––––分かりました。で、今回アルバム作品として印象的だったので女性ヴォーカルの起用でした、Temi “Queen” Odeyalはどのようなつながりで起用したんでしょうか? 彼女はどこの国のアーティスト?
ティミ・オディーリね。ああ、彼女は素晴らしいヴォーカリストだ。まったく無名の人なんだけど、僕が彼女に出会ったのは1月にナイジェリアのラゴスに行った時のことでね。<Ten Cities>というプロジェクトの一環でアフリカに行ったんだけど、あれは西欧の様々な都市とアフリカの都市とを交流させるというプロジェクトで、ブリストルはラゴスとコンビを組むことになったっていう。というわけで僕はラゴスに向かい、1週間半くらいかな? あっちに滞在して地元のミュージシャン連中と音楽に取り組んだり、レコーディングしながら過ごしたっていう。で、そこで出会ったティミに僕の手元にあったあのバッキング・トラックのラフな初期状態の音源を聴かせたところ、彼女はすっかり気に入ってくれて、彼女があのトラックに何かを持ち来らしてくれることになったという。うん、そうやってあのヴォーカルが生まれたわけ。
––––なるほど。
で……僕はあのヴォーカルはとても美しいと思うし、彼女は本当に素晴らしい仕事をしてくれたと思ってる。とてもナチュラルだったし……彼女は2児の母でね。だから素人のヴォーカリストで、歌で生計を立ててる人ってわけじゃないんだよ。でも、アフリカにいた時に僕はかなりたくさんの人達と仕事したけど、中でも彼女とはとても気が合ったし、それにとにかく、彼女の声にはとてもいいキャラが備わっているなと感じてね。
––––あの歌詞は何語なんですか?
あれはヨルバ語。ヨルバはナイジェリアでももっとも古い言語/方言のひとつで、ラゴスの一部地域でよく使われている言語のはずだよ。
––––歌詞はどんなことを歌ってるんでしょう? 歌詞も彼女自身が書いたのでしょうか?
……だと思いたいけど?
––––(笑)。
(苦笑)。
––––じゃあ、あの歌で彼女が何を歌ってるか、ご存じない?
うーんと、まあ歌詞の一部は、ヨルバ族の神話というか……神話じゃ大げさだけど、彼らの民間伝承のストーリーに関係するものだと思う(言いよどむ)。でまあ、あの曲は“Stand Strong”ってタイトルだし、だからきっと何らかの権力とそれに対するもの、みたいな内容が含まれているんだろうけど…………うーん、正直言うと、痛いところを突かれた、参ったって感じだな(笑)! 申し訳ないけど、あの曲の対訳をここで披露することは僕にはできないんだ。