基本的に夜中までは作業をせず、
昼前に集まって日が暮れる頃には解散
–––そうして様々な経験を積んだ後、今回最新作『Kaleidoscopic Anima』がリリースされることになりました。前作から2年振りの新作が完成しましたが、その間に積んだ経験の中で大きいものはありますか?
今回ミックスは基本的に僕が行なったのですが、今までレコーディングとミックスの作業をあまりしてこなかったので、単純にとてもいい経験になりました。それはアレンジにも影響があったと感じてます。
『Kaleidoscopic Anima』
–––では、『Kaleidoscopic Anima』の制作はいつ頃から始まったのでしょう? 当初はメンバーの間でどんなアルバムにしたいと話していましたか。
(制作は)去年の2〜3月くらいには始まりました。最初は「アルバムを作ろう」ということではなく、「ゆっくりデモを作ろう」というところから始まったと記憶してます。夏前にはアルバムを作る意識は徐々に出てきていたので、その頃には「ライトなものが作りたい」ということをみんなで話し合いました。
–––今回はスタジオではなくYutaさんの自宅で録音/ミックスした結果、親密でフォーキーな感覚が生まれていますね。
僕たちの好きな、いわゆるワールドミュージックも含めた大衆音楽のように、昼間にジャムったりゆったりすることへの憧れがあり、メンバーで何でもないような話をしつつ、お茶やコーヒーを飲みながら作業を進めました。基本的に夜中までは作業をせず、昼前に集まって日が暮れる頃には解散というルールで動きましたね。 結果として、僕らのリラックスした雰囲気をレコードに閉じ込められたと思います。個人的にマイケル・コリア(アメリカの万華鏡作家。09年に父デヴィッド・コリアの工房を継いで、デザイン性の高い高品質の万華鏡を制作)の万華鏡を手に入れたので、みんなに見せたりして遊んでいました。
–––完成に向けてのターニング・ポイントになった出来事はありましたか?
先程の答えと似てしまいますが、僕があらかじめデモを作っていたので、ギターを録音したり、アレンジを再考したりする過程からミックスへの段階で「自分たちじゃないないと仕上げられないな」という考えが深まり、さらに全体を突き詰めてアルバムが完成しました。