Q3. 9月にリリースした『PASTEL』、そして同作のリミックスアルバムである『PASTEL Remixes Vol.1』ですが、これまでのNamyさんのイメージを一新するようなサウンドの作品だと思いました。ダンスフロアを意識したパワフルなビートを基調に、ダンスミュージック色が色濃く表れていますが、ご自身ではどのような作品になったと感じていますか?
『PASTEL』は、世界で通用する音を作る海外在住の日本人アーティストと、そこに集まる音楽人、そして海外でトラックメイクを学んできた浅田くんと進めたSoulful Houseプロジェクトでした。10年以上前に買ったレコード、フロアで大合唱していた曲を歌っているアーティストと共作できたのは素晴らしい体験でしたし、フランキー・ナックルズとエリック・カッパーによるディレクターズカットに曲をリミックスしてもらえたのは、忘れられない出来事ですね。
この4年間で20アーティスト近いプロデューサーたちにリミックスしてもらったのですが、『PASTEL Remixes Vol.1』に関しては、ATFC、SPENや、アレックス・ケンジやステファノ・フェリーニなどTech寄りのプロデューサーが手掛けたトラックを中心に集めています。ですので、どちらかというとフロアライクな構成になっているんです。
Namy『PASTEL Remixes Vol.1』ジャケ写
Q4.サウンドの変化の背景には、海外での制作活動による影響が少なからずあるかと思うのですが、どのような面で影響を受けたか教えてください。
海外での制作においては、monologによるディレクションで。楽器レコーディングを行いました。シンガーのレコーディングも海外で行われたのですが、私自身はマイアミやアムステルダム等のカンファレンスに行っただけです。浅田くんにも同行してもらったのですが、そこに集まった人達とのコミュニケーションや空気感は、その後の制作にも影響をもたらすものだったと思います。
Q5. 制作やレコーディングに関するエピソードがあれば教えてください。
初めにレコーディングをお願いしたのは、ジョシュ・ミラン(ブレイズ)の“From Now On”でした。作詞もお願いしていたんですけど、レコーディングされて送られてきた歌データを聴くと、こちらで考えていた歌メロと違うものが入っていて。曲の流れをくんだ上でこういった詞をのせてくるのか、と驚いたのを覚えています。依頼したシンガーは殆どシンガーソングライターでもあるので作曲もしちゃうわけなんですね。(歌ってもらうだけではなく)本当の意味でコラボだなぁと思いました。彼らに会いにマイアミの「WMC」へ行ったのですが、皆めちゃめちゃフレンドリーで驚きました(笑)。会った瞬間に「ネイミー!」って言ってハグしてきてくれて。あ、海外だと“ネイミー”で浸透しているようです(笑)。バーバラ・タッカーとはフロアで一緒にダンスして楽しかったです!
Q6. 二作の中で錚々たるメンツとのコラボレーションを行っていますが、どうやって実現したものなのでしょうか? Namyさん自らがオファーしたのですか? こちらも実現に至った経緯を教えてください。
〈King Street Sounds〉の石岡さんがオファーに立ち会ってくれたおかげです! 契約となるとすぐに話が決まるわけでないので(成立までに)時間はかかりましたが、最初から「このアーティストに歌ってもらいたい!」と強い思いのもとでデモを作るようにしていました。
Namy feat. Josh Milan -“From Now On”(Original Mix)