——では最後に。この作品をどんな方に届けたいですか?
古舘 僕のバンドを好きでいてくれる人がこの作品を観てどう思うのかが、すごく気になってるんですよ。
濱田 ああ……それはちょっと怖い(笑)。
古舘 いいとか悪いとかじゃなくて、今まで僕が書いてきた歌詞とか世界観みたいなものが好きと思ってくれていた人は、この作品にも同じ感覚を持つんじゃないかなと思っていて。そこに更にバンドの生々しさも加わってるんで、その人たちに観てほしいですね。
濱田 僕はあんまり誰に観てもらいたいみたいなものはないんですけど、「面白い」の更に上をいきたいとはいつも思っています。舞台作りは将棋とかと似ていると思っていて。役者は歩で、角だったり飛車だったりのスタッフがいて、時々、スター(金)になれる役者(歩)がいて、王将であるお客さんをどう打ち崩していくかっていう。言葉でも身体表現でも音楽でも照明でも、舞台をやるんだったら、舞台ならでは魅せ方で、「すごい」って思わせたい。その為のコラボレーション作品で、前作から最高のスタッフキャスティングが出来てると思ってるし、自分に自信は無いほうだけど、そこだけにはいつも自信があります。
古舘 僕、桂馬がいいんですけど。
濱田 それ、結構飛び道具だね(笑)。飛び道具的な役は他にいるからなあ。今回、Superendrollerのメンバー光根恭平が参加してくれてるんですけど、彼がまさにそれで(笑)。まあ、あとは登場人物と同じように、夢を追いかけている人やくすぶってる人には届くといいなと思ってます。今の時代、音楽や芝居で世界を変えるなんて難しいし僕はそんなオオグチは叩けないって常々感じてるんですけど、でもまず自分の手が届く範囲の人たちの世界くらいは変えられるんじゃないかと思いながら作品を作っていて。お客さんには、たくさん散りばめられた言葉の中から、いくつか自分に見合ったものを拾い集めて帰ってもらえたら幸せです。
PROFILE:濱田真和(Superendroller)
2009年に俳優活動をスタート。以後、独学で脚本を学び2011年に初の脚本作品を上演。2015年7月には、演出・脚本・出演・作詞を手掛けた舞台『Anytime.Anywhere』を上演。同年8月、自身の活動発信の場としてSuperendrollerを立ち上げ、映画脚本・監督業の活動などと幅広く展開。また俳優としては、出演映画『少女椿』の公開が5月に控えている。
オフィシャルサイト
PROFILE:古舘佑太郎
2008年に結成、2015年3月より無期限活動休止中のThe SALOVERSフロントマン。2015年10月にソロアルバム『CHIK HACK』をリリース。役者としては、2014年11月公開の映画『日々ロック』に出演。2015年2月に劇団ポップンマッシュルームチキン野郎企画制作『独ぼっちのブルース・レッドフィールド』で舞台デビュー。『blue , blew , bloom』で初主演を果たす。
オフィシャルサイト Twitter
EVENT INFORMATION
blue , blew , bloom
2016.03.01(火)-03.06(日)
VACANT(東京都渋谷区神宮前3-20-13 2F)
ADV ¥4,000(+1drink ¥500)/DOOR ¥4,500(+1drink ¥500)※全席自由席・税込 TICKET予約ページ
脚本・演出:濱田真和(Superendroller)
音楽:宮内優里
照明作家:渡辺敬之(仕立て屋のサーカス)
[Cast]
古舘佑太郎
岡野真也、小林竜樹、千代將太
西村竜眞、田辺彩子、竹田愛/
光根恭、久保真一郎/
濱田真和
interview & text by 野中ミサキ
photo & Hiroshi Fujiwara(pygmy company)
撮影協力:Latte.