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[Namy]インタビュー:デビュー以来、多岐に及ぶ活動を行ってきたNamyだが、ダンスミュージックに様々な角度からアプローチを試み、自身のキャリアをワールドワイドなものに前進させた現在の彼に10の質問をぶつけ、その素顔に迫ってみた。

音とダンスミュージックの融合を追求するアーティストやDJは多いが、Namyは良い意味でその可能性を多いに模索し、変容し続けているアーティストだと言えるだろう。サウンドプロデューサー/選音家、高波由多加(a.k.a.Namy)によるソロ・プロジェクト“Namy”。特定のメンバーを持たず自由な形態で活動を続ける同プロジェクトは、これまでに様々なアーティストとコラボレーションを行い、国内外にて多様な作品群をリリースし続けている。

Namyの音楽的原点はクラブにあると言う。オーガナイザーとしてクラブイベントに携わり、多くのミュージシャンと交流するうちに、独自の音楽性を育み発信してきたのだ。そんな彼が海外での制作活動に注力するようになったのは2011年のこと。以降、NYの老舗ハウスレーベル〈King Street Sounds〉より作品を続々とリリースし、米ビルボードのチャートにも登場するようになっていった。

昨年9月に発表されたアルバム『PASTEL』は、そんな彼が海外でリリースした楽曲を集めた作品集だ。90年代のNYハウスシーンを支えたディーヴァ=バーバラ・タッカーをはじめ、ベテランのハウスユニット「ブレイズ」のヴォーカル=ジョシュ・ミラン、キャシー・ブラウン、ステファニー・クック、マーク・エヴァンス、ジョイ・カードウェルいったハウスミュージック界のレジェンド達との共演や、惜しくも昨年他界したシカゴハウス界のゴッドファーザー=フランキー・ナックルズがリミックスに携わっていることを見れば、Namyの音楽家としての非凡さが国境を超えて認められていることが窺えるだろう。と、同時に彼がそれまで国内でリリースしてきたプロダクションとは明らかに一線を画すものであったことも事実だ。いわゆるクラブジャズと呼ばれるジャンルのアーティスト達との共作を重ね、独自の視点によるハウスミュージックの手法を加えきたNamyだったが、上述の作品を聴くと彼がプロジェクトのフェーズを次の段階に移し、照準とその路線を海外に合せていることが理解できるし、何よりも彼のダンスミュージックへの愛情が詰め込まれたものであることが分かるだろう。80年代後半〜90年代のハウスミュージックラバーを高揚させ、ダンスフロアでひたすらオーディエンスを踊らせるソウルフルなアンセムが詰め込まれた意欲作だ。

Namy -『PASTEL』(Album Preview)

そして1月14日(水)にリリースされたのが、同作のリミックスアルバム『PASTEL Remixes Vol.1』である。今作において興味深いのは、ヨーロッパのテックハウス寄りのアーティストが多く起用されている点だ。ATFCやDJ SPEN、テリー・ハンターといったベテランから新進気鋭のアーティストまで様々なアーティストな名を連ねているのだが、アレックス・ケンジやルイジ・ロッカ、ステファノ・フェリーニといったイタリア出身のトップDJが参戦しているのも意外で興味深いところ。もちろん一辺倒ではなく、オリジナルの旨味を十分に残した上で、なおかつバラエティに富んだものに仕上がっているのだが、テクノ指向のオーディエンスをも踊らせる、よりハードで中毒的なダンスチューンが詰まったNamyの新境地とも呼べる作品となっている。

デビュー以来、多岐に及ぶ活動を行ってきたNamyだが、ダンスミュージックに様々な角度からアプローチを試み、自身のキャリアをワールドワイドなものに前進させた現在の彼に10の質問をぶつけ、その素顔に迫ってみた。

Namyを紐解く10の質問

Q1. “Namy”とはどのようなプロジェクトなのでしょうか? コンセプトと全貌を教えてください。

2000年初旬位から都内のクラブシーンで、選音家やイベントオーガナイザーとして活動していたんです。山や海などの自然がある場所で生演奏によるグッドミュージックを楽しむ、といったコンセプトの<ボスカ(BOSCA)>というイベントを2003年から6年間位主催したのですが、ここで多くのミュージシャンたちとの出会いがありました。そして、イベントの楽しさだけではなく音楽の楽しさを伝えていきたいという思いのもと、Namyというプロジェクトをスタートする運びになったんです。度々イベントを重ねてきましたが、CDというパッケージにすればより多くの人に音楽を聴いてもらえると思い、その後はしばらく、既存の流通を通さない形でCDのイベント会場限定販売を行ってきました。自分が現場で培ってきた感覚と、ミュージシャンやトラックメイカーによる音が融合してできる音楽、それがNamyらしさだと思っています。

Q2. 海外での制作活動に注力し、海外で作品をリリースするようになったきっかけや経緯を教えて頂けますか? 〈King Street Sounds〉との出会いにも触れて頂けると幸いです。

国内でのリリースを続けながら色々な葛藤があった中で、純粋に音にこだわった形で海外へのアプローチをできないかと考えるようになった時期がありました。そんなタイミングで紹介して頂いたのが、〈King Street Sounds〉のレーベルオーナーである石岡ヒサさんです。トラックメイカーの浅田くんと作ったデモを石岡さんに送り、気に入ってもらえたのをきっかけに海外進出を考えるようになりました。ちょうどその頃、アフリカやヨーロッパといった色々な国の方から連絡をもらう機会も増え、ワールドワイドに自分の音楽を聴いてもらうことで自らの世界が広がっていくような実感がありましたね。そんな中で、石岡さんにはコーディネートに入って頂きながら、個人的にも投資をして勝負してみよう、昔憧れだったシンガーたちと共作して(海外で)リリースしてみようという決心ができたんです。その後は浅田くんと一緒にデモを作って送り、続々とリリースが決まっていきました。とはいえ、制作からリリースまでになんだかんだで1曲1年半位はかかっていましたけど。 また、ボストン在住のマルチアーティスト・ Kanesaka(monolog)くんの存在も欠かせませんでした。彼はどんな楽器も演奏できちゃう凄腕なんですが、とにかくグルーヴが半端ない。彼の音が注入されると曲が活き活きしてくるんです。相乗して浅田くんの音もどんどん質感がいい感じになってきて、これは世界で勝負ができると思ったのを覚えています。その後は、好きなリミキサーにオファーしてみてOKならそのまま進めるといった流れで展開しました。余裕があったわけでないですが、とりあえずお金のことは後で考えるようにしていました。

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Qetic編集部

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