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今や日本のHIPHOPシーンの中心に躍り出たYENTOWN。その最年少ラッパーでありこ謎多き存在だったkZmが、満を持して今年3月28日(水)に1stアルバム『DIMENSION』をリリース。今回はコアなリスナーの期待をも軽く飛び越えさらなる次元へと誘う音楽が収録された本アルバムについて語ってもらった。

今や日本のHIPHOPシーンの中心に躍り出たYENTOWN。その最年少ラッパーであるkZmは、これまで謎多き存在だった。遡るとkiLLa crewのリーダーとして東京界隈では知られていたが、SEEDAやAwichの楽曲への客演でさらに注目を浴び、昨年からはソロとしても本格的に始動。木村太一監督がMVを手掛けた“Emotion”は彼のアブストラクトな世界観を知らしめるとともに、、AKLOとの“KILL IT EYDEY”、5lack&RUDEBWOY FACEと参加したKojoeの“BoSS RuN DeM –Remix-”でもその実力を遺憾なく発揮した。そしてとうとう、3月28日(水)に1stアルバム『DIMENSION』をリリース。コアなリスナーは待ち焦がれていただろう。しかしその期待を軽く飛び越え、さらなる次元へと誘う音楽が、このアルバムで表現されている。

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Interview:kZm

【インタビュー】YENTOWNの最年少ラッパー・kZmが、1stアルバム『DIMENSION』でHIPHOPをさらなる次元へと誘う re_photo_02-1200x801

——去年からAwichさんやChaki Zuluさん、kiLLaとインタビューしていて、たびたびkZmさんの話が出ていたので会えて嬉しいです。2017年は自身のソロに加えて客演でも話題の多い年だったと思うんですが、『DIMENSION』はどのぐらいの期間をかけて制作したんですか?

kiLLaを抜けたタイミングで「ソロでアルバムかな」とは思ってたんですが、ちょうどその時期にAwichと出会って。YESBØWYの家でパーティーをした時にAwichも来て、Chakiさん(Chaki Zulu)に紹介したんです。そしたらChakiさんがAwichに惚れ込んでアルバムを作ることになって、その制作と自分のアルバムが重なった部分もあったので、制作は1年半ぐらいですね。

——アルバムからはAwichさんとの“Sect YEN”が、Reebok CLASSICとのコラボMVとして公開され早くも話題となっています。あのMVはどんなコンセプトだったんですか?

タイアップだからメジャーっぽくするんじゃなくて、再生数とか気にせずにとにかく“ドープ”なものをぶつけてみようと。「最悪OKが出なくてもいいかな」ぐらいに思ってたんですが、Reebokさんの心が広くて通っ……ちゃったって感じです。

——ReebokはKANDYTOWNとのコラボなどHIPHOPへのアプローチに積極的ですよね。あのMVはマーベル作品のヴィラン、それもラスボスが出てきたようなインパクトでした。Awichさんは“Midnight Suicide”もそうですが、改めてふたりの相性の良さを感じます。

バタバタはしてたんですが、Awichとも相談しながら作りました。俺らのライブは地方へ行くと宗教的なアガり方をするので、「教祖みたいだね」っていうところからああいうMVに。

Reebok CLASSIC X kZm [Sect YEN feat. ](Prod. Chaki Zulu)

Midnight Suicide – kZm feat. (Prod. Mitch Mitchelson & Chaki Zulu)

——アルバムジャケットはシンプルかつ意味深なビジュアルでしたが、あれはどこで撮影したんですか?

あれは千葉のドン・ロドリゴ上陸地っていう、黒船来航のスペイン版みたいなところです。最近ってグラフィックを使ったジャケットが多いじゃないですか? でもそれをやると“作られたぶっ飛んだヤツ”みたいになるのが嫌で。あれは岩の模様がグラフィックのようなので、実写でグラフィックみたいに見せられたらいいなと思ってあの場所を選びました。

——そういう意識はアルバムタイトルの『DIMENSION』に通じる部分がありそうですが。

HIPHOPには縛られずに“次元”が違うものを作りたかったというのと、よく使っている“Dimensions”(音響ゲームアプリ)。そのふたつの意味をタイトルに込めています。今そのアプリは無くなっちゃったんですけど。

——それでいうと“Emotion”のMVの撮影場所である“養老天命反転地”も、DIMENSIONというワードに合う。あの場所を作った荒川修作さんが好きなんですよね?

はい、それこそあの人もDIMENSIONっていう言葉をよく使う“次元超えたい人間”なので。あそこまではいけないとしても、俺も音楽に縛られるつもりはないですね。

Emotion – kZm (Prod. hnrk)

——kZmさんの音楽の原体験は?

もともと親父がソウルとかジャズが好きだったので、ブラックミュージックは身近にあって。自分で聴くっていうわけではなかったけど、車の中とかで聴いて、幼いながらにカッコいいなとは思ってました。代々木公園でバスケをするようになってからも、スピーカーからHIPHOPが流れたりしてたけど、それでもまだ自分から聴くまでにはならなくて。でも同時期にAppleのCMでエミネム(Eminem)の“Lose Yourself”が流れて、それで完全にクラいました。その頃にYDIZZYと出会って、あいつからDMXやスヌープ・ドッグとかのCDを借りたり、一緒に服屋に行くとあいつは「この店で一番デカいTシャツくれ」って言ったりして。XXXLぐらいのTommyのポロシャツを着てBMXに乗って……めちゃくちゃB-BOYでしたね。

【インタビュー】YENTOWNの最年少ラッパー・kZmが、1stアルバム『DIMENSION』でHIPHOPをさらなる次元へと誘う re_photo_03

——いいエピソードですね。その流れでいうと“WANGAN”という曲は、「DJ DARUMAが言った お前はまるでAKIRA」というリリックがあるように、自身の過去も振り返っています。

それからYDIZZYと同じ小学校のNo Flowerや、代々木にいたArjunaやBLAISEにも出会って。みんなHIPHOPもバスケも好きだったのでチームを作って、そこから18、9ぐらいの時に自分たちが着たい服が世の中にないからkiLLaっていうブランドを同じ高校の友だちと作った。そのブランドのルックを作る時に、周りのイケてる奴らを出したことから、自然とkiLLa crewが生まれた感じです。

——2月にkiLLaにインタビューした時もAKIRAの話が出たので、どこか繋がってますね。

そうですね。AKIRAは好きだし、自分らとどこか被るような気がして。時代や起こっている出来事も被ってるじゃないですか? 2019年に向けて、何かしらのアナーキーなことが起こるんじゃないかなと。楽しみな反面、怖いですね。

——DARUMAさん(DJ DARUMA)に出会ったのはkiLLa crew結成の後ですか?

はい。俺が髪を切ってもらってた西山理髪店っていうところがあるんですけど、そこでDARUMAさんと出会いました。当時、俺はショートドレッドだったんですが、今でこそいますけど俺らの頃はほとんどいなくて。DARUMAさんも若い頃にやってたらしく、時代が回ってノスタルジックに感じてくれたのか声をかけてくれました。ラップとまでは言えないですけど、そのころからSoundCloudでトラックを引っ張ってきて音楽はやっていたんです。それも話したら「本気でやってみなよ」って言ってくれて、そこから「じゃあやります」って感じですね。

——そういう意味でも“WANGAN”は思い出深い曲ですか?

制作の中では初期に作った曲で、その時はいろんなStruggleを抱えていたんですけど、「これからひとりでやっていく」っていう感情を表現できたと思います。

kZm – WANGAN (Prod. brandUn DeShay)

——今回のアルバムは音の面ではChakiさんはもちろん、海外からはTeamSESHのhnrkや元Odd FutureのbrandUn Deshay、あと個人的にはjjjさんの参加は意外でした。

jjjくんはこれまで絡みが全く無かったんですが、彼の『HIKARI』っていうアルバムですごくクラって。いつか一緒にやりたいと思ってたので連絡してみたら、意外とすんなりOKをもらえました。トラックに関してはちょっと激しめにしてほしいぐらいは言ったんですけど、一発でOKでしたね。本当にナイスな人です。

——一方でフィーチャリングのラッパーで言えば、5lackさんとの共演は待望だったのかなと。

それこそ5lackさんは俺がここ(取材場所のSON OF THE CHEESE)でバーテンしてた頃に、毎日のように遊びに来ていて。ガチガチに緊張して自分からは話しかけられなかったんですけど、5lackさんの方から「kZmくんでしょ? ラップ、カッコいいね」って話しかけてくれて。そこから仲良くなって、今も5lackさんが東京に来たら必ず遊んでもらってます。日本で一番尊敬してるかもしれない。

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ラスカル

ラスカル

NaNo.works/編集者/メッセンジャー

編集プロダクション、メッセンジャー(自転車便)を経て、妻であり編集者の野中ミサキと「NaNo.works」を結成。紙&WEBメディアなどで企画・編集・執筆に携わる。

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