【インタビュー】ザ・ラモナ・フラワーズが語る、映画サントラ的サウンド、現在制作中の新作『STRANGERS』と現代の音楽シーンについて

——なるほど。話題を変えるんですが、皆さんもその渦中にいるわけですが、現在のUKのミュージックシーンについて特徴的だなと思うことはありますか？

スティーヴ　グライムは今までもずっとあったんだけど、やっと認知されてきたと思う。例えばスケプタやストームジー、彼らは長年やってきてるけど、2017年になって認知されるようになって、それがUKの音楽シーンの中でトレンドにまでなったことが、一つの特徴じゃないかな。

Skepta – Ghost Ride (ft. A$AP Rocky & A$AP Nast)

STORMZY – 4PM IN LONDON

——バンドも復権してるんじゃないですか？

スティーヴ　消えたってことはなくて、ずっと存在してると思う。オーストラリアのバンドで、ギャング・オヴ・ユースってバンドがいるんだけど、イギリスで売れ始めてるしね。

Gang of Youths – The Deepest Sighs, the Frankest Shadows

——ザ・ラモナ・フラワーズとしては基本的にはエレクトロと生演奏を融合した形で進んで行こうとしていると思いますが、その良さはどこにあると思いますか？

サム　ライブだろうね。ライブをやってると、生のドラムやベースを演奏することで、プレイのダイナミクスは全然違うし、お客さんの反応も全然違うし、そのスタイルをとることで曲作りにおいても、他にはない曲作りが進められるからね。

——最近は世界中で音楽がローカルになっていってる印象があって、例えば今回のグラミーの主要部門のノミネートはほとんどヒップホップやR&Bですが、そういうところからの影響はありますか？

エド　今回のアルバムの“NUMB DRUNK”って曲に関して言えば、そのビートは作用してる気はするし、その辺の影響もかなり受けてると思う。僕の初期のドラムはヒップホップのビートの影響が強かったし。

サム　スティーヴはヒップホップもやってて、ラップもできるしね。ちょっと酔っ払ってくるとラップし始める（笑）。

——以前のように人種でよりセグメントされない音楽になって来ているし。

スティーヴ　うん。

デイヴ・ベッツ（Key&Gt、以下デイヴ）　僕のそもそものフェイバリットはデ・ラ・ソウルだったりしたので、ギャングスタに関しては全然興味は持たなかったけど。スティーヴはギャングスタだよ（笑）。

De La Soul – Drawn ft. Little Dragon

スティーヴ　違うだろ（笑）。

デイヴ　デ・ラ・ソウルはボンベイ・バイシクル・クラブとかいろんなアーティストとやってるよね。ボンベイ・バイシクル・クラブのジャックはミスター・ジュークスって名前でやってるんだけど、そのアルバムはみんな好きだよ。

Bombay Bicycle Club – Luna

Mr Jukes – Grant Green ft. Charles Bradley

——デイヴさんがデ・ラ・ソウルが好きだっていうのは夏に来日した時も言ってましたね。

デイヴ　夏にブリストルでデ・ラ・ソウルとライブをやったんだよね。ファーサイドも一緒だったんだけど。

——それは豪華ですね。皆さんはヒップホップ・アーティストとコラボしたりしないんですか？

スティーヴ　ま、ポップなアーティストとコラボするのはいいかもね。そういう機会があればぜひやってみたいよ。

——ザ・ラモナ・フラワーズもインディR&B的なところはあるし、スティーヴさんのボーカルも多彩だし。ジャンルは越境してると思います。

スティーヴ　ありがとう。

サム　全員の音楽の趣味がかなり多岐にわたっているので、その中から好きなものをかいつまんで作ったりすると結果、そういう音楽になってるんだと思うな。

——では最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

スティーヴ　これまでもたくさんのサポートをありがとう。で、また日本に戻って来たいと思ってるから、楽しみにしていて欲しい。

——そうですね。今度は『STRANGERS』を日本のファンが聴き込んだ状態で来日して欲しいです。ありがとうございました。

photo by NAOTO HIRAYAMA

The Ramona Flowers JAPAN TOUR 2017

photo by Kana Tarumi

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text by 石角有香