「イギリスの事勉強したほうがいいからお前も一緒に行け」って
連れてってもらったのが〈ファクトリー〉だったの
――ちなみにこの写真集は?
あっこれ話したいね! 僕がパリの「コレット」と東京の「ラブレス」でクリスティー・ブッシュっていう、ニューヨーク在住の女性のカメラマンの写真展をやったんですよ。これはその時のブックで販売されてたものです。一番上に小さくBESPOKE GALLERYって書いてありますよね。このプロジェクトは元々、ニューヨーク在住なんでそのニューヨークにあるギャラリーがスポンサーとして始めたんです。で、彼女はインターポールのドラマーの奥さん。ツアーに同行して、ライブの写真を撮ったりってのを全部彼女がやってて。僕がたまたま友達の紹介で知り合いになったんですよ。この本はニューヨークで最初やった時に、そのギャラリーと一緒に彼女が作ったんですけど、これ特典で一番後ろに旦那さん(インターポールのドラマー)が作ったこの写真展のサウンドトラックが入ってるんです。その音がめちゃかっこいいもので、これ残念ながら開けてないので、聴かせられないんだけど。最後の一冊です。
――すごい・・・(笑)。ちなみにこの写真集の内容はどんなものになってるのですか?
オーディエンスしか撮ってない。メンバーは撮ってないんだよね。オーディエンスやクルー、そこにいたティーンエイジャーとかにフォーカスしてます。「ラブレス」では、全部その写真を並べて、旦那を呼んで、DJもやったんです。結構表に出ないタイプなんだけどね(笑)。日本では僕が売った以外、販売されていないんで貴重です。
――これは個人的にも欲しいので、あまり宣伝したくないですね・・・(笑)。また、最初の話に戻るのですが、〈ファクトリー〉やトニー・ウィルソンさんとの出会いについてもう少し深くお伺いしたいのですが。
〈ファクトリー〉は、そこのパッケージデザインのグラフィックデザイナーに「イギリスの事勉強したほうがいいからお前も一緒に行け」って連れてってもらったのが〈ファクトリー〉だったの。当時、何のことかわからなくて、ほぼ毎週行ってたね。
――当時は橋爪さん何歳くらいだったんですか?
26とからかな・・・。
――26歳ですか! すごい・・・。
その時、週1ペースで東京帰ってきてました。その時は会社員、駐在員としてロンドンに行っていたんです。イギリスのグラフィックデザイナーとインテリアデザイナーとともに、僕がバイイングして、日本のものと融合するっていうプロジェクトを突然任されたんですよ。それでロンドンで駐在していたオフィスが、グラフィックデザイナーとか洋服のデザイナーのそういうデザインスタジオだったんですよ。でそこの奴らが、トニー・ウィルソンと同級生でという経緯で。今思えば、凄い貴重な経験だった。