タナソウ先生のお悩み相談室「若者の声」をキク!

●クラブ・ミュージックと女の子が大好きです。クラブには「出会い」と「音楽」の両方を目的に行くのですが、双方のバランスが取れたクラブがあった試しがありません。何でどこも極端なのでしょうか? 音楽も女の子もどっちも楽しみたいんです!

—男性・21才

なるほどなあ。現状、いわゆる「チャラバコ」、「音バコ」っていうのがすごく分断されていて、バランスのいいハコがないのは確かなんだよね。昔みたいにクラブの“レギュラー”のパーティーがすごく減ってきたし、パーティーそのものが全部“イベント”化してる。例えば、以前だったら、elevenにひょいと飛び込めば、その日がクリックハウスだろうが、ミニマルだろうが、ディープハウスだろうが、テクノであろうがやっぱり楽しめた。海外からのゲストもいる場合もあるれども、レギュラーのレジデントDJがきちんとしてたから。“音楽を聞かせる”ことは勿論のこと、“場をちゃんと作る”ことをレジデントDJがやってたからね。例えば、十数年前の新宿にあった時代のリキッドルームなんかだと、大きなイベントもやっていたけど、毎週末レギュラーのパーティがあった。<X-tla>とか、卓球(石野卓球)と田坂(DJ TASAKA)君がやってた<LOOPA>とかね。<club snoozer>もあった。で、そういうレギュラーのパーティが毎週末開催されて、延べ1,000人程のお客さんが入ってたんだよ。で、1000人もいるとね、クラウドがグシャグシャになるの。オタクもいれば、ヤンチャもいるし、ナンパな子もいれば、ひたすら音楽が好きです!みたいな人もいるから、人種のるつぼになってた。だから、音楽もあれば、思いもしない出会いもあった。

でも今はそれぞれが“レギュラー”のパーティじゃなくて“イベント”だから、特定の音楽を目当てにやってくるでしょ? もしくは、チャラバコの雰囲気を求めてやってくる。そうすると、ハコによって、少しばかりマニアックな音楽ファンとただの馬鹿にクラウドが二極化してしまっている。だから、難しいね。<club snoozer>とかも「頼むからナンパをしに来い」って言うんだけど、大体ナンパしてるやつは駄目な奴なんだよな(笑)。でも、チャラ箱に行っても何もないからね。だから、パーティー始めりゃいいんじゃないの? 10人くらいでパーティー始めて、女の子呼んで、とりあえず1人ずつ友達になって、友達の友達ってどんどん増やしていってね。例えば、大阪のSeihoくんの周りとかにしたって、そうやって今みたいに大きくなってきたわけだし。男女の恋愛云々の話とはちょっと違うかもしれないけど、ある種のコミュニティーを作っていくっていうことと音楽が両方あるから、やっぱりパーティーを始める方が手っ取り早いかもね。

●音楽を聞いて、女の子にモテたいんですけど何を聞けばいいですか?

—男性・26才

何を聞いたって、モテない奴はモテないよ。だって自分のことしか考えてないわけでしょ? 自分が何を着て、どんな音楽を聴いてれば、好かれるか?なんてことを考えても意味ない。違うんだよ、モテるには自分のことは一切考えずに相手のことしか考えないの。相手のどこが魅力的なのか、相手がどれだけ素敵なのかをすべて的確に見抜いて、それを言葉と態度できちんと示す。5分でやれるはず。でも、自分のことばっか考えてたら100%無理。女の子が話したがってる話をひたすら聞いてあげる。で、女の子のちょっとしたコンプレックスとか、悩みとかを引き出した上で、こちらからすっと受け皿を差し出したりするっていう(笑)。俺とか、ずっとそうしてたから、昔、「rockin’on.」の先輩に「お前、ナンパのスタイルが“トラウマナンパ”だな」って言われてたんだけど(笑)。ただ、ポイントは相手のことをどれだけ理解するか。ほら、自分の好きな曲を編集して、プレゼントする馬鹿いるじゃん。あれ程、ひどい話はないわけよ。自分のことを理解してもらいたがってる男なんか相手にしたくないよね。

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