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英国はレスター出身のポストロック〜ドリームポップ・バンド、カイト(KYTE)のフロントマンであるニック・ムーン(Nick Moon)へインタビュー。カイトとは違ったアプローチのソロアルバム『CIRCUS LOVE』と日本に対する思いを語ってくれた。

英国はレスター出身のポストロック〜ドリームポップ・バンド、カイト(KYTE)のフロントマンであるニック・ムーン(Nick Moonが、今年に入って本格的にソロ・プロジェクトを始動する。

カイトとしては、2012年に通算4枚目のアルバム『Love To Be Lost』をリリースして以来、ほとんど沈黙を守っていた彼だが、ソロ名義で初のアルバムとなる『CIRCUS LOVE』では、カイトの持っていたメランコリックなソングライティングを引き継ぎつつも、エレクトロ〜ダンス・ミュージックへと大きくシフト。ほのかに和の雰囲気を醸し出しつつも、ポップでカラフルなサウンドスケープを展開している。

Nick Moon 『End/Gone』Music Video

実は、今年から日本に移住することを決心したというニック。6月からの全国ツアーに先駆け行われた2日間のプレライブ・ショーでは、覚えたての日本語を披露しファンを沸かせていた。

カイトとまた違ったアプローチで音楽に向かうニック。その心境や新作へのこだわり、日本に対する思いなどについて、たっぷりと語ってもらった。

【インタビュー】ニック・ムーン(KYTE)が語る、ソロアルバム『CIRCUS LOVE』や日本に対する思い interview_nickmoon_2-1200x800

Interview:ニック・ムーン

——今回、ソロライブを初めて観たのですが、ビートメイカーやパッドサンプラー、ミキサーなどを巧みに操る姿に驚きました。カイトでもシンセは操っていましたが、複数の機材を同時に操作しながらの演奏を、いつの間にどうやってマスターしたのでしょうか。

今も勉強中で、マスターはしてないんだけど(笑)。ここ数年、エレクトロ系の機材を揃え始めていて、特にエイブルトン社のLiveというDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトを導入してからは、それをベースに構築してる。やっぱり、ライブでリアルタイムに操作するのにLiveは向いていると思うんだ。感覚的に操作できるからね。それと、ライブのパフォーマンスとして、観ていて面白いものにしたい。僕が機材を操る様子を観て、オーディエンスが楽しんでくれるようなステージングを目指しているんだ。

——ミキサーのクロスフェードを切り替えるところとか、DJ並みのスピードとリズム感でした。おそらくそういう操作って、鍵盤に向かうのとは全く発想が違うと思うのですが、それが曲作りにも影響を与えていますか?

例えばミキサーのツマミを、様々なエフェクトにアサインできるから、曲ごとに色んなセッティングが可能になってくるんだよね。ツマミをどう動かすかで、いくらでも楽曲をクレイジーには出来るんだ(笑)。でも、結構複雑なことをやっているようで、仕組みそのものは理路騒然としているから実はとても楽なんだよ。うまく説明しづらいのだけど。とはいえ、機械だから何かしらのエラーやミスが起こりうる確率は結構高いので、この手のパフォーマンスは楽器よりもリスクは大きい。

——その予測不能なところをどれだけ楽しめるか、それも含めての「ライブ」なんでしょうね。

うん、僕もそう思う。プレライブもとても楽しかったよ。ふた晩やって、1日目は全て予定通り順調に進んだ。2日目はちょっと技術的な問題があったのだけど、でもああいう暖かい雰囲気の中で「見直すべき箇所」を確認できたし、自分にとってはいい経験になった(笑)。

——オーディエンスの反応はいかがでした?

すごく良かった。しばらくステージに立っていなかったから、ライブそのものがどんな感じになるのか全く予想もつかなかったのだけど、とても親密な雰囲気だったし終演後に様々な感想をもらえた。ライブ中のことで印象に残っているのは、みんなが体を動かしながら聴いてくれたことかな。カイトの時は、割とゆったり目の曲が多かったから、みんな立ち尽くしたような感じで聴き入っていてくれたじゃない?(笑) その違いはとても面白かったよ。

——カイトのメンバーとして複数人で演奏するのと、たった一人でステージに立つのとはどんな風に違いましたか?

とても不思議な気分だった。バンドの時は、僕だけじゃなくて他のメンバーのこともオーディエンスは観ているけど、ソロだと僕しか観てないわけだから(笑)、かなりナーバスな気持ちになったよ。あと、今回みたいに何かトラブルがあった時、バンドだとメンバー同士で励まし合うことができるけど、一人だと孤独になってしまうこともあるからね。ただ、それも含めてチャレンジングだとは思ってる。

——孤独なぶん、ソロは圧倒的に自由ですからね。今のニックには、目指すべき指標というか、ロールモデルのような存在っていますか?

そんなこと、今まで聞かれたことなかったな。うーん、すんなり出てくるかと思ったら、なかなか出てこない。(日本語で)ムズカシイデス!

——(笑)。子供の頃は、目標にしている人っていました?

子供の頃は、例えばレディオヘッドやシガー・ロスなど、好きなミュージシャンを目標としていた。何かを生み出す人に憧れるんだ。人間は誰しも、自分が生きていた証のようなものを残したいと願うものだよね。この先レディオヘッドやシガー・ロスが解散して、この世からいなくなったとしても、作品は残り続けるだろうし、それが遺産になると思う。さておき、大人になった今は特に目指すべきロールモデルっていないのかも知れない。

——「トム・ヨークが目標です」とは……。

今となっては言い難いね。子供の頃から目標にしていた人たちって、長い間自分の中に住み着いていたから、ある意味では「家族」みたいな気持ちになっちゃうのかも。「公的な有名人」ではなく、「昔馴染みの親戚」というか。でもさ、母親や父親は、ドライブに連れて行ってくれたり時折お小遣いもくれたりしたけど、トム・ヨークにそんなことされた記憶はないからな(笑)。

【インタビュー】ニック・ムーン(KYTE)が語る、ソロアルバム『CIRCUS LOVE』や日本に対する思い interview_nickmoon_5-1200x800

—(笑)初日はASIAN KUNG-FU GENERATION(以下、アジカン)の喜多建介さん、山田貴洋さん、2日目はストレイテナーのホリエアツシさんとのミニ・トークショーも開催されました。

楽しかった。アジカンの2人もストレイテナーのアツシも10年来の友人で、その雰囲気のままトークが出来たのはとてもよかった。イギリスではライブの後にトークをするってことはあまりないんだけど、長年の友達と音楽について取り止めもなく話せたのは、とてもいい時間だったよ。

——では、初ソロ作についてもお聞きします。最初はピアノの弾き語りからスタートして、徐々にエレクトロなサウンドへとシフトしていったそうですね。

そう。だから、どの楽曲も「メロディ」が軸にあり、エレクトロでクレイジーなサウンドを後から加えていった感じ。

—アルバムを作っていた時期によく聴いていたアーティストは? オフィシャル・インタビューではモデラットやフライング・ロータスの名前を挙げていましたが、他にもいますか?

カリブーとか。今ダン・スナイスは別のバンドで活動しているみたいなんだけど、ソロ名義でも活動していて、それはよく観に行っていたよ。あと、シガー・ロスやレディオヘッド、デス・キャブ・フォー・キューティー辺りは、相変わらず聴いてる。新しいものもどんどん聴こうと思っているのだけど、今挙げたアーティストへの愛が余りにも強すぎて(笑)。どうしてもそっちばっかり聴いてしまうんだ。

——そもそも、エレクトロミュージックに興味を持つようになったのは?

最近、地元の友人と「ダンスナイト」とか、それ系のフェスに行くことが多くなってきたからかな。20代の頃はそれこそ<レディング・フェスティバル>のような、どちらかというとロック系のフェスに行くことが多かったのだけど、最近は照明やセットまで含めて面白いステージを観に行くことが多いな。例えばバルセロナの<ソナー・フェスティバル>や、ロンドン野外音楽フェス<フィールド・デイ>とかね。

——ニックのソロも、今後はサウンド面だけじゃなくてヴィジュアル面でのアプローチも積極的にして行くつもり?

ああ、きっと面白いだろうね。ただ、さっきも言ったように、僕の楽曲の骨子はあくまでも「ピアノとうた」。そこに様々なエレクトロサウンドが「色合い」としてレイヤーされていくんだ。照明や映像なども、楽曲に合わせてコントロールしたら楽しいだろうね。あるいは逆に、照明など舞台演出に合わせて楽曲をリアルタイムで変化させる、という方法もあるかも知れない。

——それは興味深いです。楽曲の骨子はあくまでも「ピアノとうた」ということでいえば、今回プリライブで最初にやった楽曲(アルバムの3曲目“SPACE 666”)のアレンジがとても良かったです。オリジナルと違ってピアノと歌だけで、曲の良さがより引き立つものでした。

それは嬉しいな。実は、ライブでも普通にエレクトロなアレンジでやるつもりだったんだけど、リハーサルしているときに、自分が曲作りをしていた時の気持ちが湧き上がってきたんだよね。そして思った。「うん、このアレンジもなかなかいいな」って。ライブの流れとしても、1曲目からエレクトロサウンドでいくより、ピアノから始まって徐々にニック・ムーンの世界観へと導いて行く方が、効果的なんじゃないかって思った。ピースフルな雰囲気も醸し出せたと思うよ。

——アルバムに収録された他の曲も、実はピアノと歌だけにすると非常にシンプルなコード進行で、ベースの動きがちょっと変わっていたり、抑揚のあるメロディがソウルフルだったりするところが魅力なのかなと思いました。

うん、君のいうようにコードやメロディは、とてもシンプルなんだ。ピアノで曲を作っているとそうなることが多いのかも。それに、複雑な楽曲にすることが「目標」になってしまう曲は良くないなと思っている。ソウルミュージックからの影響も、確かにあるかも知れない。本当に色んなジャンルの音楽を聴いているし、無意識のうちにそれが影響元になっていたりするからね。よく、パッと思いついたメロディがどこかで聴いたことがあるような気がして、「大丈夫かな……?」って心配になっちゃうこともあるよ(笑)。

——歌詞は、ある程度メロディが出来上がってから考えているのですか?

そういう曲もあるけど、メロディとは全く別で書き溜めていた歌詞があるんだ。「よし、このメロディのために歌詞を書くぞ」と思うと、なかなかうまくハマらないというか。何を言いたいのか、ある程度テーマが自分の中で固まらないまま、パパッと歌詞を書いてしまうと大抵良くない。そういう曲を、後々何度も演奏することになるのが嫌なんだよね。だって、なんの意味もない曲を毎晩歌うのは辛すぎるでしょ?(笑)だから、自分にとって意味のある歌詞を書くのも大切なことなんだ。

——結構、文学からの影響も大きいのですか?

昔は今よりももっと本を読んでいたよ。大学でもイギリス文学を専攻していたんだ、中退しちゃったけど。本はたくさん読まなきゃダメだって色んな人から言われる。もっと読まなきゃね。

【インタビュー】ニック・ムーン(KYTE)が語る、ソロアルバム『CIRCUS LOVE』や日本に対する思い interview_nickmoon_6-1200x800

——それにしても、日本語がとても上手で驚きました。そもそも、どんなキッカケでマスターしようと思ったのですか?

(日本語で)ナンデ、ベンキョウシタカッテ?(笑)個人的に掲げている目標の中に、「誰とてもベーシックな会話ができるようになりたい」というのがあってね。カイトのメンバーとして、日本に初めて行くことになった時、「日本語が話せたら最高だろうな」と思ってオーディオブックを手に入れた。最初はステージで使える言葉をマスターするのが目標だったのだけど、今は結構上達して「犬」と同じくらいは意思の疎通ができるようになったよ(笑)。犬っていうのは、人間の言葉を3ワードくらい知っていて、それが出てくるのをずっと待っているんだよね。

——「オヤツ」とか「サンポ」とかね(笑)。日本に住むことも決めたそうですね。

そうなんだ。これからどうなっていくんだろうね。昔から僕は、海外に住みたいと思っていて、「住むなら日本しかないな」と考えてたんだよ。それを言うとみんな驚くんだけどね、「言葉の問題はどうするんだ?」って。でも本当に、日本って美しい国だなって思う。渋谷なんてこんなに忙しくてクレイジーな街なんだけど、でも何故かピースフルな感じがすごくするんだ。とにかく、一度きりの人生だし、色々なことを経験したい。色んな国の文化にリスペクトを表明したいと思っているよ。

——ニックの住んでいたレスターと東京は、似ているところもある?

レスターには似てないかな。でも、サウス・レスターシャーには似てるかも。レスターってどういうところかは連れて行かないと説明しづらいし、あまり地元を悪く言いたくはないんだけどね(笑)。サウス・レスターシャーとの共通点は、すごく静かで落ち着く感じがするところ。この間、東京を散歩したら「あ、ここは似てるかも」と思うところがあったよ。落ち着いてるんだけどフレンドリーな感じとかね。大都会なのにみんな、とても友好的だしね。レスターはなんとなく殺伐としてるんだ(笑)。

—子供の頃から海外に住みたいと思ったり、外国語を勉強してみたいと思ったりするのは、何故なんでしょう?

分かんないんだよね。ただ、ずっとどこか他の国に行きたいという思いを抱いてた。サウス・レスターシャーは美しくて静かなところなんだけど、そういう場所にいると物事を全く別の視点で見て見たくなるんだよ。でも、高校生の頃はアメリカに住みたいと思ってたんだ。今は全然そう思わないけどね、色んなことが変わっちゃったし。あの頃はハリウッドしか知らなかったからな。

——これからの作品は、日本での制作が中心になっていくと思いますが、どんなものになりそうですか?

それも今は分かんないけど、楽しみで仕方ないよ。日本で曲を作って日本でレコーディングしたいし、機会があれば、日本人ミュージシャンともたくさんコラボしてみたい。次の作品ではそれを実現できたらいな。今までも、同じ環境で曲作りはしたことがなくて、毎回違うところで新たに作っていた。そうやっていると、時々大失敗もするし(笑)、時々とんでもない傑作を生み出すんじゃないかと思って期待してやっているよ。

——ちなみに、今最もコラボしたい日本人ミュージシャンは?

レーベルメイトの岩崎愛が今、とてもお気に入りだ。とってもいい声で、僕が歌ってる曲を全て彼女に歌い直してもらいたいくらいだね(笑)。

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INFORMATION

Nick Moon初のソロ・『CIRCUS LOVE』 発売記念!

【インタビュー】ニック・ムーン(KYTE)が語る、ソロアルバム『CIRCUS LOVE』や日本に対する思い nterview_nickmoon_7

4/11の発売日に先行し、ソニーミュージック洋楽(@sonymusic_jp)Instagramのストーリーズ限定で新作の全曲試聴を実施中!
期間:4/7(土)0:00~4/10(火)23:59まで
※開始から24時間経過後はストーリーのプロフィール画面「ハイライト」からご試聴ください。
※Instagramストーリーズの機能は、iOSおよびAndroid版Instagramアプリのバージョン25以降で利用できます。

RELEASE INFORMATION

CIRCUS LOVE

2018.04.11(水)
ニック・ムーン
¥2,200(+tax)
Music Japan International(SMJI)


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EVENT INFORMATION

’ 18

【インタビュー】ニック・ムーン(KYTE)が語る、ソロアルバム『CIRCUS LOVE』や日本に対する思い music180227_greenroom_3-1200x1200

2018.05.26(土)、27(日)
横浜赤レンガ地区野外特設会場

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EVENT INFORMATION

ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2018「BONES & YAMS」

2018.06.07〜全国22公演
オープニングアクトとして出演
詳細はこちら

EVENT INFORMATION

『サーカス・ラヴ』発売記念インストア・イベント 東京、名古屋、大阪で開催!

詳細はこちら

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黒田隆憲

黒田隆憲

ライター/カメラマン

ビートルズとマイ・ブラッディ・ヴァレンタインとビールをこよなく愛するフリーランスのライター/カメラマンです。2013年のマイブラのツアーでは、世界唯一のバンド公認カメラマンとして世界中を回りました。共同編集に『シューゲイザー・ディスク・ガイド』、『ビートルズの遺伝子ディスク・ガイド』。著書に『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』、『プライベート・スタジオ作曲術』など。

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