毎回様々なアーティストや有名人の方々にお気に入りの楽曲を選んでもらうことで、その人の好みや楽曲の魅力、その曲との思い出を語ってもらうプレイリスト企画。今回は8月10日(水)にセカンド・アルバム『ママゴト』をリリースする、Sugar’s Campaignの登場です。
作品や楽曲ごとに世界観やコンセプトを話し合い、その雰囲気を古今東西の様々な音楽を通過した“ポップス”に仕上げていくSugar’s Campaign(以下、Sugar’s)。akioやmomo、IZUMIといったお馴染みの面々に加えて、注目のSSW・井上苑子もヴォーカル参加した今回の『ママゴト』では、家族が引き受ける「運命的な役割」をテーマにして、彼ら自身もポップスとしての役割を正面から受け止めた、よりカラフルなサウンドを手に入れています。
果たして彼らのポップ観を作った名曲の数々とは?今回は「理想のポップ・ソング」をテーマに、それぞれ5曲ずつプレイリストを作ってもらいました。
Interview:Sugar’s Campaign
――Avec AvecさんとSeihoさんはもともと音楽好きの家で育っていると思いますが、小さい頃、2人にとって音楽はどんな存在でしたか。
Seiho 音楽って中学ぐらいになると友達とのコミュニケーション・ツールになると思うんですけど、僕は親とのコミュニケーションのツールでしかなかったんですよ。高校に入るまでは、友達と音楽の話をする機会は全然なくて。
Avec Avec 僕も一緒ですね。僕の場合はひとりで親が持っている音楽をこっそり聴いているような感じだったんで、一人で楽しむことが多かったです。
――プレイリストを作ったりするのは、小さい頃から好きでしたか?
Avec Avec めちゃくちゃ好きでした。テープでマイベストを200とか、300とか作っていて、それが自分の趣味だったんです。当時電車に乗って隣町の塾に通っていたんですけど、その時に自分が聴くためのマイベストを自分で作っていたんですよ。
Seiho 僕は小学校2~3年生ぐらいの頃に初めてポータブルCDプレイヤーを買ってもらってプレイリストを作っていましたけど、どっちかというと「今日友達の家に行くときにアルバムを2枚持っていく」みたいな聴き方が好きでしたね。あと、うちは親父と弟と3人でCDショップに行って音楽を買うのが恒例行事になっていたんですけど、車で遠出をするときは僕が助手席でCDを入れ替えてました。その場でDJっぽく変えていく感じで。
――プレイリストに好きな曲をどんどん入れていく人もいれば、全体の雰囲気を重視してバランスを取る人もいると思います。2人はどっちのタイプでしたか?
Avec Avec どっちもですね。僕は変で、分析とかが好きだったんで、小学校の頃から「Pファンク」「ハードロック」みたいにジャンルで分けたり、普通に好きな「ベスト」というテーマで作ったり、そのときによって色々でした。テープで作っていたので、曲順を飛ばせない分、順番はとても大事で行き帰りの風景とマッチするかどうかを想像で考えたり、車で親と聴いた時に楽しんでもらえたり驚かせたりできるかとか、色々工夫してました。
Seiho 自分にとっては「親が聴いたことない」というのがめちゃくちゃ重要で。ただし、攻めればいいという話ではなくて、「ギリギリ興味を持ってくれるようなもので、内容もよくて、新しい」という、このバランスを重視してました。たとえば「この演奏陣は有名なフュージョン・プレイヤーだから親も好き。でも実は90年代に入ってからR&Bのバックバンドもやっていて、音は新しい」みたいな感じで(笑)。
――2人が出会った大学時代、お互いに好きな音楽を交換することもありましたか。
Avec Avec ありましたね。これが唯一だと思うんですけど、Seihoから借りたジョン・ゾーンを僕が借りパクしました。
Seiho あれマジで返せって(笑)。大学に入りたての時期に、僕が『Naked City』を買ってから大学に向かったんです。そしたらTakuma(Avec Avec)に「貸して」って言われたんですけど、普通すぐに返ってくると思うじゃないですか?
Avec Avec まだ返してないんですよ(笑)。
Seiho で、僕はまだ一回も聴いてないんです。
――ははははは。最初はどんな音楽の興味が共通して仲良くなったんですか?
Avec Avec スティーリー・ダンとか、スタッフ(アメリカのフュージョン・バンド)とかですね。僕はウエストコースト・ロックが好きで、Seihoはジャズが好きで、その中間としてその辺りの音楽が共通していたんです。Plus-Tech Squeeze Boxみたいな新しい渋谷系もそうでしたね。
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