世界を漂泊しながら、常に自分のいる場所から言葉を紡ぐ、若い世代の感性を映すリリシスト・SALU。tofubeatsやケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)、Salyuや中島美嘉ら、多彩なアーティストとコラボした前作『Good Morning』、そしてSKY-HIとタッグを組んだ『Say Hello to My Minions』を経て、さらに10年代後半の東京のリアルを素直に落とし込んだニューアルバム『INDIGO』が完成した。
本作のリリースの発表タイミングで公開された、ダークサイドを表現する“YEDI”とは対照的に、最近のUSヒップホップの潮流であるゴスペル調から、アーバンなシティポップのSALU流解釈もあれば、注目の最新ヒップホップ男女ユニット、ゆるふわギャング客演ナンバーまで、ジャンルの境界線が溶ける楽しさが溢れている。
そこで今回、「SALU WEBインタビュー曲解説WEEK」と銘打ち、MTV、EMTG MUSIC、Qetic、ミーティア、M-ON! MUSICに分けて、トータル11曲を紹介する異例の企画を展開。当インタビューでは、もう会えないかもしれない友人へのリアルな手紙がテーマの“Dear My Friend”と、マンネリ気味のデートをトキメキに変える“First Dates”をクローズアップ!
Interview:SALU
——今回の『INDIGO』の発端を教えてください。
『Good Morning』の時から、とにかく明るい音楽をやってみたいという気持ちになっていて。前作の SKY-HIくんとのEPはヒップホップ・テイストの強い、現行のUSのラップを意識した作りになっていたんですけど、そういうところからも離れて、とにかく耳に優しい音楽を作ってみたいなっていう感じでした。生きるだけで大変なので、自分としては大変なことを考えさせられる音楽はそんなに聴きたくないし、そういう表現は前作までで一旦やりきったかなっていうこともありましたね。
——タイトルが意外でした。
愛を愛という言葉でそのまま表現しても面白くはないので、違うことで表現したいなと。なかなか『INDIGO』っていう言葉から愛を連想出来ないと思うんですけど、それぐらいでいいかなと思って。今回はタイトルにしろ、ヴィジュアルにしろ、サウンドとか歌詞にしろ核になるものはしっかりあるんだけど、周りにあるものを楽しんでもらえればそれでよくて、10年後とかに中心に近づいてもらえることがもしもあったら、それでいいかなと思ってるんです。
——ぼんやりした不安も、ぼんやりしたこう心地よさも、どっちも感じるアルバムで。すごく“今”だなと。
良くも悪くも今の空気感がすごい出ていると自分でも思います。世界情勢とか日本の社会をみたら、そんなに宜しくない状況だと思うんですけど、多分みんな幸せに暮らしてるし、でも違和感みたいなのも感じながら、あんまり気にしないように生活をしていると思うんです。だからそういうのが表現できたらいいなというのはありました。