“悪魔のように踊れ！ザ・ポップ・グループにインタビュー

——本作のプロデューサーをポール・エプワース氏が務めていることに、とても新鮮な驚きを感じました。ポップ・ミュージックの世界で多くの成功を収めている氏とザ・ポップ・グループの組み合わせは、非常にユニークで刺激的です。彼との出会いや、そのプロデュースワークによってアルバムにもたらされたものについて教えていただけますか？

ポール・エプワースが以前から俺たちからどれほど影響を受けているかをメディアで語っているっていうのは聞いていたんだ。それにポップ・グループの常として、だれも予想できない事をするのがこのバンドなのさ。俺たちは想定されそうなことを全部引っ繰り返してやろうと思っていた。

それで俺がある時ツイッターでポールに「俺たちのアルバムをプロデュースしてみないか？」と聞いた。そうしたらものの数分で「イエス」と返事が来たんだ。ポールとの仕事は言ってみれば火星へのハネムーンみたいなもので、俺たちにとっても奴にとってもでかい経験になったと思う。奴はマジックを起こしたのさ。

——貴方がクリエイトする音楽は、その革新的なサウンドと同様に、シリアスなメッセージ性もファンにとっては常に大きな魅力でした。今作に対しても特別なメッセージは込められているのでしょうか？

世界でわずか85人の金持ちが35億人の貧困層と同じだけの富を所有しているこの時代、レジスタンスはかつてないほど重要度を増している。テクノロジーが進化してすべてが可能になろうとも、我々はデジタルの奴隷に成り下がってはならない。我々は社会のゾンビ化に抵抗し、虚妄へと陥られないようにしなければならない。

——ザ・ポップ・グループは、非常に影響力が大きいバンドで、数多くのフォロワーを生み出しました。貴方は、そういったムーブメントをオリジネーターとしてどのようにご覧になっていたのでしょうか？

俺に言わせればそれは循環システムみたいなもので、俺たちが新しい世代のバンドに何かを与えていると同時に、俺たちもファクトリー・フロアやベト・コンみたいな新世代の奴らから多くの物を受け取っているんだ。いずれにせよ、ニック・ケイヴやマッシヴ・アタック、ナイン・インチ・ネイルズからザゼン・ボーイズ、メルト・バナナに至るまでたくさんの素晴らしいミュージシャンから名前を挙げてもらえるのは本当に驚くべきことだよ。

——最近、お気に入りの若手バンドはいますか？

最近聴いているのはトロピック・オブ・キャンサー、スリーフォード・モッズ、フライング・ロータス、クロニックス、ティム・バックリィ、それとジョン・コルトレーン。

——12月の来日に向けて、意気込みを教えていただけますか？

東京と大阪はいつでも俺に強烈な刺激を与えてくれるし、どっちもたくさんの友人が住んでいるから個人的には尋常じゃないくらいエキサイトしているよ。特に渋谷は俺の心のオアシスだからな。

——今回のライブでは、一体どのようなステージングを見せてくれるのでしょうか？　見どころなどがありましたら、是非ともご教授をいただけますか？

前回とは全く違った体験になるはずだ。日本で“ゾンビ・オペラ”を披露するのを楽しみにしている。

photo by TEPPEI

——再結成後、これまでの空白期間が嘘のように精力的な活動を続けるザ・ポップ・グループですが、これから一体どのような活動で我々ファンにエキサイティングな体験を与えてくれるのでしょうか？

俺たちにとっては混沌こそが新しいアイデアと美を生み出す温床なのだ。希望を力とする天地天明の騎手として、我々の心は果てしない荒野へと踏み出すことだろう。これからも最大級のリスクも厭わず、不可能に挑戦していくだろう。

——最後に、12月の来日を心待ちにしている、貴方とザ・ポップ・グループを愛して止まない日本のファンにメッセージをお願いいたします。

悪魔のように踊ってくれ！　初期のパンクス達がそうしていたように。実際の話、ステージの良し悪しよりも、オーディエンスのノリの方がはるかに重要なんだ。ノイズの大聖堂に集え、フリークスのための礼拝所へと。待ってるぜ！

the pop group – we are all prostitutes -live