――そして今回『NALA』がリリースされたわけですが、まずは参加しているメンバーにロンドン出身のトラックメイカーがいないというのが印象的ですね。
まぁ、ヴォーカルを含めるとロンドンの人はいるんだけどね。でも確かに、トラックメイカーにロンドン出身の人はいない。でも、別にそれを意識したわけではないんだ。もちろん、色んな世界の人にアプローチしたいという気持ちもあるんだけど、気付いたらロンドン出身のトラックメイカーがいなかった。たとえば、最初は(ロンドン在住の)bo enにも声をかけてたんだ。でも彼はちょうど忙しくてね。それで今回は実現しなかった。
『NALA』ジャケット
――過去作との違いについて、あなた自身はどう感じていますか?
いつも進化しているから、今の自分が表われたものが『NALA』ってことなんだと思う。毎回そうだけれど、僕の作品は今自分が聴いて、興奮している音楽であったり、自分が今いる環境が反映されたものになる。最近は本当にたくさんのエレクトロニック・ミュージックを聴いているし、中でも日本のエレクトロニック・ミュージックにはすごく興奮してるんだ。誰か特定のアーティストというよりも、正直言って「みんな」って感じなんだよ。女の子のヴォーカル曲はもっとJ-POPっぽいから、ヴォーカルものはあまり聴かないんだけど。でも本当に、誰と誰が影響源ってひとつを挙げることは出来ないんだ。結局、自分が他の人と似ているものがないからこそ、ここにいるってことだと思うしね。いいヴォーカルの人がいれば自分も一緒に作ってみたいから、探している最中なんだ。
――では、今回の参加ゲストについて教えてください。彼らはどんな魅力を作品に加えてくれたと思いますか。
Walkingshoeは前のEPにも参加してくれたんだ。彼はシカゴのプロデューサーで、CDのボーナストラックの“Nyctophobia”をDiveoと一緒にプロデュースしてる。Walkingshoeは音楽的に複雑で、Diveo(マンハッタン)はベーシックな魅力をもたらしてくれて……その2人のコラボレーションになった。レコーディングしたら、別のプロデューサーに送る。このプロジェクトの面白いのはそこで、色んなプロデューサーが共作をしてるんだけど、彼らは実際に一緒に作っているわけじゃないってことなんだ(笑)。例えば1曲目の“Run”に参加してくれた(ビュー・)ダミアンは僕のいい友達。その曲の共作者のRyuuta Takaki(Low High Who?)は最初のEPにも参加してくれたけど、日本に来た時に彼のパーティーに行って知り合ったんだ。2曲目“Silly Games”と3曲目“Who am I”のプロデューサーのRyo Takahashi(CBS)も、そこで紹介してもらって今作に参加してくれた。Maxoは音楽的にはDiveoと似てるよね。彼はデジタルの方のボーナストラックの“YxOxU”をプロデュースしてくれた。エレクトロニックでありながらスロウなテンポをもたらしてくれたんだ。5曲目の“Gissele”をやってくれたMagical Mistakesはクラブのエナジーを作品にもたらしてくれた。彼はSeihoと仲がいいから、そこからきっかけで知り合うことが出来たんだ。
Maxo – “Honeybell”
Diveo – “Summer Trees”
CBS – “テレパシー”
――今回のEPのタイトルはどんな風につけたんでしょう。
すごくくだらない理由なんだ。僕がガールフレンドと飼っている猫の名前が「NALA」なんだよ(笑)。今もロンドンに残してきているんだけど、犬みたいにどこでもついてきちゃう猫でね。日本にいる間も会いたくてたまらない。で、最初はジョークでEPのことを「NALAって呼ぼう」って言ってたんだ。そうしたら、それがそのまま定着しちゃって……(笑)。
――ジャケットの猫がその「NALA」ですか?
そうそう(笑)。もちろん、それだけじゃなくて、このタイトルはダブル・ミーニングになってる。僕は猫って、インディペンデントであることの象徴だと思うんだ。どこか別のところに行ったりするんだけど、でも自分の家がどこにあるのかは絶対に分かっている、そういう意味も込められているんだよ。自分の場合も日本人にもなりたいけれど、でも本当の家がどこにあるのかは分かってる。そういう意味を込めてるんだ。
――今回日本で作品がリリースされることは、あなたの音楽に触れる人の幅をより広げてくれそうですね。これからどんな活動をしていきたいですか。
そうだといいよね。興奮しているし、ちょっと不安もある。いつも色んなところを旅して、色んなところで音楽を作りたいとは思っていたけど、こうやって日本でCDが出るなんて、絶対信じないだろうね。自分の音楽に興味を持ってくれている人がいるなんて信じられない。(作品の『NALA』に続いて、猫の)「NALA」も日本に呼びたいね(笑)。でも基本的に、僕が考えているのはすごくシンプルなこと。音楽を作って、ツアーをしたいっていう、ただそれだけなんだ。僕が音楽を作るのはそれが楽しいからという理由だけだし、これからも自分がいいと思える音楽を作り続けていくだけだよ。
Phoenix and the Flower Girl – “N A L A” ep Teaser
Phoenix and the Flower Girl –“Silly Games”
EVENT INFORMATION
DE DE MOUSE one-man「for 2EPs」
-youth 99 & milkyway drive release party-
2015.07.23(木)
OPEN 18:30/START 19:30
代官山UNIT
ADV ¥3,800
LINE UP:DE DE MOUSE、OPENING ACT:Phoenix and the Flower Girl
not × CONPASS
-not records 3rd anniversary showcase live-
2015.07.26(日)
OPEN 17:00/START 18:00
心斎橋CONPASS
ADV ¥3,300
LINE UP:DE DE MOUSE、Phoenix and the Flower Girl、YMCK
RELEASE INFORMATION
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Photo by Chika Takami