――ライブはオープニングのSEのあと、発売直前だったメジャー・デビューEPのリード曲“cloudy irony”からはじまるのが印象的でした。
コショージ MVは上がっていたんで、それを観て来てくれる人が多いんじゃないかなと思ったんです。これまでライブをやってきて、「どの曲が盛り上がるか」「お客さんがどの曲を待ってくれてるか」ということが私たちもだんだん分かってきているんですけど、あえて新しい曲を持って来て「いつもとは違うな」と感じてもらいたかったし。
Maison book girl / cloudy irony / MV
――Maison book girlは変拍子の楽曲が多いですし、振り付けも手の角度まで意識しなければいけないものが多いので、パフォーマンスをするのはきっと大変なんじゃないかと思います。ライブではどんなことを意識していますか?
和田 みんな最初は、ほぼ素人から始まったこともあって、何も考えないでいると手を伸ばす角度もそれぞれ違ってしまうんです。それをみんなで調整することは考えますね。
――特に井上さんと矢川さんは、歌もダンスも本当に初めてでした。
矢川 最初は曲も変拍子で、よく分からなくて……(笑)。でも今は、曲のかっこよさも分かるようになりました。
井上 最初に音源をもらったときは、一週間ぐらいずっと聴いていても歌詞が全然覚えられなくて、「ずっとこんな曲をやるんだ。大変だなぁ。」って思っていたんですけどね。
――でもその結果、アンコールでファンの人たちの手拍子が“bath room(intro)”の変拍子になったりと、このグループにしかない魅力も生まれてきていますね。
井上 ファンの人たちもどんどん鍛えられているんですよ。最初は「難しい」「ノリ方が分からない」って言っていた人も多かったんですけど、みんなMVを観て練習をしてきてくれたり、「何度もライブに来ているうちに覚えた」って言ってくれて。たぶん、ちょっと音ゲーみたいな感覚だと思うんです。
矢川 ファンの人たちに「(振り付けを)練習してくるね」ってよく言われます(笑)。
コショージ 「これ出来るようになったよ!」って言ってくれたりとかね。
――ああ、お客さんも一緒になってライブに参加してくれるような感じで。
コショージ ライブの盛り上がり方をお客さんも考えてくれるのかな、と思う瞬間は結構あります。私たちはすごく盛り上げるような曲をやるわけでもないですし、表情とかは自分たちでは盛り上がっているつもりでも、そんなに盛り上がっていないように見える部分があったりもするので……。
矢川 表情筋の問題(笑)。
コショージ でも、そこにもメンバーの個性が出ているなぁと思うんですよ。
――Maison book girlは決まったセンターがいるタイプのグループではなくて、4人全員で連動していくような振り付けも印象的ですが、これもすごく難しいんじゃないですか?
矢川 ひとりじゃできないですよね。レッスンのときにひとりずつ踊ってそれを他の3人が見たりもするんですけど、ひとりになった瞬間に立ち位置が全然分からなくなったりするんです。4人いるからこその振り付けで、ひとりじゃできないなぁあって思うんですよ。
和田 ひとりインフルエンザで倒れたりすると、フォーメーションのダンスを組み直すのも大変で。メンバー4人がいて成り立つものなんだな、ということはすごく感じます。