——前作と今作で、レコーディングの進め方に違いはありましたか?

リバース 今回は何曲かでトラックメイカーと一緒に作りました。

スコット 最初2人で作ったトラックをトラックメイカーに渡して作り直してもらって……、っていう作業ですね。

リバース バンドで作ったサウンドとトラックメイカーのサウンドが合わさったものになっています。

——トラックのクレジットを見ると、ウィーザーのスコット・シュライナー(Ba)等も演奏に参加しているようですね。

リバース 元々の英語のバージョンを作った時に、スコットさんがスタジオに来ていたから助けてもらった。それに、前回東京でライブした時に、ブライアンさん(ブライアン・ベル=ウィーザーのギタリスト)にも2曲参加してもらいました。 

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——アメリカ人と日本人のミュージシャンの両方が演奏に加わっていますが、それぞれのプレイ・スタイルに違いは感じますか?

リバース 日本人のミュージシャンとのリハーサルを始める時、僕たちは一番下手です(笑)。

スコット 日本のバンド・メンバーはちゃんとしてて、全部覚えてる。僕たちが覚えてなくても。

——ははは(笑)。日本人はやっぱり真面目なんですね。

リバース “君はサイクロン”のソロ練習する時、皆すっごく上手だった。でも、スコットさんはごまかす(笑)。

スコット みんなでソロを回す所があるんだけど、全員上手かった。僕はもともとベーシストだから、ギターはそんなに上手くない。だから、僕のパートが出てくると、ごまかすためにドラムをすっごく叩く(笑)。

リバース 日本語でどう言うか分からないけど、僕らはweak link(鎖の繋ぎ目の弱くなっている箇所)なんだ。

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——今回のアルバムは日本人のミュージシャンとのコラボも含めて、前作よりもプロダクション面で様々な挑戦をしている印象を受けました。

リバース 1枚目は、日本語で歌うこと自体がチャレンジ、試みだった。今回はまた新しい試みが欲しかった。トラックメイカー、新しいプロダクション、新しいスタイル。日本のアーティストとコラボするのもそう。MONGOL800のキヨサクさん、PESさん(RIP SLYME)、miwaちゃん。

Scott & Rivers 『Doo Wop feat.キヨサク(MONGOL800)』

——“FUN IN THE SUN”はレゲエ、“君はサイクロン”はサザン・ソウル、”ハミングバード”は80年代ポップ風と、前作より音楽性の幅も広がっています。これらのアイデアはどこから生まれたものですか?

リバース 僕たちの興味があるものに、自然となっていきました。日本ではその自由がある。アメリカだと、もっと一つのサウンドにフォーカスしたアルバムにしなくちゃいけない。でも、日本のファンはオープンな耳を持ってるから。

スコット アメリカだと、ラジオ局がロックだったらロックしかかけない。大体かかる曲が同じなんだよ。でも、日本のラジオ局は同じ局が色んな音楽をかけている。それは素晴らしいことだと思う。

——特にレゲエは、日本でもJ-POPの一つの形として市民権を得ていますよね。

スコット “FUN IN THE SUN”ではRIP SLYMEのPESさんに参加してもらったんだけど、PESさんの声が入った瞬間、一気にJ-POPのレゲエ・サウンドになったって感じがする。

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——ちなみに、最近のJ-POPで特にお気に入りのアーティストやバンドは誰かいますか?

リバース back number! それとAAA。すごく良いメロディ。紅白で聴きました。

スコット 僕はサカナクションとか。

リバース あとはもちろんmiwaちゃん!

——miwaさんの音楽には、特にどこに惹かれましたか?

リバース 感情が強い。誠実なアーティスト。スタジオで、僕たちはよく冗談を言ってる。でも、miwaさんは歌いながらすごく真面目でした。ニコニコしてて、でもすごいカリスマ性があった。

Scott & Rivers 『変わらぬ想い with miwa』

——日本語で歌うことに関しても、前作と比べてさらに違和感がなくなっているように思いました。

スコット リバースは本当に上達したと思う。前のアルバムでは、僕がリバースの日本語の発音を直したりして、それにすごく時間がかかりました。でも、今回はそこまで直すところはなかった。

——日本語の歌詞はスコットさんが書いているそうですが、日本語で歌詞を書く作業には慣れてきましたか?

スコット まだつらいです(笑)。日本の音楽はあんまり韻を踏まないけど、英語で歌詞を書くときは韻を踏む。だから、本当は踏まなくていいのに、アメリカ人の僕には違和感があるから、それが大変です。

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——特に、“本音なんだ。”という曲の歌詞がすごく印象に残りました。日本人の性格を表す「本音と建前」という言葉もありますが、日本人にはなかなか書けない日本語の歌詞だと思います。

リバース あれは本当の話です。デモテープを何度ももらったことがある。

スコット リバースの英語の歌詞を聴いて、日本で出すなら面白く受け止められるかなと思って日本語にしました。

——スコットさんは日本に住み始めてから長いですが、実際日本人はあまり本音を言わないなと思いますか?

スコット うん、思います。それがちょっと苦労。アメリカ人は大体ストレートに思っている事を言うけど、日本人はこう言ってるけど本当はどう思っているか、分からない。何とかして欲しい(笑)。

——では、最後に。スコット&リバースとしてこれからどういう活動をしていきたいですか?

スコット 僕は今、MONOEYESで激しいロックをやっていて、このプロジェクトで楽しい感じと、全然違うことをやれている。どっちも出来るなんて、とても嬉しいことだと思っています。

リバース Mステ。テラスハウス。あと、もっと大きいライブ。WWW X(4月18日に単独ライブを行ったライブハウス)は凄いですけど、次はたぶん、東京ドームかな。あっ、それともっと大きいツアーをしたい。珍しい街に行ってみたい。

スコット うん、次はもっと長い全国ツアーをしよう!

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