――他にもDJ KOMORIさんの『R＆B Hits』だったり、あるいは『Vinyl Hits』のような特色を絞ったシリーズも出していますが、この『THE HITS』シリーズにおける狙いは？
たとえば2012年の6月の最初の『Vol.1』だと、当時はEDM調のものが主流で。“R&Bを聴こうと思った人が安心して買える”というか、みんなにとって分かりやすい、ちょうど真ん中のところを聞いてもらえるように意識して舵取りした面はありますね。中にはシングル曲も入れつつ、陽の目を見なかった曲だったり、アルバムを聴いてた人じゃないと分からないような良い曲を入れていって。それで最終的には、（リスナーの興味が）アーティストに戻っていけばと。
――これまで全部iTunesチャートで1位を取ってきた人気シリーズですが、これを達成できたこのシリーズの強みとは何だと思います？
最初の『Vol.1』だったり『Vol.2』っていうのは、特に新しい曲が入っているというわけではなかったんですよ。このシリーズに共通して言えるのは、（新曲があるということではなく）単純に良い曲を選んでるってことだと思うんです。R&Bが“見つけにくい”時代だったし、みんなに受け入れられやすい曲をしっかり選んで提示した、というところでしょうか。あと、最初の頃は配信でミックスを売ってるっていうのも珍しかったのでうまくタイミングが重なったのかな、と。
――ズバリ、最新の『THE HITS 6』の聴きどころは？
やはりエクスクルーシブのGaby（ギャビー）ですね。「これ誰だろう？」って思えるものは出来たと思うので、これをきっかけに準備をして行きたいと思ってます。後はザック・ウォータースだったり、リル・エディだったり…エディも今までやってきたものとはちょっと路線が違うというか、もう一つ上のステップに行くために作ってきた、と言うところもあって。ポップスとR＆Bのちょうどいいところ、というか。ザックも含めて、R＆Bだけでなく、ポップスとしてリリースしているタイトルもあるので聞き方にもよるとは思いますが、R＆Bが好きな人たちも楽しめるように作りました。
――今回、デジタル配信でリリースされますが、このシリーズはCD化もされていますよね。ビヨンセの最新作しかり、リリース形態って今は過渡期というか難しい時期だと思うのですが、今後どうなっていくと思いますか？
Spotifyや、iTunes Radioのようなサービスがもっと出てくると個人的には思いますね。そういうサービスに向けた作品というのもどんどん出てくると思います。
――〈マンハッタン・レコーディングス〉でのリリース形態についてはどうお考えですか？
たとえば『Vinyl Hits』は、レコードとかCDを買わなくなった人に向けて、「懐かしいな」って思ってもらえるものをあえて作ろうとしたものなんです。マス向けに、というよりは、コアというか、決まった人たちに向けて作ったものなんですね。そういう風に、落としどころによっては配信だけでやったほうがいい場合もあるのかなと思ってます。そういう意味でも配信は、“届きやすい”コンセプトでちゃんと作っていくことが必要なのかな、と。逆にフィジカルは、AKLOくんとかSALUくんとか、ファンベースがしっかりしているものに対して残っていきそうな気がしますね。ライブを観てると、“ファン”がCDを買っている様子を見てたりして、アーティストのアルバムはやっぱり『モノ』として欲しい方も多く居ますし、コンピレーションは欲しいものがすぐに見つかるコンセプトと形態の工夫が必要なのかなと感じました。
――先ほど、EDMブームとR&Bについて少しお話しいただきましたが、2013年のR＆Bってどうでしたか？ EDM寄りなものは落ち着いてきた印象ですが。
春くらいに（クリス・ブラウンの）“Fine China”があって、その後だとロビン・シック（の“Blurred Lines”）だったりと、ソウル回帰のようなものもあったし、アリアナ・グランデみたいな90年代調のものもありましたね。ダンス・ミュージックじゃなくても勝負できるというか、リアーナの“Diamonds”も言ってみればバラードですし、踊らない曲でも1位になったり。ジャスティン（・ティンバーレイク）とかも。そういう流れは来ているのかなと思いますね。
――今年もその流れで進むでしょうか？
どうでしょう（笑）。でもR＆BはR＆Bで、変にセルアウトしたものではなくても残っていくんじゃないでしょうか。全米チャートとか見ていても、流れが変わってきたと思うんですよ。正直言ってロビン・シックもそこまでヒットするとは思わなくて。日本だと難しいのは分かるんですけど、ソウル的なものがそんなになかったから目立ったかもしれないですね。ああいう流れが来てるかな、と。そんなに先行き暗くないと思います（笑）。R＆Bにおいては、“EDM系じゃないと厳しい”っていうのは去年（2012年）くらいまででしょうね。
interview＆text by Suezaki Hiroyuki
photo by 横山マサト
Release Information
Track List：収録予定曲（変更になる場合があります。）
01. Zak Waters – Skinny Dipping In The Deep End
02. Lil Eddie − Say Say（Take A Chance）
03. Ahmir − One Thing
04. Mya − Alive
05. Kat DeLuna – Unstoppable（Feat. Lil Wayne）
06. Kristinia DeBarge – Now That You’re Gone
07. Reynard Silva – She Said Yes
08. Lil Eddie − Change The World
09. Ginger Rose – Georgy Porgy（TOTO）
10. Ahmir – Say You’re Just A Friend
11. Mya – Paradise（Ryan Leslie Remix）
12. August – Kill Me
13. Latif – One Kiss
14. Gaby Borromeo – Push You Away
15. Tim Benson – Reconsider
16. Taj Jackson – She Got Me
17. Latif – Pump The Breaks
18. Taj Jackson – She Said
19. Unique – Goddess
20. Young Marquis – Unfinished Business
過去作も一挙 大・大・大・セール開始！！（iTunes限定）
| Artist：V.A. Title：Manhattan Records Presents“THE HITS”（Mixed By DJ TAKU）（マンハッタン・レコーズ・プレゼンツ“ザ・ヒッツ”（ミクスト バイDJ TAKU） Manhattan Records／Manhattan Recordings フォーマット：Digital Album ￥900（tax incl.） |
| Artist：V.A. Title：Manhattan Records Presents“THE HITS 2”（Mixed By DJ TAKU）（マンハッタン・レコーズ・プレゼンツ“ザ・ヒッツ・2”（ミクスト バイDJ TAKU） Manhattan Records／Manhattan Recordings フォーマット：Digital Album ￥900（tax incl.） |
| Artist：V.A. Title：Manhattan Records Presents“THE HITS 3”（Mixed By DJ TAKU）（マンハッタン・レコーズ・プレゼンツ“ザ・ヒッツ・3”（ミクスト バイDJ TAKU） Manhattan Records／Manhattan Recordings フォーマット：Digital Album ￥900（tax incl.） |
| Artist：V.A. Title：Manhattan Records Presents“THE HITS 4”（Mixed By DJ TAKU）（マンハッタン・レコーズ・プレゼンツ“ザ・ヒッツ・4”（ミクスト バイDJ TAKU） Manhattan Records／Manhattan Recordings フォーマット：Digital Album ￥900（tax incl.） |
| Artist：V.A. Title：Manhattan Records Presents“THE HITS 5”（Mixed By DJ TAKU）（マンハッタン・レコーズ・プレゼンツ“ザ・ヒッツ・5”（ミクスト バイDJ TAKU） Manhattan Records／Manhattan Recordings フォーマット：Digital Album ￥900（tax incl.） |
