––––色々なことを試した末の4枚目とあって、これまでと比べて変化を感じましたか？
ファリス ホラーズはこれまで自分たちのモチベーションの赴くままに活動してきたし、僕らがもっとも大切にしてきた実験精神はずっと変わらず、いつでもあったと思う。でもそれを曲の枠組みの中でやっていく時に、過去の作品よりうまく表現出来るようになった部分はあるんじゃないかな。それはやっぱり、3作をリリースした今だからこそだよ。
リース 僕らはもう、自分たちだけのやり方やプロセスを確立していると思うんだ。もちろん、僕らにとっては毎回の作業がすべて新しい体験で、そのどれもが大変だけどさ。
––––経験を積んだ今だからこそ、「初めて」と感じられるものに身を投じていくわけですね。
ファリス スタジオでは毎回違うことが起こるのが大切なんだ。僕らはずっとそういう環境に身を置くようにしてる。だって、難しい方がいいんだよ。新しいことをするためにはいつだって困難がつきまとうし、大変だって思わないで済んでるということは、正しい方向に進んでないってことだから。簡単で楽なものからは、いいものは生まれないんだ。
––––最後に、「ルミナス」というタイトルを選んだ理由を教えてください。他にもいくつか候補はあったんですか？
リース 色々とあったよ！ タイトルというのは、アルバムの全ての曲の雰囲気を引き受けるようなものじゃないといけない。それぞれの楽曲が、アルバム・タイトルにぶら下がっているようなイメージだよね。それって結構難しくて。
ファリス でもこの『ルミナス』というタイトルなら、今回のアルバムに詰まった「エネルギーの発散」を上手に表現できると思ったんだ。何て言うか……どこか「上を向いている」感じがする言葉だよね？ ここには全ての人を繋げてしまうような感覚があると思うんだ。そして完成した今は、この先にもまだまだ上があるんじゃないかって感じてる。僕らにとってこのアルバムは、そういうことを気付かせてくれる作品でもあったんだよ。
（text＆interview by Jin Sugiyama）
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