Interview:Ozomatli(Asdru Sierra[リードヴォーカル、トランペット、キーボード])

––––今作もまた一聴してハッピーになれる、とても楽しいアルバムだと感じました。同時にメッセージもあり、思慮深さが伺い知れる内容でもあります。率直に、どんなアルバムになりましたか?

『プレイス・イン・ザ・サン』はこの世界で居場所を見つけることについて歌ってるアルバムなんだ。個人的にも、集合的にもね。人間はこの世で円満に共存できる特別なパズルの欠片のようなものなんだ。世の中が提供する様々な音楽のテイストを僕たちの音楽に混ぜ込むのが好きだからこそ、それが世界に浸透していくのをこの目で見届けたいね。

––––サウンド面に関して言えば、パーティ・バンドとしての側面が取り上げられることも多かったと思うのですが、落ち着いたモードの曲が印象に残りました。これに関して、あなたがたの精神的な部分での変化はありますか?

四六時中パーティーモードではいられないだろ(笑)? 誰しもがきっと歳月を重ねるごとに平静や安らぎを求め始めるんだと思う。19年バンドをやってれば、なおさらね。ジョン・レノンの言葉に「人生とは、予定を夢中で立てている最中に過ぎていってしまうもの」というのがあって、それはすごく僕たち全員に響く名言だと思う。愛することを頭に置いておき、どの瞬間も噛みしめて歩んでいかないと、人生で一番大事なことを見過ごしてしまうかもしれない。それがわかると、パーティする必要もなくなるんだよね。だけど音楽がノレないものになってしまったとか、そういうわけではないんだ! ただ僕たちの音楽に対して、もっと情熱的な解釈をして欲しいとは思うね。最終的には僕たちに意味のある音楽、音楽を通して僕たちを造り上げる要素を世界に発信していきたいからね。

“Tus Ojos (Live on KEXP)”

––––今作の制作における一番のモチベーションとはなんだったのでしょうか?

モチベーションは日常生活から来てるよ。新譜を書き上げる「季節」が来ただけなんだ。人間として成長もしてきたし、それを歌にして表現する必要性を感じたんだ。いわば、それだけが僕たちの使命なんだ、音楽以外の何かで人生突き進んでいくことが想像できない。個人的にはどの仕事を試してもすぐクビになると思うね。

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