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東京スカパラダイスオーケストラ(以下、スカパラ)と銀杏BOYZ峯田和伸(以下、峯田)……。

これまで双方を幾度となく取材させてもらっている私からしても、今回のフィーチャリングのニュースを聞いた時は奮え、と同時に、とっさにはこの二者から生まれ出る音楽性の想像がつかなかった。

片やアダルティでハードボイルド、夜の雰囲気を有し、スタイリッシュで洗練された楽曲が魅力のスカパラ。片や剥き出しで本能的、あくまでもピュアで、お世辞にもスタイリッシュとは言えない不器用な唄の数々で厚い信望を持つ峯田。共通項があるとすれば、双方とも抒情性を有し、哀愁さを帯び、精神的なパンク性を擁し、それでいて聴く者の胸を鷲づかみにする音楽性か……。

そんな二者のコラボレーションとなった2月21日(水)リリースのシングル“ちえのわ feat.以下、ちえのわ)”。スイッチを押して驚いた。両者に、これまでに無かった音楽性が飛び出してきたからだ。これまでとまた違った峯田のボーカリゼーション。これまで以上のストレートさを有した、初期衝動性たっぷりのスカパラの音楽性……。それらはいい意味で融合し、双方の新しい魅力を引き出し合っている。これぞミスマッチにしてベストマッチ! この夏のフェス等で是非楽しみたい1曲だ。

そんなこの“ちえのわ feat.”は、どのようにして生まれ、どんな心境で歌ったり、作ったり、レコーディングされたのか? そのような話を中心に、今作について峯田も交え、スカパラから同曲の作詞を手掛けた谷中敦、作曲を担当した川上つよしに鼎談形式で紐解いてもらった。

Interview:(谷中敦、川上つよし)×峯田和伸

「<>での峯田君の登場シーンの初期衝動的な何かがずっと忘れられなくて」(スカパラ・川上)

【インタビュー】東京スカパラダイスオーケストラ feat.銀杏BOYZ・峯田和伸が互いに無いもの、潜在的な素養が引き出され合った新曲を語る interviw180220_tokyoska_mineta_01-1200x801

——直、お二方の融合のニュースを聞いた際は、今回の楽曲の完成形が、あまり想像つきませんでした。

峯田 池田さん(インタビュアー)、昔から俺たちのこと知ってるじゃないですか。この絵面(えずら)どう思います?

——信じられないです。

峯田 変でしょ? 不思議でしょ? いやー、人生何が起こるか分からないなって。未だ実感が湧かない時がありますよ。「夢なんじゃねぇかな……」って。俺、いま凄いところに居るんだなって(笑)。

——実際に一緒にプロモーション等をさせていただいてどうですか?

峯田 ホントに面白い。それこそ味わったことの無い色々な体験をさせてもらってます。

——まずは、谷中さん、川上さん。今回の峯田君のフィーチャリングの経緯から教えて下さい。

川上 もちろん峯田君の存在は以前から知ってましたが、なかなか接点が無かったんです。長い間、遠くから見ているだけの存在で。でも、数年前の<(以下、RSR)>の際に、うちのメンバーがクリープハイプの尾崎くん(尾崎世界観)に紹介してもらって、知り合いになったんです。

峯田 最初はギターの加藤さんと茂木さんと知り合ったんです。<RSR>の楽屋近くで、尾崎くんが紹介してくれて。その日は俺も銀杏BOYZのライブで、<RSR>に来ていたんだけど、初対面のくせに、溢れんばかりのスカパラへの愛をぶちまけちゃいました(笑)。

——その光景が目に浮かびます(笑)。

峯田 しかも、その日のライブで俺、マイクに前歯をぶつけちゃって。前歯が4本無い状態だったという(笑)。ホント、あの時はライブが終わったばかりの高揚感も手伝って、色々と喋っちゃったな……。初対面なのに、ずうずうしいヤツだと思われたでしょうね。

川上 話してみたら、スカとかレゲエ等、かなり詳しいらしいと聞いて。失礼ですけど、意外でした(笑)。「ああ実は、そういった一面もあるんだ……」って。そこから、「じゃあ今度、何かの機会に一緒に出来ることがあるかもしれないな」と。そんな中、去年、<RSR>で、色々なゲストボーカルを呼んでスカやレゲエの歴史を辿る、みたいな特別企画ステージを夜中に行ったんです。そこで是非、峯田くんにも歌ってもらいたくて。レゲエやスカに造詣も深いって聞いてたんで。それで声をかけて、そこでの共演が実現したんです。

峯田 声をかけてもらった際は嬉しかったなぁ。即答でOKしました。「うわーっ、俺、いよいよスカパラの中で歌えるんだ……」って、スゲエ気合入れて臨みました。

——ちなみに、その際は何を歌ったんですか?

峯田 ザ・スペシャルズ(The Specials)の“Little Bitch”と、フィッシュマンズ(Fishmans)の“いかれたBaby”の2曲でした。気合入れて臨んだんですけど、逆にカラ回っちゃって(笑)。それこそこれまで何百回も聴いてきた“いかれたBaby”の歌い出しの歌詞が、本番でトンじゃったんです。いやー、大変でした。その日はホテルに戻って、眠れませんでしたよ。やっちまった……って。やり遂げた満足感と高揚感があったんだけど、同じぐらい後悔もあって。その日は2017年で眠れなかった唯一の日でしたね。で、あんなことがあったから、「今度はもうダメだろう……」と思っていたら今回の話が来て。信じられなかったです。

川上 あの日の<RSR>の際は峯田くん、上半身裸でサスペンダーだけして。それでステージに走り込んで来て、ジャンプで登場してくれましたから。それを見て、僕らもウォーっとアガりましたね。あの時の初期衝動的な何か……、それがずっと忘れられなくて。

峯田 いやー、あれは初期衝動と言うよりは、末期症状でしょう(笑)。もう、登場に命を懸けてましたから。

「以前やっていて最近やってなかったことを再度やったり、引っ張り出して歌った面もある」(峯田)

【インタビュー】東京スカパラダイスオーケストラ feat.銀杏BOYZ・峯田和伸が互いに無いもの、潜在的な素養が引き出され合った新曲を語る interviw180220_tokyoska_mineta_02-1200x801

——今回の“ちえのわ”は、谷中さんが作詞、川上さんが作曲の楽曲ですが、かなり峯田くんが歌うことを前提に作られた楽曲である印象を受けました。その辺りは、いかがですか?

川上 完全に峯田くんありきの楽曲です。あと、これはこれまでのコラボ全般に言えるんですが、どうせ一緒にやるなら、その人が普段やっていないテイストや自分たちもやってないテイストのものをやる。それを前提に、いかに参加各人の持ち味を活かすかを考え、試行錯誤しながらやってきましたからね。今回もそれはブラさずに、それらを峯田くんに当てはめた形で考え、作っていきました。

——私が今回、凄いなと感じた部分は、峯田くんが元来持っている「故郷への想いを残しながら、東京で生きている」、その東京での生活感も醸し出された楽曲に仕上げていたところだったんです。

谷中 歌詞の第一節からしてそれだからね。ビンゴだったと。

峯田 実は、まだこの曲の歌詞が出来ていなくて、メロディと軽い伴奏だけの段階のものが先に送られてきたんです。「こんな曲になりそうだから、よろしく」って感じで。それを聴いた時、東京タワーがふっと浮かんだんです。東京の象徴ともいうべき、あの東京タワーが。

——それはどんな感じの東京タワーだったんですか?

峯田 車の中から見た外の遠くに朱色の照明がついている、そんな光景でしたね。僕、上京してから人生の半分以上を既に東京で暮らしてきたんですが、未だに東京が掴めなくて。なんかそんな場面が浮かんだんです。で、実際の歌詞が届いて、一行目から「東京」が出てきて。イメージしていた通りだった! と。

谷中 峯田くんが常に醸し出している、あの東京観が、歌詞を書いている時に伝わってきたのかもしれない。歌詞に関しては、それこそ峯田くんのことしか考えてなかったから。あと、峯田くんには常に悶々としたものを持っている人ってイメージを抱いていて。その悶々感を僕なりに表したかったんです。そんな中、パッと「知恵の輪」って言葉が浮かんできて。そこからは一気にガーッと。だけど、こういったパターンって自分の中でも珍しいんです。たいがい僕の場合、本文の歌詞を考えて、そこからタイトルを引っ張ってくるケースが多いんで。だけど今回は逆で。歌詞は1時間半ぐらいで書き終えたかな。その1週間後にはレコーディングに入ったからね。なので、峯田くん=知恵の輪というのは、自分の中では大きかったですね。

——この曲は、最初は秘めたエモ―ショナルさだったものが、後半に向かうにつれ、堰を切ったようにどばっと溢れ出てくる構成も特徴的ですね。

峯田 この曲の歌入れの際は、ある人を想い返しながら歌ってました。この歌詞に似た感じのことがあったんですよね、僕にも。レコーディングが終わって、久しぶりに会いに行きたくなりましたもん、その人に。そのリアルさは、あったかもしれない。

——峯田くんにしてもこれまでにない歌い方ですよね?

峯田 正直、新しい歌い方に挑戦してみよう的な意識は、ありませんでした。ただ、以前はやったかもしれないけど、最近やってなかったことを再びやってみたくなり、引っ張り出してきた面はあります。

——それは初期衝動的な歌い方?

峯田 そうです。そうです。今回は自分の悪ガキっぽい部分や怨念っぽさを出してみてもいいかなって。そのミスマッチ感。いわゆる、管楽器が入った洗練されている音楽性に自分の持っている熱みたいなものが加わったらどんな感じになるのかなって。

——いわゆるスカパラのスタイリッシュな部分に、峯田君の原初的で粗野な部分が融合したら、どうなるんだろう? と。

峯田 それがいいだろうと。なので、レコーディングの時も何テイクか録ったんですが、どれも歌い方は変えずに一つだけ。次のテイクでは多少変えてみよう的な発想は一切無かったですから。

池田スカオ和宏

池田スカオ和宏

ライター/インタビュアー/編集人

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