世界有数のクラブ・ミュージック大国オランダが誇る名DJ・プロデューサーが、ついに日本デビュー! メジャー・レイザー(MAJOR LAZER)のヒット曲“Watch Out For This”に参加したことでも知られるDJ・プロデューサーのFSグリーン(FS GREEN)による別名義プロジェクト、マイダス・ハッチ(Midas Hutch)の過去作品をまとめた日本独自アルバム『The Feels & The High(Deluxe Edition)』が11月16日(金)に発売される。
マイダス・ハッチは、ラップ・ミュージックやハウスをメインにしたFSグリーンとは異なり、彼が愛してやまない80年代のディスコや90年代R&Bへのオマージュが詰まった新プロジェクト。Yellow Claw & DJ Mustardの公式リミックスや音楽メディアEARMILKとのコラボ企画で発表されたリミックスが世界中のDJたちにこぞってプレイされるなど、「モダン・ディスコ・サウンドの大本命」とも称されている。
また、彼は大の親日家でもあり、今夏には若き日本人シンガーRIRIとコラボした“That’s My Baby – Midas Hutch Remix”を発表したことでも話題に。9月に来日を果たしたマイダス・ハッチに、お気に入りの場所だという原宿で話を聞いた。
Interview:Midas Hutch
——今回の来日は今年3月にFSグリーンとして来て以来、マイダス・ハッチ名義では初めてですね。日本にはよく来ているんですか?
日本にはよく来ていて、今回が5回目の訪問になるね。最初と2回目は休暇だったんだけど、3回目からはDJのために来てる。前回はファッション・ウィークのイベントで、渋谷VISIONでDJしたんだ。今年は一年の間に3回、日本にやって来たことになるね。
——今回は随分長い間日本に滞在するそうですが。
一ヶ月近くにいる予定だよ。前までは東京と京都くらいしか行ってなかったんだけど、これから大阪、福岡、鹿児島と日本の色んな場所に行く予定なんだ。
——日本がお好きなんですね! 日本との関わりというと、今年8月にはRIRIにシングル“That’s My Baby”のリミックスを提供していました。あのコラボレーションはどういう経緯で進んだのでしょうか?
昨年東京にいる時に、僕がRIRIの音楽を聴いたんだ。とても気に入ったのでこちらから彼女のレーベルに連絡を取ったら、3月の来日の時に彼女と会うことができた。その時に、マネージャーからリミックスの話をもらったんだ。
——あなたの方からアプローチだったんですね。RIRIのどこを気に入りましたか?
まず最初に彼女はとても良いシンガーだ。若くて、才能に満ち溢れている。実際に会ってみて、人柄もとてもクールだった。それに、彼女の音楽はビートのプロダクションも素晴らしいね。
——あなたがSpotifyで公開しているプレイリスト『Car Music』には、その“That’s My Baby – Midas Hutch Remix”の他に、AKLO×JAY’EDの“Different Man”が選曲されています。日本の音楽はよく聞いているのですか?
日本の音楽もチェックしているよ。“Different Man”のサウンドプロデュースを手掛けているのはBACHLOGICで、俺は前から彼の大ファンなんだ。ラップ・ミュージックを聴き始めたのは最近だけど、若い頃から日本の音楽はよく聴いていた。SOIL & “PIMP” SESSIONS、YMO、坂本龍一とか。日本の音楽は欧米とは違ったコードを使っていたりして、俺にはとても面白い響きに聴こえるんだ。
——マイダス・ハッチとしての活動以前からFSグリーン名義で活動してきましたが、FSグリーンとマイダス・ハッチの違いはどこにありますか?
FSグリーンでは、オランダのラップ・ミュージックやハウス・ミュージックをメインにプレイしているんだけど、実際に家や車で聴いているのはもっと昔の音楽で。特に、80年代のディスコやR&Bが大好きだった。だから、もっと自分の好きなものに忠実なプロジェクトを始めようと思って、マイダス・ハッチ名義を名乗り始めた。
——マイダス・ハッチという名前は、ミッドナイト・スターの名曲“Midas Touch”にちなんで付けられたそうですね。
そうだよ。その曲は、僕が好きになった最初のディスコ・ソングだった。まだDJを始めたばかりの若い頃、母の友人から膨大な数のレコード・コレクションを譲ってもらったんだ。その中には良いものもあれば良くないものもあったんだけど、一枚一枚チェックしてたら良い方にミッドナイト・スターの“Midas Touch”が入ってたんだよ。
——昔のディスコに惹かれたのは何故だと思いますか?
ディスコ・ミュージックは、クラブでかけるために作られた最初期の音楽の一つだと思うんだ。クラブに人々が集まって、ダンスして笑い合って、良い体験を共有する、そのための音楽。それと同時に、ディスコ・ミュージックはクラブで聴いて良さを感じられるだけじゃなく、家や車の中でも気持ちよく聴くことができる。
——マイダス・ハッチのディスコ・ミュージックには、トロピカルでカラフルなイメージがあります。あなたのご両親は南米のスリナムにルーツがあり、DJでもよくラテン音楽を使っていますが、ラテン音楽からの影響もありますか?
若い頃から、母がよくラテン音楽やキューバ音楽を聴いていたんだ。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブとかね。家ではよくラジオを聴いていて、母はサルサのダンスをやってた。それに父がレゲエ・バンドのベーシストだったから、その影響はあるかもしれない。
——マイダス・ハッチとして初めてリリースしたのが、2016年発表のEP『The High』でした。当時はどのような音楽を作ろうとしていたのですか?
あの頃はまだ色んな音楽を試している段階で、一曲のシングルを作ろうと試行錯誤している内にEPにまとまったんだ。それから2年の間に、プロジェクトとしての方向性が定まってきて、まとまったアプローチで作ったものが今回の2nd EP『The Feels』になった。
——EP収録曲では、多くの若手シンガーがゲストに起用されています。ニューヨークのMAAD、イギリスのブルーイー・ロビンソン(Bluey Robinson)、カナダのエヴァ、オーストラリアのマリベル、ロンドンのカリーム・テイラー等々、それぞれに国籍の違うアーティストが参加していますが、シンガーはどのように選んだのですか?
ブルーイ・ロビンソンとMAADは実際に友達なんだけど、それ以外のシンガーはみんなインターネットを通じて発見した人達で、実際には会ったことがないんだ。マリベルは1st、2ndの両方に参加してもらったけど、まだ会ったことがない。彼女とは2年前にリミックスの仕事で初めて共同作業をして、歌声も素晴らしいし仕事しやすかったから、自分の楽曲でも歌ってもらうことにしたんだよ。
——『The High』収録曲のリミックスをまとめた『The High (Remixes)』には、Jengi BeatsやWantiggaといった地元オランダの若手DJ・プロデューサーが起用されています。
彼らはみんな俺のお気に入りプロデューサーで、マイダス・ハッチの音楽をもっとクラブに合うようにしてくれた。今オランダには、若くて才能があって、リミックスやプロデュースで活躍し始めているDJ・プロデューサーがたくさんいるんだ。
——リミックス依頼を通して、若い才能をフックアップしたいという考えもありますか?
そうだね。彼らは俺の音楽に新しいサウンドを入れて、違った形で楽しませてくれる。それに、マイダス・ハッチだってオリジナルを作る前の仕事はリミックス・ワークだったから。若いプロデューサーにリミックスを依頼して次に繋げていくのは、自然の流れだと思う。
——この度、日本では『The High』と『The High (Remixes)』、『The Feels』をまとめたCD『The Feels & The High(Deluxe Edition)』が発売されます。このCDを聴く日本のリスナーに向けて、最後にメッセージをお願いします。
最新EPの『The Feels』は夏のフィーリングが詰まったEPなんだけど、実際に制作したのは昨年の冬なんだ。このCDが発売されるのも夏じゃなくて冬の時期になるから、寒い時期に夏のフィーリングを改めて感じてもらえるんじゃないかと思う。マイダス・ハッチの音楽で良い気分になって欲しいね。
Midas Hutch “Ready Or Not” Ft. Bluey Robinson & UNO Stereo
RELEASE INFORMATION
The Feels & The High (Deluxe Edition)
2018.11.16(金)
Midas Hutch
ジャンル:Electronic / R&B
プライス:¥2,000 + 税
トラックリスト
1. I’ll Go There (feat. MAAD)
2. Ready Or Not (feat. Bluey Robinson & UNO Stereo)
3. The Feels (feat. Socialchair & EVA)
4. I Feel For U
5. 80/20 (feat. Kaleem Taylor & Tony Tritone)
6. Out of Business (feat. Maribelle)
7. The High (feat. Bluey Robinson)
8. I’m Not The One (feat. Marilbelle)
9. Get Mine (feat. Shakka)
10. Another Man’s House (feat. Mar)
11. Nite Ryder *ボーナス・トラック
12. The High (feat. Bluey Robinson) [Jengi Beats Remix]
13. I’m Not The One (feat. Marilbelle) [Evil Needle Remix]
14. Get Mine (feat. Shakka) [Wantigga Remix]
15. Another Man’s House (feat. Mar) [Durkin Remix]
デジタル
https://lnk.to/feelsandhigh_deluxe
CD
http://manhattanrecords.jp/THE+FEELS+&+THE+HIGH+(DELUXE+EDITION)/product/0/4560230527877/?cat=&swrd=
The Feels – EP
12”アナログ
2018.11.16(金)
フォーマット:EP(12インチ アナログ・レコード)*限定プレス
プライス:¥ 2,200 + 税
トラックリスト
Side-A
1. I’ll Go There (feat. MAAD)
2. Ready Or Not (feat. Bluey Robinson & UNO Stereo)
3. The Feels (feat. Socialchair & EVA)
4. I Feel For U
Side-B
1. 80/20 (feat. Kaleem Taylor & Tony Tritone)
2. Out of Business (feat. Maribelle)
3. Nite Ryder *ボーナス・トラック
購入はこちらから
http://manhattanrecords.jp/THE+FEELS+EP/product/0/4560230527990/?cat=&swrd=MH1116