mysoundイチ押しのアーティストにテーマに合わせた楽曲をピックアップしてもらい、その曲にまつわるエピソードから本質を掘り下げていくプレイリスト企画。今回は現役高校生という新世代バンド、ニトロデイが登場。7月にリリースしたEP『青年ナイフ』のタイトルチューンのMVを見た瞬間、見た目とニルヴァーナやナンバーガールを想起させるグランジ/オルタナのギャップに驚いた人も少なからずいたのではないでしょうか。研ぎ澄まされた一音入魂の演奏と感覚や色彩が迫ってくるフロントマン、小室ぺいの歌詞も切れ味抜群。そこで今回はメンバーからストレートに「好きな曲」というテーマで、この稀有なバンドの音楽的な志向を解き明かしてもらいました。

Interview:ニトロデイ

現役高校生バンド、ニトロデイの好きな曲とは?グランジを愛する彼らを解き明かす楽曲を紹介 interview_nitroday_3-700x467

小室ぺい“今まで聴いたことのないギターのサウンドの感じと、曲から伝わってくるヒリヒリした感じ”

——10代でいわゆる90年代のグランジやオルタナティヴロックに近いサウンドをやっていることに驚いたんですが、そもそもの発端はなんだったんですか?

小室ぺい(以下、小室) 高校生になって、いろいろ聴いてて、まずナンバーガールから入って、そこからいろいろルーツとか探っていって、今のサウンドの下地になってるバンドとかを聴くようになって。で、そういうバンドやりたいなと思うようになって始めましたね。

——ナンバーガールは何が良かったんでしょうね?

小室 今まで聴いたことのないギターのサウンドの感じと、曲から伝わってくるヒリヒリした感じ。初めて聴いた時はいろいろ自分の中でひっくり返ったというか、衝撃を受けました。

——80年代や90年代の音楽の方が面白いですか?

小室 そうですね。自分の肌に合ってるというか、逆に最近のものは積極的に聴きたいなとあんまり思わないですね。あんまりリアリティがないなっていうか。言葉も音像もそうなんですけど、全体的にちょっと嘘くさいなっていう感じがしちゃうっていうのはあります。

——ニトロデイのサウンドは楽器それぞれの主張がはっきりしてますね。

小室 そういう曲が多いかもしれないですね。各楽器が目立つというか、そういう感じが好きなんで。

——小室さんはボーカリストとして影響を受けたとか参考にした人はいるんですか?

小室 カート・コバーンと木下理樹ですね。歌い方のスタイルは結構、影響受けてます。曲で聴いても際立って聴こえるし、ま、そこはすごいなと思います。

——では早速、プレイリストについて伺うんですが、テーマはシンプルに「好きな曲」っていうことで。それぞれ選んだ理由と、影響された部分があれば教えてください。では小室さんから。ニューオーダーの中では明るめのナンバーですね。

小室 このぐらいの時代のニューウェーブや、そこらへんの音楽を最近聴くんですけど、この曲は聴いててドキドキしますね。音がちょうどよく、ビンテージ感があって。ニューオーダーで一番好きなのがドラムの音なんですが、それがなんかウキウキしますね。独特の時代の空気感がすごい詰まってて、いいなと思います。

New Order– “Bizarre Love Triangle ’94”

——ジェフ・バックリーについては?

小室 初めて聴いた時に声も曲の雰囲気もすごくて、神聖な感じがして。サビとかは天国に行きそうな感じがしますね。鳥肌が立つ、すごい名曲だと思います。同じ人間とは思えない。

Jeff Buckley – “So Real”

——では松島さんの選曲を。GREAT3の“Golf”を選んだ理由は?

松島早紀(以下、松島) GREAT3は週に一回聴くぐらい好きで。で、最初に聴いた曲がこの「Golf」って曲だったんですけど、もうイントロから全部の音が好きっていうか、楽器も声も入ってる音が全部好きで。日々の生活でいろいろあっても聴いたらその瞬間は幸せみたいな。GREAT3は結構そういう感じで聴いてます。

GREAT3 – “Golf(24bit Digital Remastering)”

——大人っぽいチョイスですね。もう1曲はくるりの“ハローグッバイ”。

松島 くるりは特に歌詞が好きなんですよ。もちろん音も好きで、ちょっと入ってる効果音とかも。すごい悲しいことがあった時に聴きます(笑)。

くるり – “ハローグッバイ(ベスト オブ くるり Remastering)”

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ヤック、TOKYO HEALTH CLUB、エレカシなど、ニトロデイの好きな曲が登場!

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text & interview by 石角友香
photo by Mayuko Yamaguchi