世界初のバトル・ラップ・ミュージカル

–––今作は、90年代カルチャーを牽引したマンガ『TOKYO TRIBE2』を映画化、“世界初のバトル・ラップ・ミュージカル”という形に落とし込んだわけですが、このアイデアが生まれるまでの経緯をお聞かせ下さい。

 90年代のカルチャーってあまり詳しくなかったし、あの原作を映画化するのも難しいと考えていたんです。そこで、取っ掛かりとして何もなかったけど、人の紹介でラッパーの人たちと会う機会があって「本物のラッパーを出して、全部ラップでやってみたらどうだろう?」って思ったのがきっかけで面白くなってきたんですよ。それなら自分でもできるんじゃないかと。まぁ、俺はわかんないから、人の胸を借りるじゃないけど。「とにかくみんな来てや! みんなでやっちゃって!」って感じ。それがでかかった。

【インタビュー】園子温 × 清野菜名、“TOKYO”という街への不安と期待 film140827_tokyotribe_making2

©2014INOUE SANTA/“TOKYO TRIBE” FILM PARTNERS

–––主演のYOUNG DAISさん(海役)を始め、音楽一本を生業にしている方と映画を撮るのはいかがでしたか? また、MC漢さん、D.Oさん、ANARCHYさんとシーンを先導する方々が出演されていますが、彼らから新たに受けた刺激や気付きなどはありましたか?

 『愛のむきだし』の時にAAAの西島(隆弘)君とやったこともあったので、意外とそこの垣根はたいしたことじゃなかったですね。あと気付きではないけど、元々そういったカルチャーや90年代のストリートカルチャーに馴染みがなかったので、やっていくうちに身についたし、覚えていったっていうのはありますよね。

–––清野さんは撮影初日が本編で見せ場となるラップのシーンだったんですよね。事前にヒップホップのカルチャーやラップの勉強はされましたか?

清野 今まで、全く触れたことがなかったので、撮影に入る一ヶ月前に出演もされているMary Jane〈LUNA &TSUGUMI〉のお2人にいちから教えてもらったんです。あとは、ヒップホップを一ヶ月間ずっと聞いたり、カラオケでマイク持って練習したり、動画みながら手振りを勉強したりしました。

【インタビュー】園子温 × 清野菜名、“TOKYO”という街への不安と期待 film140827_tokyotribe_making

©2014INOUE SANTA/“TOKYO TRIBE” FILM PARTNERS

–––これまでの作品で詩を多用してきた監督が“ラップ”という詩(=リリック)に感じた可能性は何でしょう?

 可能性ではないかもしれないんですが、これを最後にしないで、もう一回ラップミュージカルをやってみたいですね。せっかく世界初のことをやったので、また新たな方法で熟成させて先に進めてみたいです。

–––アクションの部分で印象的なシーンはありますか?

清野 100m程の距離を走り抜けながらアクションをしていくシーンがワンカットだったんです。実際、アクション映画ってカット割で撮ることが多いんですけど、今回は本当にワンカット。1人が間違えたらやり直しなので、OKもらえたときは嬉しかったし、皆で団結して撮ったことがすごく印象に残っていますね。

–––ちなみにそれはどのシーンですか?

清野 海がテラさんを運びながら、みんなで走りながら逃げていくシーンです。

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