番気に入っている曲なんだ。それもあって、アルバム・タイトルも『Kids In Love』になる予定だよ。アルバムには8~10曲入ることになりそうで(実際の完成版は8曲)、『クラウド・ナイン』に比べるとアップビートな作品になっていると思う。聴き比べてみると、きっとその違いが分かるんじゃないかな。
Kygo – Kids in Love (Audio) ft. The Night Game
——前作よりもアップビートになったのは、なぜだったんでしょう?
多分だけど、ここ数年ずっと各地でライブをしていく中で、「もっとエネルギッシュな曲をやりたい」という気持ちが強くなったんだと思う。そういうことを意識していたから、アップビートな曲が増えたのかもしれない。でも、5曲ぐらいはいつも通りBPM100ぐらいの楽曲になっているから、すべてがそうなっているわけではないんだけどね。
——少なくとも、今回の『Kids In Love』は、世界中をツアーして回ることになったここ数年の経験がダイレクトに反映されたアルバムになっているということですね。
その通りだね。制作中、実際にそういう作品にしたいと思っていたんだ。今回のアルバムの中には、色んなライブで披露をして、そこでオーディエンスの反応を見ながら「ここはもっとこうしよう」「こんな方向性にしてみよう」と考えていった曲も入っているからね。
——では今回、ゲスト・ヴォーカリストとしては誰が参加しているんですか?
タイトル曲の“Kids In Love”には、ザ・ナイト・ゲーム(ボーイズ・ライク・ガールズのフロントマン、マーティン・ジョンソンのプロジェクト)が参加しているんだ。もしかしたら今回のアルバムのヴォーカリストで一番有名なのは、“Never Let You Go”に参加してくれた素晴らしい声の持ち主、ジョン・ニューマンかもしれないな。
Kygo – Never Let You Go (Audio) ft. John Newman
今回は、有名な人と組むというより、まだあまり知られてはいないけれど素晴らしい才能を持った人たちに参加してもらいたかった。とにかく「声の質がいい」ということを基準に選んでいったよ。
さっき話していたオリヴァー・ネルソンとは“Riding Shotgun”のトラックでコラボレートしていて、今回の作品を作っていたときにすごく影響を受けた人だったから、やっと一緒に出来たのが嬉しかった。そこではボニー・マッキーが歌っているんだ。ビリー・ラフールとは“I See You”をやった。とにかく、知名度は気にしないで、声の質で選んでいったよ。
Kygo, Oliver Nelson – Riding Shotgun (Audio) ft. Bonnie McKee
Kygo – I See You (Audio) ft. Billy Raffoul
——そうした曲をまとめるとき、何かテーマのようなものはあったと思いますか。
今回のアルバムの曲の共通点を挙げるなら、それは「愛」なんじゃないかな。今回の作品には、全体的にノスタルジックな雰囲気があるんだ。たとえばタイトル曲“Kids In Love”は、昔付き合っていた2人がもう成長してしまって、「今は上手く行かないけど、昔は楽しかったね」と懐かしむ曲。でも決して悲しいムードではなくて、「昔はよかったね」って、思い出にふけっているような雰囲気なんだ。「あのときは楽しかった。さぁ前に進もう」ってね。
——なるほど、それは様々な経験をして新しい音楽性に進んでいる、あなたの今とリンクしているのかもしれませんね。アルバムが出て以降のことで、楽しみなことを挙げるなら?
今からアルバムの曲をライブで披露するのがすごく楽しみなんだ。早くみんなに生で聴かせたいよ。一年半作ってきたものを、やっと聴かせられるんだからね。
——リリース後のライブについても、もう具体的に考えはじめているんですか?
もちろんだよ。来年の2月にツアーがはじまるから、今色々と考えているところなんだ。もしかしたら“Kids In Love”は、ピアノを使ってアコースティックな演奏で披露することになるかもしれないな。他にも色んな変化を加えることになるかもしれない。最終的にどうなるかはまだ分からないけど、みんなの前で披露できることを今から楽しみにしているよ!
RELEASE INFORMATION
キッズ・イン・ラヴ
2017.11.15(水)
カイゴ
¥2,200(+tax)
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interview & text by 杉山仁
photo by 横山マサト