Rei
——Reiさんのフェスでの印象的な思い出というと、どんなものがありますか?
実は私は、自分で出演するまでフェスに行ったことがなかったんです。ラジオパーソナリティのピーター・バラカンさんが主催する<LIVE MAGIC>に出演したときが初めてで、そのときは「新しい音楽に出会える場所なんだな」と実感しました。‘15年に<フジロック>に出演したときは会場がジプシー・アヴァロンで、坂の上に腰を下ろしているお客さんの表情がよく見えたのを覚えています。木々に囲まれた会場で、お客さんの表情も相まって特別な体験でした。野外フェスは天候や湿度に弾いている側も左右されたり、その場でしか生まれないことが起きますよね。
——では、ライブをしていて最も楽しさやアツさを感じる瞬間というと?
私はCDとライブはまったくの別物だと思っているので、同じ楽曲でもライブならではのアレンジにして、表現方法や楽しみ方を変えたいな、と意識していて。そのために練習やリハーサルをして、当日に積み上げたものを全部手放して自由に音楽に身をゆだねる瞬間です。
——それがReiさんらしい、自由にジャムが発展するようなライブの雰囲気を生んでいるのかもしれないですね。7月5日には、最新作『CRY』がリリースされました。この作品はCDに加えて、Reiさん自身が監修した32Pの「MUSIC BOOK」がつくという形態がとてもユニークです(MUSIC BOOKには歌詞、楽譜、使用楽器の記録、Reiさんが手掛けたイラスト、信岡麻美氏が撮り下ろした写真などを収録)
これまでにリリースした3枚のミニアルバムは、私の中で「3部作」という位置づけだったので、それを終えて、新しいことがしたいと思っていました。そのときに、「MUSIC BOOK」という形でリリースすれば、音楽だけではなくて、アートワークなども含めてより作品の世界観を伝えられるんじゃないかと思ったんです。そもそも、ザ・ビートルズやヴェルヴェット・アンダーグラウンドもそうですけど、私が好きなアーティストの作品には、音楽だけでなくアートワークも印象的なものが多かったので。
——なるほど。これまでの作品もアルファベット3文字で統一されていましたが、今回の『CRY』というタイトルには、どんな意味が込められているのでしょう?
『CRY』は「泣く」という意味ですけど、その中には悲しいものも嬉しいものも、様々な形の涙がありますよね。でも、すべてに共通して言えるのは、「感情が溢れ出したときに出るもの」ということで。毎日人と一緒に生きていると自分の感情をあらわにできないこともありますけど、制作中は「感情が存在する限り、私はそれを表現していきたい」という気持ちが、ちょうど高まっていた頃だったんです。
——実際、今回の作品はこれまで以上にカラフルで、様々な音楽性が詰まったものになっていると思いました。今年はこの作品を持って<フジロック>や<サマーソニック>などに出演予定ですが、当日はどんなライブにしたいと思っていますか?
機会をいただいたことに感謝をしつつも、会場で観てくれる人の気持ちを貪欲にかっぱらえるように頑張りたいです。フジロックも前回とは別のステージですし、お客さんとの会話を楽しみながら今年ならではのライブにできれば、と思っています。フェスは色んなアーティストをいっぺんに観られる場所で、「名前しか聞いたことのないアーティストを観てみよう」という機会でもあると思うので、来てくれる人には、その場の空気やご飯、演奏、その場にいる人たちとの会話など、色んなことを楽しんでもらいたいです。
——最後に、「ジーマ ソルティレモン」を飲んでみての感想を教えてください!
甘さの中に酸味もあって美味しいです。女性も飲みやすいので、女の子で集まったりするときにも合いそうです。