――アリエル・ピンクやヴィクトリア・ウイリアムス、ガン・クラブのテリー・グレアム、J・ マスシスなどのミュージシャンが特別出演しています。彼らが出演に至った経緯を教えて下さい。またアドリブなども沢山反映されましたか?
この映画は、台本がある部分と、台本がなくアドリブで話す部分とがそれぞれありました。アリエル・ピンクとダンテのシーンは、ほとんど台本があり、アドリブは少しだけです。
アリエルのことは娘の友人として前から知っていました。彼は、私達が行っているフェス<Don’t Knock The Rock Film And Music Festival>に出演してくれたこともありました。デイモン役のダンテも過去2回、このフェスティバルで演奏しています。(共同監督の)カートがガン・クラブのドキュメンタリー映画『Ghost On The Highway』を作り、我々の音楽フェスでプレミア上映した際に、ガン・クラブ再結成のショーでダンテはボーカルも務めました。カートと私はガン・クラブの大ファンで、カートは私にテリーを紹介してくれました。今では私とテリーはもう7年もカップルなのです。これが、彼らがこの映画出演に至った経緯です。
ヴィクトリア・ウイリアムスは、私の20年来の友人です。彼女は私の映画『ガス・フード・ロジング』(1992)のエンドクレジットに曲を書いてくれました。しかし、彼女をこの映画に誘ったのはフランク役のクレイグ・スタークです。クレイグは何年かヴィクトリアが演奏する際ギターを担当していました。彼は、ヴィクトリアと一緒にヨシュア・ツリーで何年か一緒に暮らしていたこともあります。
Jマスシスとも、個人的にもクリエイター同士としても、『ガス・フード・ロジング』のころからの長い付き合いです。彼はとても親しい友人で、彼なしで私が映画を作ることは考えられません。私は彼の音楽が大好きで、彼のファンなのです。ファンであり、良き友達でもいられる、とても良い関係です。
――ダイナソーJrのJ・マスシスによるスコアをはじめ、素敵なオリジナル楽曲がたくさん彩られており、中でもカート・ヴォス(監督/脚本/制作/撮影)や、フランク 役のクレイグ・スタークなども作曲されている事に驚きました。配役に関してはどのように決定されていきましたか? また実際にミュージ シャンとして活動している人がいる中で、劇中での楽曲もどのように決定されましたか?
撮影をする前に出演者に合わせて音楽が決まっていたものもあります。しかし、ストラッターの場合は、編集段階で映像とのコンビネーションを考え音楽を決めることも多かったです。映画のためにいくつかの楽曲をJマスシスに描き下ろしてもらいましたが、そのうちの何曲かは映像の編集が終わったあとに作られたものです。