音楽ストリーミングサービスAWAが、ソロシンガー西恵利香(にしえりか)のインタビューを公開。
彼女にとって音楽とは? 音楽ストリーミングサービスとの関係、渋谷WWWでのワンマンライブについて、“LAST SUMMER DRESS”に込められた思いなどが語られています。
今後の彼女の活動を要チェック!
西恵利香にとっての音楽、
そして今後の音楽ストリーミングサービスとの向き合い方とは?
ソロシンガー、西恵利香の“LAST SUMMER DRESS”という楽曲を去年、初めて聴いたとき驚いた。シティ感のあるダンスミュージックに、音域の広い綺麗な歌声。それに反するかのような大人の切ない歌詞で、独自のスタイルを築き上げている。
12月にリリースされた初のフルアルバム『soirée(ソワレ)』にはG.RINA、フレンズのひろせひろせ、DÉ DÉ MOUSE、Yokemura from YMCK、黒魔、CICADA、wakathug(AFRO PARKER)、the oto factory、BAOBAB MC(HIROKI TOYODA)の作家陣が参加し、間違いなく今後注目されるアーティストだと思う。
けど、西恵利香について調べると、以前より女優やアイドル活動をしていて、10年以上のキャリアを持っているとは思わなかった。いまのスタイルに行き着くまでにどんな経緯があったのか、楽曲についてなどが気になったので話を聞いた。
そもそも歌に興味を持ったのはいつからだったのだろう。
「小さいときからピアノを弾くことと歌うことが大好きで。将来は歌をやりたいなって漠然と思っていました。高校生になって芸能活動を始めたのですが、スチール写真の撮影やお芝居の仕事で、なかなか歌の仕事にたどり着けず。それから、20歳のときに事務所が変わり、2011年からアイドルグループをやっていました。そのグループが2014年で活動休止になったんです。
そのタイミングでソロ活動を始めて、3年くらいが経ちましたね。ソロで最初に出したシングル曲“MUSICを止めないで”が、当時の代表作と言われていました。それで去年、いまのレーベルに移籍して、第一弾に“LAST SUMMER DRESS”を配信限定で出しました」
【TRAILER】西恵利香:LAST SUMMER DRESS /AFFOGATO
小さいときから思い描いてた夢が叶い始めた西恵利香にとって「LAST SUMMER DRESS」は特別な楽曲と聞いたが、その理由を聞いてみた。
「いままでの西恵利香とは違う大人な感じというか、都会的なものに寄せたくて。『LAST SUMMER DRESS』のデモを聴いたときに、一発目はこの曲でいきたいってすぐに決めました。これからの西恵利香はこんな感じでいきたいんだよって伝えたかった。
いままでは“MUSICを止めないで”が代表作って言われてきたけど、それとはまた別に新たな代表作のようなものにしたくて。アイドルをやっていた背景があるので、かわいいねって言われる感じだったのですが、大人のかっこいい女性に見られたいっていう願望があって。歌詞も大人の女性っぽい、ちょっとリアルな一夏の恋という感じで、いままでのわたしでは歌ってこなかった内容でそういう意味でとても大事な歌です」
“LAST SUMMER DRESS”を10月にリリースして、12月にはフルアルバム『soirée(ソワレ)』をリリースという、すごい勢いで新たなスタートを切っている西恵利香だが、アルバムのテーマなどは10月の時点で決まっていたのか。
「すごいタイトなスケジュールで作ったので大変でした(笑)。“LAST SUMMER DRESS”はアルバムに繋げるものとして作ったのですが、そのときはアルバムのテーマ自体も決まっていなくて。けど、わたしのなかでお願いしたい作家さんは決まっていました。作ってもらったデモを聴いたとき、どれも違う雰囲気なので、アルバムとしての統一感がないかもって思っていました。
けど、歌ってみて、ぜんぶを通して聴いてみたとき、まとまった感じがしましたね。デモを聴いた段階で、天気の良い日に青空の下で聴くというより、夜オシャレして出かけたくなる感じになったので、アルバム名は”soirée(ソワレ)”という単語にしました。夜のパーティみたいな意味で。このアルバムを聴いて、みんなが好きに踊ってくれるような”ダンサブルな”アルバムになったら嬉しいなって。
ジャケットは夜景をイメージしていたので、夜景と海が見える豊洲で撮り位置や写り、衣装も自分で仕切らせてもらって撮りました」
アルバム『soirée』は1曲ごとの仕上がりが高く、どれも違う雰囲気の楽曲。けど、通して聴いたときに不思議なまとまり感があって、気づいたら聴き終えてしまう。なかでも、このアルバムの7曲目“誰よりも素敵な”の歌詞は西恵利香が書きあげたらしい。
「”誰よりも素敵な”の歌詞を考えるのには苦労しました。フレンズのひろせくんが作ってくれた曲で。ひろせくんとは、たくさんやりとりをして、忙しいなか答えてくれました。最初、わたし自身歌詞が色付けになるような音楽が好きだから、あまり耳に残らないような歌詞をさらっと書いてたんですよね。
けど、それだと聴いてる人の耳に残らないからダメだなって。そこから引っかかりが残ったり、みんなが歌いたくなるサビ、印象的なフレーズとか、かなり頭を悩ませましたね。いまFM富士のラジオの仕事で山梨に通っているんですが、その行き帰りの電車や帰ってからベッドのなかで、ずっとデモ聴きながら考えて。本当に苦労しました(笑)。まったく別の歌詞をつけたりもしたのですが、それも気に入らなくて、前にあった歌詞に手直しを繰り返して、いまの歌詞が出来上がりました。
最初、シネマライズって言葉は入れてなかったのですが、やっていくなかで引っかかりが残るワードを残したいってことで入れました。シネマライズだった場所がライブハウスになって、変わっていくものがありつつ、変わらないものもあるよねっていう気持ちを込めました。ひろせくんに頼んだとき、踊れるディスコ調だけど、どこか切ない曲にしてほしいとオーダーしていて。歌詞は男の子が頑張る、切ない片想い。すごい苦労しただけあって自分でもすごい気に入ってます。いずれ続編みたいな歌詞を書いて、ひろせくんともう一度作りたいですね」