――ドミニクとブレンダンはザ・ボヒカズ結成前、スワントン・ボムズとしても活動していましたね。その時と比べて、今のバンドにはどんな魅力を感じていますか?
ブレンダン すべてにおいてよくなってると思うよ(笑)。
ドミニク そもそも、音楽への向き合い方が違ったんだと思う。スワントン・ボムズの頃は僕らも若かったから、正直言って勢いだけだったし、「バンドとしてどうしたいか」「アーティストとしてどうなりたいか」が定まってなかった。でもそこからより真剣にやりたいって気づいた時に、もっとメンバーが必要だと思ったんだよ。ちょうどその頃ドミニク・Jが加わって、エイドリアンとも出会って、やっとちゃんとした活動が出来るようになったんだ。
ブレンダン それからというもの、曲を書くプロセスも変わってきたんだ。サウンドもビッグになったし、自分たちが何をやれば楽しめるのかもやっと分かってきて。ステージでライヴをすることもより自然に感じられるようになったと思う。それに、以前の経験から学んだことも多かった。「何をすべきか」だけじゃなくて、「何をしないべきか」ということもはっきりしてきたというか。「ボヒカズでは15分間のドラム・ソロは演奏しない」とかね……。
ドミニク・マクギネス
――(笑)。今回デビュー作『ザ・メイキング・オブ』が完成したわけですが、このタイミングでアルバムを作ろうと思ったのには、何か決め手になるような理由があったんですか?
ドミニク もともと「いつまでにアルバムを作ろう」と決めて取りかかった感じではなくて、普段から曲を作ってリハーサルを重ねて、それをツアー先のライヴで披露して……ということをただ続けていたんだ。僕らが一番大切にしているのはそういう作業だからね。で、そうしているうちに、アルバムを作るのに十分な数の曲がたまっていることに気づいた。だからその時点であった曲を並べてみたら、曲と曲の間に関係性を感じるものがいくつか出てきて。〈ドミノ〉と契約したこともあるし、これならアルバムをリリース出来ると思ったんだ。
――アルバムを作ろうと決めてからスタジオでさらに曲を書いていったわけではなくて、すでにある曲の中から収録曲を選んでいったわけですか。
ドミニク・J そう、自分たちが持っている曲の中で、お互いにコネクションを感じる曲を集めてアルバムにしたという感じなんだ。
ドミニク だから、候補になる曲は他にも沢山あったよ。最初は「ボヒカズの音楽性はどういうものか?」ということが定まっていない部分もあって、曲の種類は結構多岐にわたってた。でもそこから、「自分たちはこれだ」ということがはっきりしてきたのが“XXX”とか“スワーム”の頃。それ以降は、いい意味で「トライしすぎなくてもいい」と思えるようになった。だから今回のアルバムも、「この曲をなぜ作るのか?」ということはあまり気にせずに、単純に気持ちいいと思えるものを集めたんだ。
ドミニク・J こうやって話していると思い出すね。〈ドミノ〉と最初にアルバムの話をした時、僕らが考えてたのは「よし、じゃあかっこいいロックンロール・アルバムを作ろうぜ」って感じで、それだけだったんだ。で、今実際にそれが完成したわけだから最高だよ。
ドミニク・ジョン
――「考えすぎないこと」を大切にしたということですか? 黎明期のロックンロールにも、リスナーが頭を空っぽにして踊れるダンス・ミュージックとしての魅力がありました。
ドミニク 実際、僕が小さい頃に最高に興奮したロックンロールも、自分を見失うくらいダンス出来るようなものだった。だから僕らも、人を踊らせたいという気持ちはあったと思う。かなり意識したかというとそうでもないけど、そういう部分は確実にあったな。
――他のアーティスト作品などで、今回のアルバムに近い魅力を持った作品はありますか? 「こんなアルバムになっていればいいな」ということでもいいので教えてください。
ブレンダン 全部がそのまま似ているわけじゃないけど、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジのアルバムはそうかな。ドラムの感じとかは「そういう風にしたい」と思ってた。今回プロデュースを手掛けてくれたマーク・ランキンも関わっていたよね。
ドミニク まぁでも、何か特定の作品が頭にあったわけでもなくて、とにかくみんながエンジョイしてくれるような、自分たちが10代の頃のサウンドトラックになるような作品が作りたいと思っていたんだよ。
The Bohicas – The Making Of (Official Audio)
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