TOKYO HEALTH CLUBのビートメイカー/DJ、そして音楽レーベル〈OMAKE CLUB〉のオーナーとして活躍するTSUBAMEのソロプロジェクトが本格的に始動。
その記念すべき第一弾シングル“GOOD NIGHT”はフレンズのボーカル・おかもとえみとchelmico・RACHELをフィーチャリングゲストに招き、男女の恋愛模様を描いたアーバンなラブソングに仕上がっている。
TSUBAME「GOOD NIGHT feat. おかもとえみ & RACHEL」
この楽曲で、おかもとえみは初の歌メロ込みでの曲作り、RACHELは、映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』のあるシーンのセリフをラップに入れたとか。
“GOOD NIGHT”は、今年2月に先行シングル配信され、4月21日(土)に7インチとしてリリース。
7インチには“GOOD NIGHT”のDJ WATARAIによるREMIXも収録。またこのREMIXは、4月25日(水)に発売される人気MIXシリーズの第4弾『CITY HIP HOP MIX mixed by TOSHIKI HAYASHI(%C)』にも収録される。
そして今回、TSUBAME、おかもとえみ、RACHELの3人に“GOOD NIGHT”の魅力や制作秘話などの話を聞いた。
Interview:
TSUBAME × おかもとえみ × RACHEL
——TSUBAMEさんが、ソロプロジェクトを始めた経緯を教えてください。
TSUBAME 自分の作りたい音を自由に作って、その音で、自分が良いなって思う人たちに歌ってもらいたいなと。それがソロプロジェクトを始めたキッカケですね。TOKYO HEALTH CLUB(以下、THC)でも自由に作ってたんですけど、いつも同じ声を聴いてるから、たまには違う声を聴きたいなって思ったのもあります(笑)。
——どういう流れで、おかもとえみさんとRACHELさんが参加することになったのですか?
TSUBAME シンガーと一緒にやってみたいっていうのは前から思ってて。最初から、えみちゃんにはお願いしようと考えてました。えみちゃんの“HIT NUMBER – EVISBEATSとPUNCH REMIX”や、DJ HASEBEさんの“ROOM VACATION feat. 唾奇 & おかもとえみ”を聴いて、すごく好きだったんで。それで誰が組んだら面白いんだろうって考えたときに、僕の好きなラッパー陣の中で、RACHELが浮かびました。RACHELは男勝りなラップをしてくれるので、これ合うかもって。それで、ふたりにオファーしましたね。
おかもとえみ/『HIT NUMBER – EVISBEATSとPUNCH REMIX』Music Video
DJ HASEBE/ROOM VACATION feat. 唾奇 & おかもとえみ
RACHEL えー、初耳。結構、知らないことがあるんで、今日はいろいろ聞けるのかなって思ってます(笑)。
——3人の初めての出会いはいつですか?
TSUBAME 僕はえみちゃんにオファーしたときがえみちゃんとの初対面だった。
RACHEL そうだったんだ。
TSUBAME イベントに来てくれてたことはあったけど、会えなかったんだよね。
おかもとえみ そうでしたね〜。わたし、chelmicoさんにハマって、すごいライブ行きたいなって思ってて。そんなときに、THCさんが出るイベントでchelmicoさんのふたりが出るっていうのでお二組を見に行かせてもらったことがありますね。そのとき、ちょうど目の前のライブハウスでライブしてたので。だから、わたしは一方的に知ってました。
TSUBAME いや、こっちも一方的に知ってましたよ(笑)。RACHELはいつだっけ。
RACHEL わたしは、THCが好きで聴いてて、オファーしたりもしてたし。いつでしょうね。TSUBAMEさんとのはじまりは覚えてないな(笑)。
TSUBAME RACHELは覚えてないんですけど、えみちゃんと知り合ったのは最近だったんで覚えてます。去年の10月とかだよね。
おかもとえみ 秋くらいでしたよね。しっかりした大人の方だーって思いました(笑)。
TSUBAME (笑)。良い感じにちょけてくれる子で、めっちゃ良かった。
——“GOOD NIGHT”を作るとき、今までの曲作りと違ったことはありましたか?
おかもとえみ 最近、いろんな方とやらせてもらう機会が増えていたんですが、今までシンセのメロディが入ってるところに歌詞を入れてくことしかやったことがありませんでした。けど、TSUBAMEさんのビートでは、初めて歌メロ込みで作ることになって。「あ、自由にやって良いんだ」って思って、ワクワク感がありましたね。TSUBAMEさんが作ったビート上で、いかに自分の色を出せるかって感じで、やってて楽しかったです。RACHELさんのラップも最高にかっこいいやつで。あと歌詞に「雨」って言葉とかを散りばめたんですけど、RACHELさんがラップのなかに入れてくれましたね。
RACHEL 会ったことない状態で曲を作るのが初めてでした。歌が入った状態で、わたしはここにラップを入れてくださいっていう形でもらってたんですけど、ワクワクして、2パターンを考えたりしました。わたしが良いと思ってる方をTSUBAMEさんが選んでくれましたね。
TSUBAME え、2パターンも考えてくれたの!? って驚きました(笑)。それで、ふたりには別日にスタジオ来てもらって、レコーディングしました。
おかもとえみ おしゃれスタジオでしたね(笑)。
——“GOOD NIGHT”は男女の恋愛がテーマになっていますが、このテーマはどういう風に決まったんですか?
TSUBAME 大人なアーバンな感じという大きなテーマだけ、えみちゃんに渡しました。あとは自由で良いですって感じで。そしたら、あの恋愛の歌詞が来ましたね。
おかもとえみ そのテーマを聞いて、家に帰って、部屋の照明をアーバンな色味にして、椅子に座って、ビタミン野菜飲んで考えました(笑)。そこで雨の音が聞こえて、雨だ! って思って書き進めました。好きなビートだったんで、歌メロもすんなり出てきた。
RACHEL 「雨」が入ってたのは活かそうって思いました。もともとラップのトラック部分にこういう感じのフローの仮ラップが入ってたんですよ。それ聴いて、「あ、わたしの得意なやつだわ!」って思いました。テーマもあるようでないっていうか、広い感じで抽象的だったから、もうなんでもいいやって感じで(笑)。とにかく楽しかった。
TSUBAME RACHELをイメージして、あのフローを入れたんだよね。
RACHEL それがすごい良かったんで、好きなラップをやっちゃおうって感じで進めることができて。自由にやらせてくれましたね。
おかもとえみ TSUBAMEさんは、のびのびやらせてくれる良い先生。
TSUBAME こっちがなにもしなくても、勝手にできてて(笑)。ふたりに頼んで本当に良かった。
——おかもとえみさんはヒップホップ界隈の人と仕事をして、ヒップホップに対するイメージは昔と今では変わったりしましたか?
おかもとえみ もともとロックバンドでベース弾いてたんで、ヒップホップ界隈の方とはソロをやるまでは関わりがなかったです。すごい好きで聴いてはいたんですけど、ちょっと怖いかなって思ってました。。雲の上の存在と思って見てたんですけど、会ったら良い人しかいなかった。わたしが今まで関わった人たちは、すごい関わりやすくて、楽曲制作もスムーズに進むし、素敵な人たちが多いなって印象です。まだ悪い人に会ってないだけなのかもしれないけど(笑)。
TSUBAME ヒップホップ界隈、怖い人いるよね?
RACHEL いるんですかね? まだ会ったことないかもしれないけど。お茶目な人が多いイメージ。逆に会う前までは、THCは怖いと思ってたんだけど(笑)。オシャレな音楽作ってるし、MVもかっこいいし、大人ですって感じなのかと思ってた。けど、打ち解けるとみなさん気さくでした。
TSUBAME イケてる人たちに予防線を張るからね。イケてないけど、イケてる風を出してます(笑)。
——曲名の“GOOD NIGHT”はどういう経緯で決まったのですか?
おかもとえみ 最初の曲名は“CONTACT”でしたよね。
TSUBAME もともと、“CONTACT”っていうタイトルを付けて渡しました。トラックのイメージで、僕が付けただけなんですけど。
RACHEL わたし、トラックメイカーのそのシリーズ好き。
TSUBAME TOSHIKI HAYASHI(%C)(以下、%C)とかは“001”とか付けるからね(笑)。
RACHEL %Cは味気ないよね。日付と番号で(笑)。
おかもとえみ “CONTACT”は人と会うって意味もあるのかなって。それで内容が恋愛に発展したのもありますね。
TSUBAME そんな風に汲み取ってもらえるとは思わなかった。
おかもとえみ わたしは“CONTACT”で行くのかと思ってた(笑)。
TSUBAME いや、最初から歌詞に出てきた言葉を抜き取ろうと思ってて。雨の話だけど、雨ってタイトルもなーって考えてたときに「GOOD NIGHT」がワードとして強く残って、同韻な感じが良いなと。それで“GOOD NIGHT”ってつけて、ふたりに送ったら、なにも言わないからマスタリングまでいっちゃった(笑)。