そして伝説のパーティ<SOLSTICE MUSIC FESTIVAL>が8年ぶりに開催
ーー今年8年ぶりに、<SMF>を復活させようと思った気持ちの変化や、きっかけはありますか?
日本に帰ってきて<ソルス>をはじめた時と同じような感覚です。自然な気持ちで「自分たちの遊び場は自分たちで作る。」と似ていますね。後は2013年にageHaで<TWISTIVAL TOKYO>を開催した時、正直なところ昔のコアなお客さんや、このシーンが好きな人たちの遊び場を作りたいと思って、2000人くらいを想定していましたが、前売りの3500枚が完売してしまいました。
ーー<TWISTIVAL TOKYO>は開催1ケ月前にチケットが完売しましたよね。
また、その時期にラジャラムからシュポングルがアメリカのレッド・ロックスでライブをすることになり、バンドが再結成して世界ツアーにも回ると話がありました。シュポングルの初ライブは2001年に開催された<SMF>。開催前の1週間、山中湖の近くのスタジオにこもってリハーサルをやって、<SMF>で初めてシュポングルはステージに立ったんです。そうゆう背景もあり、どうしても日本でもライブをやりたいという話になりました。
ーーシュポングルのライブも、<TWISTIVAL TOKYO>も往年のファンだけではなくて、若い層が多かったですよね。
<TWISTIVAL TOKYO>の時もそうですし、シュポングルの2DAYSも、昔からの常連のお客さんも集ってくれていましたし、おおげさではなく半分以上が新しいジェネレーションだったので、とても驚きましたね。それを目の当たりにした時に、このシーンをしっかりと残していかないといけない。しっかりと「トランス、サイケデリックカルチャーはこうゆうものだよ。」そう正確に伝えて、今の世代に引き継げるようにしなくてはならないと気が引き締まる思いになり、不思議と責任感を感じました。
ーー<ソルス>をはじめた時と同じ自然な気持ち。それに今の世代に対してしっかりとこのシーンやカルチャーを伝える責任感……さまざまな要素が重なってSMFは復活するんですね。
自然の中に連れ出すきっかけを作りたいですし、このシーンをしっかりと残したいという気持ちです。それにプレイヤーにイヤフォンさして音楽を楽しむより、自然のある環境に出て来て、いいサウンドシステムで音を体感して楽しんでほしいですね。そこからはもうみなさんの自由です。
ーー今回出演するアーティストたちは、<SMF>が復活するということにどんな反応をしていましたか?
日本人のお客さんはすごく真剣に音を聴いてくれるので、ラジャ・ラムは常に日本のシーンはベストだと言っています。だけど今年の<SMF>は往年のファンの方からは少し物足りないラインナップに感じているかもしれません。開催が決まってから、「今までの<ソルス>に多く出演してきたアーティストは出演しないんですか?」という問い合わせが何件かありました。それをしてしまうのはとても簡単なことですが、もし来年、再来年と継続した開催を考えたら、それでは続いていかないと思うんです。例えば<ソルス>が全盛期を迎えていた時に若手アーティストだったエース・ベンチュラやゼン・メカニクスなど、当時は早い時間にプレイをして、大御所たちが後ろに控えていましたが、時代の流れと共にその構図は変わっています。やはりSMFを開催するなら今のワールドスタンダードを伝えるパーティにしたいと思っています。
ーーこういった感覚が初めて日本で<ソルス>をはじめた時に似ているということですね! ヨーロッパでは<OZORA FESTIVAL(ハンガリー)>や、<BOOM FESTIVAL(ポルトガル)>などのレイヴは盛り上がりをみせていますし、エース・ベンチュラやゼン・メカニクスはこれらのフェスにも出演していますよね。新しいものを知ることもパーティやフェスの楽しみのひとつだと思います。
やはり<ソルス>の本質を考えると、現在のトランス最前線シーンを持ってこないと、あえて8年も時間を空けた意味がない気がするんです。8年ぶりの開催でも、初めて日本で開催した時と変わらない気持ちで「ワールドクラスのものを届けたい」そう思っています。このシーンが盛り上がりを見せているヨーロッパなどの地域では、このラインナップを見れば納得できるものだと思いますし、来てもらった人にも確実にそれを伝えられると思います。
ーー復活を待ちわびていた<ソルス>のファンに対して、そして新しくこのシーンに興味を持ち始めた世代にむけて、今回の<SMF>の見どころや楽しみ方を伝授していただけますか?
現在ワールドスタンダードのアーティストのラインナップももちろんですし、新しく進化したシーンを体感して、楽しんでほしいのが一番にあります。これも昔からまったく変わりません。またこのシーンを知らない方も、大自然の中で踊る機会は多くないと思うので、インドアもいいですが、せっかくなので外でいい音を聴いて踊り倒してみたら、新しい世界が見えてくるかもしれません。それに、視覚的な部分も楽しんでほしいですね。
ーーデコレーションも<ソルス>のパーティの楽しみのひとつですよね。
今年のSMFでは、T.I.Pのアートペインティングを手掛けるブラーマがサイケデリックなバティックを持ち込み、ヨーロッパのそうそうたるフェスのデコレーションを担当するイタリア人のアビカルが会場をデコレーションします。あとは飲食店とマーケット。こうゆうフェスだからこそ、そろう世界中の食べ物。音楽以外でも楽しめることは沢山あると思います。
国内のトランス・レイブカルチャーを守るために。そして楽しむために
ーー継続してこのカルチャーを続ける為に遊びに行く人達ができることはなんでしょうか。
自然な流れに身を任せてほしいです。イメージや思想を植え付けたくないですし、この環境にきて空間を楽しめた時、なにか新しいものが見えると思います。体験してもらえれば、視野が広がる人もいるかもしれないですし、記憶に残るものになれば、自然とまた次につながっていくものだと思います。
EVENT INFORMATION
Solstice Music Festival 2015
2015.08.29(土)、08.30(日)
OPEN 15:00
自転車の国サイクルスポーツセンター(伊豆・修善寺)
ADV ¥10,500/DOOR ¥12,000