––––まだ12年のことですが、ジョシュア(・ヘイワード:G)も今作の影響源としてホークウインド(UKのサイケデリック・バンド)の名前を挙げていましたね。

リース そうそう。だから、そのすべてを僕らは好きなわけで、今回のアルバムでは、これまでよりもそれぞれの曲にヴァリエーションがあるものに仕上げられたと思うんだ。

––––ロンドンのギター・ロック・シーンについてはどんな風に感じていますか。

リース いいバンドは沢山いるよ。僕らの友達のトーイやテレグラムは素晴らしいバンドだと思う。あと、ニュージーランド出身で、今はロンドンを拠点に活動しているポップストレンジャーズ(=Popstrangers)もね。今のロンドンって知り合いがみんなバンドをやっているんだ(笑)。ほんと、僕らがいいと思うバンドはみんな友達っていう不思議な状況でさ。

トーイ – “Left Myself Behind”

––––今回のアルバムは、前作と同じくイースト・ロンドンにあるあなたたちのスタジオで、セルフ・プロデュース(クレイグ・シルヴィーがミックスの一部のみ担当)で制作されています。これはやはり、前作での成功が背中を押した部分もあるんでしょうか。

リース そうだね。やっぱり、自分たちのイースト・ロンドンのスタジオを持てたことは大きかったと思う。いまだに改善の余地はあるんだけど、以前より機材も揃ってきたし、自分たちで作った色んな楽器も転がっていたりして。

––––どんな楽器が転がっていたか教えてもらえますか?

ファリス ジョシュアが作った楽器なんだよね。あれ、なんて言えばいいんだろう……。

リース アンプのヘッドを改造したものなんだけど、前作『スカイング』でも使っていたものなんだ(前作『スカイング』ではお手製の巨大なフェイザーなどを使用していた)。みんなが「もう古くなってボロボロだから、捨てれば?」って言っても、ジョシュアは「嫌だ!」って(笑)。彼は頭の中で聴こえた音を表現出来る楽器がなければ、自分で作ってしまう人だからね。

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